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第7章 それは美しき光の玉
攻略
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まるで温暖化の影響で崩壊する氷山のように扉が崩れ落ちた。がらりと大きな音を立てて。
「最初っからこうすればよかったのね」
ぼうっとした表情でイルウが呟く。
先ずは第一関門突破だ。簡単に説明すると、まあ、アレだ。扉を聖剣で切った。すげー楽だった。なんだよこれ。もうダンジョンとかこの剣の前じゃ意味ねーな。
「この部屋は……鏡? まるで空間が歪んでいるような……」
アンススが呟く。
彼女の言うとおりまるでミラーハウスのような部屋だった。一つ違うところがあるとすれば鏡に枠がなく、鏡と鏡のつなぎ目も分からない。
自分が今どこに立っているのか、どちらが上でどちらが下なのか。それすらも分からなくなり感覚がぐらぐらして頭痛がする。そんな部屋を聖剣で一刀両断して次の部屋に進む。
「簡単すぎて申し訳ないのう……」
「え? なにが?」
「いや……」
何かボソッと喋ってアスタロウに聞き返したがなんとも歯切れの悪い様子だ。何かあったのかね。とにかく次の部屋へ行こう。
次の部屋は岩がむき出しになったような中くらいの部屋。その部屋の中に、真っ二つになったガーゴイルが倒れていた。
「これは多分……この部屋の番人ね」
「番人?」
部屋の番人とは何だろう。留守番してた人ってことだろうか。それが何で真っ二つになってるんだ。
「ん、まあ……さっきの鏡の部屋を斬った斬撃の衝撃波に、巻き込まれちゃったのね、きっと」
ああ~、なんか悪いことしたな。もしかしたら戦う前の口上とかも考えてたかもしれないのにね。まあでも、そういう星のめぐりあわせだったんだよ、きっと。長く作ってりゃそういう事もあるよ。
「さて、次の部屋に行くか」
切り替えていこう。過ぎたことをくよくよしたってしょうがない。てか俺達には別に何の不利益もないし。
そう考えて次の部屋に続く扉の前に立つ。これは鍵穴もないな。どうやったら開くんだろう?
「扉の中央に窪みがあるわね。ここにキーアイテムを収めると多分開く仕組みなんだろうけど……」
アンススが扉の仕組みを解説してくれる。初めて入るダンジョンなのによく分かるね。やっぱこういうのはダンジョン特有のお約束というか、定石みたいなのがあるんだろうな。
「最初の部屋、鏡の部屋、ガーゴイルと全部イベントすっ飛ばしてきちゃったから完全にノーヒント状態ね……」
心配そうな顔でそう呟いたのはイルウ。う~ん、そこはかとなく責められている感じがするな。でもまあ、だから何だっちゅう話よ。
「ふんッ」
俺は横薙ぎに一閃、聖剣を振るう。すると俺達の行く先を阻む石扉だけでなく、その周りの壁までもがガラガラと崩れる。
呆気にとられた表情をしている三人。しかし俺は自分の尻も拭けないようなガキじゃないんだぜ。このダンジョンにおいて攻略が『詰む』なんてことは絶対に起きないぜ。
「なんというか……風情が無いわね」
はて、ダンジョンの風情とは何ぞや。
「どう言ったらうまく伝わるのか……正直私にも分からないんだけどね。もし私が毎回こんな方法でダンジョンを攻略してたら……多分、もうとっくの昔に冒険者なんかやめてたと思うのよ」
抽象的でよく分からないが。
「何と言ったらいいのか……」
「ダンジョンを作った人に申し訳ないのう」
言葉に詰まるアンススを継ぐように、アスタロウが喋った。とはいえ、俺には何のことやら。
「そういや結局このダンジョンってなんなの? 誰が何のために作ったの?」
俺はイルウに尋ねる。彼女は確か魔王からこの遺跡の情報を得ているはずなんだが、そもそも『ふたなりになれる』神殿ってなんやねん。
「元々は魔王様の一族の、氏神みたいなものを祀ってる神殿らしいわ」
魔王の氏神? というか、そもそも魔王って何者なんだ?
なあ、女神。
ん?
あれ? お~い、女神様~?
返事がない。
まさかとは思うが、前回俺が無視したからその仕返しか? 子供っぽい奴だな。
ていうかそんな事くらいでへそ曲げるなよな。しかも「魔王が何者か」なんてお前が依頼してきた仕事に関わる事だろうがよ。そんな奴にはマイルストーン出してやれないな。マイルストーンさんが怒るよ。
「魔王様は、先代の魔王と淫魔との間に生まれた子供だから、おそらく淫魔の方の氏神なんだと思う」
ああ~、なるほど。確かに淫魔ならなんか、ふたなりにしてくれそうだよね。話がこう、具体的になってきたわ。流石は魔族のイルウさん。どっかの女神とは格が違うわ。プログレッシブロックがちゃんとできてるわ。
『そもそも、女神の言葉を無視したケンジさんが悪いんじゃないですか……』
あれ? 今なんか聞こえたかな? 気のせいかな?
『私はいつも的確なサポートをしてあげてるのに、自分勝手な行動をして!』
「どうしたの? ケンジ?」
「ああ、別に誰かの声が聞こえたような気がしたけど、気のせいだったわ。話を続けて」
『また聞こえないふりですか! 大体ケンジさん女神に対して経緯が足りなさすぎませんか!?』
「よし、じゃあ先に進もうか、イルウ。そろそろダンジョンも最深部が近いんじゃないかな。俺の勘だと」
『この……』
ああいい気分だ。いつも偉そうに余裕見せやがって。ちょっとは現場で動いてる奴の気にもなってみろってんだ。
『この粗チン野郎が!!』
「誰が粗チンだこのくそアマ!!」
「最初っからこうすればよかったのね」
ぼうっとした表情でイルウが呟く。
先ずは第一関門突破だ。簡単に説明すると、まあ、アレだ。扉を聖剣で切った。すげー楽だった。なんだよこれ。もうダンジョンとかこの剣の前じゃ意味ねーな。
「この部屋は……鏡? まるで空間が歪んでいるような……」
アンススが呟く。
彼女の言うとおりまるでミラーハウスのような部屋だった。一つ違うところがあるとすれば鏡に枠がなく、鏡と鏡のつなぎ目も分からない。
自分が今どこに立っているのか、どちらが上でどちらが下なのか。それすらも分からなくなり感覚がぐらぐらして頭痛がする。そんな部屋を聖剣で一刀両断して次の部屋に進む。
「簡単すぎて申し訳ないのう……」
「え? なにが?」
「いや……」
何かボソッと喋ってアスタロウに聞き返したがなんとも歯切れの悪い様子だ。何かあったのかね。とにかく次の部屋へ行こう。
次の部屋は岩がむき出しになったような中くらいの部屋。その部屋の中に、真っ二つになったガーゴイルが倒れていた。
「これは多分……この部屋の番人ね」
「番人?」
部屋の番人とは何だろう。留守番してた人ってことだろうか。それが何で真っ二つになってるんだ。
「ん、まあ……さっきの鏡の部屋を斬った斬撃の衝撃波に、巻き込まれちゃったのね、きっと」
ああ~、なんか悪いことしたな。もしかしたら戦う前の口上とかも考えてたかもしれないのにね。まあでも、そういう星のめぐりあわせだったんだよ、きっと。長く作ってりゃそういう事もあるよ。
「さて、次の部屋に行くか」
切り替えていこう。過ぎたことをくよくよしたってしょうがない。てか俺達には別に何の不利益もないし。
そう考えて次の部屋に続く扉の前に立つ。これは鍵穴もないな。どうやったら開くんだろう?
「扉の中央に窪みがあるわね。ここにキーアイテムを収めると多分開く仕組みなんだろうけど……」
アンススが扉の仕組みを解説してくれる。初めて入るダンジョンなのによく分かるね。やっぱこういうのはダンジョン特有のお約束というか、定石みたいなのがあるんだろうな。
「最初の部屋、鏡の部屋、ガーゴイルと全部イベントすっ飛ばしてきちゃったから完全にノーヒント状態ね……」
心配そうな顔でそう呟いたのはイルウ。う~ん、そこはかとなく責められている感じがするな。でもまあ、だから何だっちゅう話よ。
「ふんッ」
俺は横薙ぎに一閃、聖剣を振るう。すると俺達の行く先を阻む石扉だけでなく、その周りの壁までもがガラガラと崩れる。
呆気にとられた表情をしている三人。しかし俺は自分の尻も拭けないようなガキじゃないんだぜ。このダンジョンにおいて攻略が『詰む』なんてことは絶対に起きないぜ。
「なんというか……風情が無いわね」
はて、ダンジョンの風情とは何ぞや。
「どう言ったらうまく伝わるのか……正直私にも分からないんだけどね。もし私が毎回こんな方法でダンジョンを攻略してたら……多分、もうとっくの昔に冒険者なんかやめてたと思うのよ」
抽象的でよく分からないが。
「何と言ったらいいのか……」
「ダンジョンを作った人に申し訳ないのう」
言葉に詰まるアンススを継ぐように、アスタロウが喋った。とはいえ、俺には何のことやら。
「そういや結局このダンジョンってなんなの? 誰が何のために作ったの?」
俺はイルウに尋ねる。彼女は確か魔王からこの遺跡の情報を得ているはずなんだが、そもそも『ふたなりになれる』神殿ってなんやねん。
「元々は魔王様の一族の、氏神みたいなものを祀ってる神殿らしいわ」
魔王の氏神? というか、そもそも魔王って何者なんだ?
なあ、女神。
ん?
あれ? お~い、女神様~?
返事がない。
まさかとは思うが、前回俺が無視したからその仕返しか? 子供っぽい奴だな。
ていうかそんな事くらいでへそ曲げるなよな。しかも「魔王が何者か」なんてお前が依頼してきた仕事に関わる事だろうがよ。そんな奴にはマイルストーン出してやれないな。マイルストーンさんが怒るよ。
「魔王様は、先代の魔王と淫魔との間に生まれた子供だから、おそらく淫魔の方の氏神なんだと思う」
ああ~、なるほど。確かに淫魔ならなんか、ふたなりにしてくれそうだよね。話がこう、具体的になってきたわ。流石は魔族のイルウさん。どっかの女神とは格が違うわ。プログレッシブロックがちゃんとできてるわ。
『そもそも、女神の言葉を無視したケンジさんが悪いんじゃないですか……』
あれ? 今なんか聞こえたかな? 気のせいかな?
『私はいつも的確なサポートをしてあげてるのに、自分勝手な行動をして!』
「どうしたの? ケンジ?」
「ああ、別に誰かの声が聞こえたような気がしたけど、気のせいだったわ。話を続けて」
『また聞こえないふりですか! 大体ケンジさん女神に対して経緯が足りなさすぎませんか!?』
「よし、じゃあ先に進もうか、イルウ。そろそろダンジョンも最深部が近いんじゃないかな。俺の勘だと」
『この……』
ああいい気分だ。いつも偉そうに余裕見せやがって。ちょっとは現場で動いてる奴の気にもなってみろってんだ。
『この粗チン野郎が!!』
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