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第6章 スターウォーズ
ハンタのアレ
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それにしてもヨルダ師匠の勃気術は恐ろしいほどの熟練度だった。
俺に出来るのはせいぜい近くにいる生物の勃起を感知する程度の能力だったが、ヨルダ師匠は他人のそれをも制御できるらしい。
他の生物どころか樹木という非生物をちん〇んに見立てて自由自在に勃〇させ、そして萎えさせ、花粉を放出することまでできる。まさに勃〇の具現化能力と言ってよい。
師匠には「勃気の才能がある」とは言われたものの、その鍛錬は凄惨の一言を極めた。
まず、勃気を具現化しようと決めてからはイメージ修行だな。
最初は実際のちん〇んを一日中いじくってたな。とにかく四六時中だよ。
目をつぶって触感を確認したり、何百回何千回と射〇したり。
ずーっとただながめてみたり、舐めようとしてみたり、音を立てたり、嗅いでみたり。ちん〇んで遊ぶ以外何もするなと師匠に言われたからな。
しばらくしたら毎晩ちん〇んの夢を見るようになって、その時点で実際のちん〇んを取り上げられた。(貞操帯をつけられた)
そうすると、今度は幻覚でちん〇んが見えてくるんだ。
さらに日が経つと幻覚のちん〇んがリアルに感じられるんだ。重さも熱さもすれ合う音も聞こえてくる。いつの間にか幻覚じゃなく自然と具現化したちん〇んが出ていたんだ。
何言ってるか分からないだろう。
俺も何言ってるのか分からねえよ。
何言ってんだ俺。俺は今正気なのか。
この訓練早いところ終わらせないと取り返しのつかない事になりそうな気がするな。
しかし、ここで一つ問題がある。
エイメだ。
当然のことながらエイメにはちん〇んがない。自分自身にちん〇んが無いんだからイメージのしようがない。俺とは別メニューで(というか俺の鍛錬してる姿を見られたくないから)練習をしてるんだが、いったいどうやってるのやら。
まさかとは思うけどアスタロウやヨルダ師匠のちん〇んをいじったりしてないだろうな。なんかもう、そういう犯罪行為は本当にいかんぞ。そういういかん事をスルッとやりそうな怖さがあの女にはある。
「ああ……おはようございまス、師匠……」
俺達は今、森の中にぽつんとたたずむヨルダ師匠の家に寝泊まりしている。食事なんかはヨルダ師匠に頼ることになったけど、結局先立つ者がないと材料の仕入れもできないということでお金は渡してある。
近くの小川に水を汲みに行ってから外で顔を洗っていた俺に朝の挨拶をしたのは随分と疲れた顔をしたエイメだった。
「大分疲れてそうだけど、訓練が上手くいってないのか?」
「ッス……」
やっぱりか。というか無理なんじゃないのか。そもそもどういう経緯でお前は勃気を探知する能力を手に入れたんだよ。その力で何をする気だったんだよ。
「なあエイメ、思うんだが、お前にはこの修行、意味がないというか、無理なんじゃないのか?」
「師匠も……私には無理だっていうんスか」
む……誰か他にもそんなことを言われたんだろうか。
「何でスか!! 私が女だからスか!?」
当たり前だろ。
「師匠、ワタシはね。『女だから無理』だとか、『女にはできない』だとか、そういった下らない先入観のために自分の夢を邪魔されたくないんス」
ん、いやあ……ん?
なんだろなあ? なんかこう……良いこと言ってる感じは凄く出てるんだけどさあ。俺もその気持ち自体は思わず応援したくなるような素晴らしいことを言ってると感じるんだけどさあ。
なんかこう、根本的なところが間違ってるような気がするんだが。
「人が夢を叶えるのに、性別は関係ないんじゃないんスか」
いやそうなんだけどさあ。そうなんだけどね。
「女が勃気を使えて、何がおかしいんスか!!」
いやおかしいだろ。
なんだろうこの……「言ってることは正しいけどやってることは間違ってる」感。
明らかに間違ってることを言ってるのに、それを正面から否定することは主人公という立場上非常にやりづらいように感じられる。
ここは応援してあげるべきなのか。それとも無理なことは無理だと諦めさせるべきなのか。
というかこいつは勃気術をマスターして一体何がしたいんだ。お前ただの村娘だよな?
「師匠は……ワタシの夢を、応援してくれるスよね?」
上目づかいで瞳に涙を浮かべながら縋るように俺に話しかけてくるエイメ。黙ってりゃ本当にかわいい子なんだけどね。その「夢」ってのが勃気術なのがね。
というか自分でやっててなんだけど勃気術ってなんやねん。
と、言いたいところなのだが、ここで彼女の夢を頭ごなしに否定するのも、なんか少年漫画の冒頭で夢を大きく語る主人公を理解のない大人がバカにする構図みたいな感じになっちゃってイヤなんだよな。
それは絶対主人公が言うべきセリフではないんだけど、でもここで女に「勃気を極めろ」っていうのもそれはそれでなんか無責任な気がするんだよな。
というかこういうの、本来は師匠であるヨルダさんが言うべきなんじゃないのか?
俺はいったいどうすべきなのか……
「がんばれエイメ! 応援してるぞ!!」
俺は責任から逃げることにした。
エイメ、お前の人生はお前が決めろ。
「やった! 師匠大好き! ……ところで、そこで師匠に相談があるんスけど」
嫌な予感しかしない。
「師匠のちん〇ん見せて欲しいッス」
…………
……
風にそよぐ木の葉がすれ合う音が聞こえる。
木漏れ日はどこまでも俺達をあおく、鮮やかに照らしている。
……
「いやダメだろ」
「大丈夫スか師匠? 三十分くらいタイムラグがありましたけど」
三十分?? そんなに長く思考が停止していたのか俺は。
「ダメなんスか? 別にいいじゃないスか、減るもんじゃあるまいし」
いや、ダメだろ。
ちん〇ん見せてっていうのはアレだろ? つまりは俺が勃気をマスターするために自分のちん〇んでやってたことを、自分のがないから俺のちん〇んでするっていうことだろう?
そんなの……
『最初は実際のちん〇んを一日中いじくってたな。とにかく四六時中だよ。目をつぶって触感を確認したり、何百回何千回と射〇したり。ずーっとただながめてみたり、舐めようとしてみたり、音を立てたり、嗅いでみたり』
「いやダメだろう!!」
「どうしたんスか、また一時間くらい停止してたスけど」
「ダメダメ! とにかくダメだから!!」
「何でスかッ!! 別に減るもんじゃないのに!! 師匠のいじわる!!」
俺に出来るのはせいぜい近くにいる生物の勃起を感知する程度の能力だったが、ヨルダ師匠は他人のそれをも制御できるらしい。
他の生物どころか樹木という非生物をちん〇んに見立てて自由自在に勃〇させ、そして萎えさせ、花粉を放出することまでできる。まさに勃〇の具現化能力と言ってよい。
師匠には「勃気の才能がある」とは言われたものの、その鍛錬は凄惨の一言を極めた。
まず、勃気を具現化しようと決めてからはイメージ修行だな。
最初は実際のちん〇んを一日中いじくってたな。とにかく四六時中だよ。
目をつぶって触感を確認したり、何百回何千回と射〇したり。
ずーっとただながめてみたり、舐めようとしてみたり、音を立てたり、嗅いでみたり。ちん〇んで遊ぶ以外何もするなと師匠に言われたからな。
しばらくしたら毎晩ちん〇んの夢を見るようになって、その時点で実際のちん〇んを取り上げられた。(貞操帯をつけられた)
そうすると、今度は幻覚でちん〇んが見えてくるんだ。
さらに日が経つと幻覚のちん〇んがリアルに感じられるんだ。重さも熱さもすれ合う音も聞こえてくる。いつの間にか幻覚じゃなく自然と具現化したちん〇んが出ていたんだ。
何言ってるか分からないだろう。
俺も何言ってるのか分からねえよ。
何言ってんだ俺。俺は今正気なのか。
この訓練早いところ終わらせないと取り返しのつかない事になりそうな気がするな。
しかし、ここで一つ問題がある。
エイメだ。
当然のことながらエイメにはちん〇んがない。自分自身にちん〇んが無いんだからイメージのしようがない。俺とは別メニューで(というか俺の鍛錬してる姿を見られたくないから)練習をしてるんだが、いったいどうやってるのやら。
まさかとは思うけどアスタロウやヨルダ師匠のちん〇んをいじったりしてないだろうな。なんかもう、そういう犯罪行為は本当にいかんぞ。そういういかん事をスルッとやりそうな怖さがあの女にはある。
「ああ……おはようございまス、師匠……」
俺達は今、森の中にぽつんとたたずむヨルダ師匠の家に寝泊まりしている。食事なんかはヨルダ師匠に頼ることになったけど、結局先立つ者がないと材料の仕入れもできないということでお金は渡してある。
近くの小川に水を汲みに行ってから外で顔を洗っていた俺に朝の挨拶をしたのは随分と疲れた顔をしたエイメだった。
「大分疲れてそうだけど、訓練が上手くいってないのか?」
「ッス……」
やっぱりか。というか無理なんじゃないのか。そもそもどういう経緯でお前は勃気を探知する能力を手に入れたんだよ。その力で何をする気だったんだよ。
「なあエイメ、思うんだが、お前にはこの修行、意味がないというか、無理なんじゃないのか?」
「師匠も……私には無理だっていうんスか」
む……誰か他にもそんなことを言われたんだろうか。
「何でスか!! 私が女だからスか!?」
当たり前だろ。
「師匠、ワタシはね。『女だから無理』だとか、『女にはできない』だとか、そういった下らない先入観のために自分の夢を邪魔されたくないんス」
ん、いやあ……ん?
なんだろなあ? なんかこう……良いこと言ってる感じは凄く出てるんだけどさあ。俺もその気持ち自体は思わず応援したくなるような素晴らしいことを言ってると感じるんだけどさあ。
なんかこう、根本的なところが間違ってるような気がするんだが。
「人が夢を叶えるのに、性別は関係ないんじゃないんスか」
いやそうなんだけどさあ。そうなんだけどね。
「女が勃気を使えて、何がおかしいんスか!!」
いやおかしいだろ。
なんだろうこの……「言ってることは正しいけどやってることは間違ってる」感。
明らかに間違ってることを言ってるのに、それを正面から否定することは主人公という立場上非常にやりづらいように感じられる。
ここは応援してあげるべきなのか。それとも無理なことは無理だと諦めさせるべきなのか。
というかこいつは勃気術をマスターして一体何がしたいんだ。お前ただの村娘だよな?
「師匠は……ワタシの夢を、応援してくれるスよね?」
上目づかいで瞳に涙を浮かべながら縋るように俺に話しかけてくるエイメ。黙ってりゃ本当にかわいい子なんだけどね。その「夢」ってのが勃気術なのがね。
というか自分でやっててなんだけど勃気術ってなんやねん。
と、言いたいところなのだが、ここで彼女の夢を頭ごなしに否定するのも、なんか少年漫画の冒頭で夢を大きく語る主人公を理解のない大人がバカにする構図みたいな感じになっちゃってイヤなんだよな。
それは絶対主人公が言うべきセリフではないんだけど、でもここで女に「勃気を極めろ」っていうのもそれはそれでなんか無責任な気がするんだよな。
というかこういうの、本来は師匠であるヨルダさんが言うべきなんじゃないのか?
俺はいったいどうすべきなのか……
「がんばれエイメ! 応援してるぞ!!」
俺は責任から逃げることにした。
エイメ、お前の人生はお前が決めろ。
「やった! 師匠大好き! ……ところで、そこで師匠に相談があるんスけど」
嫌な予感しかしない。
「師匠のちん〇ん見せて欲しいッス」
…………
……
風にそよぐ木の葉がすれ合う音が聞こえる。
木漏れ日はどこまでも俺達をあおく、鮮やかに照らしている。
……
「いやダメだろ」
「大丈夫スか師匠? 三十分くらいタイムラグがありましたけど」
三十分?? そんなに長く思考が停止していたのか俺は。
「ダメなんスか? 別にいいじゃないスか、減るもんじゃあるまいし」
いや、ダメだろ。
ちん〇ん見せてっていうのはアレだろ? つまりは俺が勃気をマスターするために自分のちん〇んでやってたことを、自分のがないから俺のちん〇んでするっていうことだろう?
そんなの……
『最初は実際のちん〇んを一日中いじくってたな。とにかく四六時中だよ。目をつぶって触感を確認したり、何百回何千回と射〇したり。ずーっとただながめてみたり、舐めようとしてみたり、音を立てたり、嗅いでみたり』
「いやダメだろう!!」
「どうしたんスか、また一時間くらい停止してたスけど」
「ダメダメ! とにかくダメだから!!」
「何でスかッ!! 別に減るもんじゃないのに!! 師匠のいじわる!!」
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