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最終章 手を取り合って
勇者
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俺たちの前に現れた謎の『勇者一行』。奴らはいったい何者なのか。選ばれし『真の勇者』の座をかけて、今、俺たちの熱い戦いが始まる。
ようなことはない。
帰りたい。
ただただ恥ずかしくて、いたたまれない。
『鬼龍院アキラ』と名乗った男を見てみる。身長は百八十センチと少し。整った顔立ちに筋肉質な体。まさに『主人公』といった出で立ち。一方こちらは三百年間おっさんのケツの穴に突き刺さっていた剣を携える俺。
アキラの隣にいるのはいつものドレスよりも少し豪華さを抑えて、代わりにところどころに金属製のプレートで武装しているイリユース王女。相変わらず胸がでかい。一方こちらは三百年間聖剣をケツの穴で熟成させていたおっさん。
僧侶のヒューリウムさんは理知的な雰囲気をまといつつも胸元にはばっちりパイズリホールの空いたエロい衣装を着ている。一方こちらは数も数えられないバカ冒険者。
エルフアーチャーのウァンテットさんは向こうのパーティー唯一の貧乳ながらもパンツまで見える深いスリットがドスケベエルフであることを主張している。一方こちらの琴エルフ関はバストサイズだけなら誰にも負けることのない立派な横綱だ。
「おい」
怒気のはらんだ俺の声に向こうの勇者たちは少したじろいだ。しかし俺の話しかけた相手はお前達じゃない。
「おい女神。こりゃいったいどういうことだ」
『はぁ~……お久しぶりですね、ケンジさん』
いつもとは少し声の雰囲気が違う。アスタロウや魔族の反応を見ると、これは多分周りの人間にも聞こえてるっぽいな。いいだろう。その方が話は早い。
「勇者は俺一人じゃないのか? それで最近声かけても答えなかったのか」
『どういうこともなにも、勇者は一人、なんてルールは最初っからありませんよ。ケンジさんだって今までに別の勇者に会ってるでしょう』
俺はドラゴンカーセックスのショウさんの顔を思い出す。
あれは……すでに引退済みの勇者ということだったが。結局は「聖剣を引き抜く」という目的を果たすことのできなかった戦力外通告を出された勇者。俺もすでに同じ扱いってことか?
「俺はまだ失敗したわけじゃない! この手に聖剣アヌスカリバーもある」
「聖剣アヌスカリバー? どういうことだ? 女神よ、僕のこの聖剣イムカルテの他にも聖剣があるっていうのか!?」
おい……なんだよそれ。
「イリユース姫、知っていますか」
「知りません」
おい、マジかお前ら。
「そんな下品な名前の剣、聞いたこともありませんわ。あの人たちのことも知りませんわ」
歴史から抹消されとるやんけ俺ら。まあ抹消したくなる気持ちも分からんでもないが。
「さんざんチュートリアルした仲だっていうのにその仕打ちか。新しい勇者が来たら俺は用済みかよ!!」
「チュート……何のことかよくわかりませんわ」
あったまきた。世界を滅ぼす。
「どっちが勇者でもいいが、おぬしらはいったい何をしに来たのだ?」
魔王の一言で冷静になる。そうだった。俺は世界を平和にするために来たんだ。
「僕達は、魔王ベルメス、お前を倒すためにここに来た!!」
あっ、ちょ……勝手なことを。俺は倒しに来たんじゃない。その、僕『達』には俺は含まれてないからな。
「ほう……女の色香と、王家の出す褒章につられて、わらわを殺しに来た、と。とんだ俗物が勇者などと名乗っておるものだな。くくく……」
目を細め、口元を軽く押さえながら笑う魔王。う~ん、ぼかあよくないと思うッスよ? 何でもかんでも暴力で解決しようってのは。
「黙れ! 僕はここに来る途中、牢屋に捕らえられてる罪もない人々を見たぞ!」
ああ~、その『罪もない人々』って……もしかして。
「魔王の食糧としてとらえられていた人々だ。言葉の通じる相手によくあんな非道な行いができるな。この悪魔め!!」
ああ、やっぱりあいつらか。え、なに? この勇者あんな奴らに同情してんの? 朝からぷりぷり牡蠣のアヒージョ食ってるような連中だぞ?
「あの恐怖に怯えきって精神をすり減らした顔を……思い出すだけで怒りがこみあげてくる」
すり減らしたのは精神じゃなくて精力じゃないスかね。なんかこいつ……なにも分かってないっぽいな。すごく純粋というか。きっと今まで清浄な世界で生きてきたんだろうなあ。
何でもかんでもアナルに入れるおっさんも、ドラゴンを犯そうとする村娘も、勃〇をコントロールするエルフもいない、清浄な世界。この世界に、そんな場所があるんだろうか。俺もそんな場所に生まれたかった。
「おぬしら人間とて他の生き物を食っておろう。自分達は良くて、魔族がやるのはダメなのか? なんと邪悪な奴らか」
まあ、当然魔王からすればそういう言葉が出てくるわな。出てくるのはいいんだけど俺に向かって言わないでくれるかな。
「惑わされないでください、勇者様。死者を冒涜する屍霊術師ブラックモア、あの悪魔から我ら正教会を救ってくださったあの戦い、あれが邪悪なはずがありません」
アキラの隣にいたパリズリホールの服の僧侶が彼に話しかける。ブラックモアってあのイルウとお茶会してた……そっちのルートだとそんな感じなんだ。なんか俺、四天王のハズレ組ばっかひいてたっぽいな。
「聖剣イムカルテの力でアンデッド達を浄化した勇者様のお姿は、間違いなく正義です」
いいなあ、そっちの聖剣そんな能力あるんだ。
「アキラ、エルフの里が邪竜メルポーザに襲われたとき、助けてくれた恩、私だって忘れてない。弱者を助ける無私の心を持つアキラが、邪悪なはずないだろう」
反対側にいたエルフのお姉さんもアキラをヨイショする。
というかメルポーザもそっちのルートだとそんな感じなの? こっちだとドラゴンボッキとかやってたんだけど。まあどうせエルフの里を襲ったのも繁殖のためなんだろうけどさ。
「あ~……あの……」
すると俺の隣にいた琴エルフ関が何か言いたげにしている。
気持ちはわかるが、何も言うな。何も言うなよ。
「勇者殿がエルフの里に開いてくれた国技館の恩、決して忘れませんぞ!」
あ~あ、言っちゃった。見ろよ、ヘンな空気になっちゃったじゃんか。今あいつらが何思ってるか教えてやろうか?
「国技館? なんのこと?」「何の話してるんだ?」「ていうかあの力士はなに?」だよ。テレパスの能力なんてなくても分かるんだぜ。すごいだろ。
向こうがこっちの知らない話でヨイショしてるからこっちも負けじとなんか言いたかったんだろうけどさ。空気読んでくれよ。
冷静に考えたらエルフの力士って時点でもうなんかおかしいんだよ。だいぶこの世界に毒されて慣れてたから麻痺してたけどさ。
「結局君たちはいったい何者なんだ。偽勇者」
『偽』とか言われちゃったよどうすんだよ。聖剣なんとかってのの切っ先をこっちに向けてんぞ。不穏な空気出すなよ。
そりゃ俺はお前らと違って魔族との融和を目指してんだから敵と言えなくもないんだが。そんなことを考えて悩んでいると、入口の方から爆音が聞こえた。これは、車のエンジン音?
と思った時には恐ろしいスピードで白い塊が、車が魔王の部屋に突っ込んできて、アキラ一行の全員を跳ね飛ばして、停車した。
何が起きたの?
ようなことはない。
帰りたい。
ただただ恥ずかしくて、いたたまれない。
『鬼龍院アキラ』と名乗った男を見てみる。身長は百八十センチと少し。整った顔立ちに筋肉質な体。まさに『主人公』といった出で立ち。一方こちらは三百年間おっさんのケツの穴に突き刺さっていた剣を携える俺。
アキラの隣にいるのはいつものドレスよりも少し豪華さを抑えて、代わりにところどころに金属製のプレートで武装しているイリユース王女。相変わらず胸がでかい。一方こちらは三百年間聖剣をケツの穴で熟成させていたおっさん。
僧侶のヒューリウムさんは理知的な雰囲気をまといつつも胸元にはばっちりパイズリホールの空いたエロい衣装を着ている。一方こちらは数も数えられないバカ冒険者。
エルフアーチャーのウァンテットさんは向こうのパーティー唯一の貧乳ながらもパンツまで見える深いスリットがドスケベエルフであることを主張している。一方こちらの琴エルフ関はバストサイズだけなら誰にも負けることのない立派な横綱だ。
「おい」
怒気のはらんだ俺の声に向こうの勇者たちは少したじろいだ。しかし俺の話しかけた相手はお前達じゃない。
「おい女神。こりゃいったいどういうことだ」
『はぁ~……お久しぶりですね、ケンジさん』
いつもとは少し声の雰囲気が違う。アスタロウや魔族の反応を見ると、これは多分周りの人間にも聞こえてるっぽいな。いいだろう。その方が話は早い。
「勇者は俺一人じゃないのか? それで最近声かけても答えなかったのか」
『どういうこともなにも、勇者は一人、なんてルールは最初っからありませんよ。ケンジさんだって今までに別の勇者に会ってるでしょう』
俺はドラゴンカーセックスのショウさんの顔を思い出す。
あれは……すでに引退済みの勇者ということだったが。結局は「聖剣を引き抜く」という目的を果たすことのできなかった戦力外通告を出された勇者。俺もすでに同じ扱いってことか?
「俺はまだ失敗したわけじゃない! この手に聖剣アヌスカリバーもある」
「聖剣アヌスカリバー? どういうことだ? 女神よ、僕のこの聖剣イムカルテの他にも聖剣があるっていうのか!?」
おい……なんだよそれ。
「イリユース姫、知っていますか」
「知りません」
おい、マジかお前ら。
「そんな下品な名前の剣、聞いたこともありませんわ。あの人たちのことも知りませんわ」
歴史から抹消されとるやんけ俺ら。まあ抹消したくなる気持ちも分からんでもないが。
「さんざんチュートリアルした仲だっていうのにその仕打ちか。新しい勇者が来たら俺は用済みかよ!!」
「チュート……何のことかよくわかりませんわ」
あったまきた。世界を滅ぼす。
「どっちが勇者でもいいが、おぬしらはいったい何をしに来たのだ?」
魔王の一言で冷静になる。そうだった。俺は世界を平和にするために来たんだ。
「僕達は、魔王ベルメス、お前を倒すためにここに来た!!」
あっ、ちょ……勝手なことを。俺は倒しに来たんじゃない。その、僕『達』には俺は含まれてないからな。
「ほう……女の色香と、王家の出す褒章につられて、わらわを殺しに来た、と。とんだ俗物が勇者などと名乗っておるものだな。くくく……」
目を細め、口元を軽く押さえながら笑う魔王。う~ん、ぼかあよくないと思うッスよ? 何でもかんでも暴力で解決しようってのは。
「黙れ! 僕はここに来る途中、牢屋に捕らえられてる罪もない人々を見たぞ!」
ああ~、その『罪もない人々』って……もしかして。
「魔王の食糧としてとらえられていた人々だ。言葉の通じる相手によくあんな非道な行いができるな。この悪魔め!!」
ああ、やっぱりあいつらか。え、なに? この勇者あんな奴らに同情してんの? 朝からぷりぷり牡蠣のアヒージョ食ってるような連中だぞ?
「あの恐怖に怯えきって精神をすり減らした顔を……思い出すだけで怒りがこみあげてくる」
すり減らしたのは精神じゃなくて精力じゃないスかね。なんかこいつ……なにも分かってないっぽいな。すごく純粋というか。きっと今まで清浄な世界で生きてきたんだろうなあ。
何でもかんでもアナルに入れるおっさんも、ドラゴンを犯そうとする村娘も、勃〇をコントロールするエルフもいない、清浄な世界。この世界に、そんな場所があるんだろうか。俺もそんな場所に生まれたかった。
「おぬしら人間とて他の生き物を食っておろう。自分達は良くて、魔族がやるのはダメなのか? なんと邪悪な奴らか」
まあ、当然魔王からすればそういう言葉が出てくるわな。出てくるのはいいんだけど俺に向かって言わないでくれるかな。
「惑わされないでください、勇者様。死者を冒涜する屍霊術師ブラックモア、あの悪魔から我ら正教会を救ってくださったあの戦い、あれが邪悪なはずがありません」
アキラの隣にいたパリズリホールの服の僧侶が彼に話しかける。ブラックモアってあのイルウとお茶会してた……そっちのルートだとそんな感じなんだ。なんか俺、四天王のハズレ組ばっかひいてたっぽいな。
「聖剣イムカルテの力でアンデッド達を浄化した勇者様のお姿は、間違いなく正義です」
いいなあ、そっちの聖剣そんな能力あるんだ。
「アキラ、エルフの里が邪竜メルポーザに襲われたとき、助けてくれた恩、私だって忘れてない。弱者を助ける無私の心を持つアキラが、邪悪なはずないだろう」
反対側にいたエルフのお姉さんもアキラをヨイショする。
というかメルポーザもそっちのルートだとそんな感じなの? こっちだとドラゴンボッキとかやってたんだけど。まあどうせエルフの里を襲ったのも繁殖のためなんだろうけどさ。
「あ~……あの……」
すると俺の隣にいた琴エルフ関が何か言いたげにしている。
気持ちはわかるが、何も言うな。何も言うなよ。
「勇者殿がエルフの里に開いてくれた国技館の恩、決して忘れませんぞ!」
あ~あ、言っちゃった。見ろよ、ヘンな空気になっちゃったじゃんか。今あいつらが何思ってるか教えてやろうか?
「国技館? なんのこと?」「何の話してるんだ?」「ていうかあの力士はなに?」だよ。テレパスの能力なんてなくても分かるんだぜ。すごいだろ。
向こうがこっちの知らない話でヨイショしてるからこっちも負けじとなんか言いたかったんだろうけどさ。空気読んでくれよ。
冷静に考えたらエルフの力士って時点でもうなんかおかしいんだよ。だいぶこの世界に毒されて慣れてたから麻痺してたけどさ。
「結局君たちはいったい何者なんだ。偽勇者」
『偽』とか言われちゃったよどうすんだよ。聖剣なんとかってのの切っ先をこっちに向けてんぞ。不穏な空気出すなよ。
そりゃ俺はお前らと違って魔族との融和を目指してんだから敵と言えなくもないんだが。そんなことを考えて悩んでいると、入口の方から爆音が聞こえた。これは、車のエンジン音?
と思った時には恐ろしいスピードで白い塊が、車が魔王の部屋に突っ込んできて、アキラ一行の全員を跳ね飛ばして、停車した。
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