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王の部屋の淫魔
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「もし」
その日、ノーモル公オーデン・オーガン卿は王城の敷地内にあるリィングリーツ宮に宿泊していた。諸侯との打ち合わせと調整が夜にまで及んだため、王都ウィンザーハーツにある屋敷にも帰ることができず、国王に勧められるまま王宮に泊まることになったのではあるが、彼はいまいちこの城が好きではなかった。
国王の遠縁にあたる高貴な血ではあるものの、若い頃から剛腕で知られる武辺者である彼は、どうにも華美な社交界も、他人の顔色ばかり窺う陰湿な空気も肌に合わなかった。
彼の領地の財産と武力があれば普通に行けばそんな政治を気にせずとも一定の発言力を持っていられたのであるが、ガッツォ王子にもアシュベル王子にも取り入れず、イェレミアス王子と娘の婚約も流れてしまった今の彼には、そんな立ち回りも必要となってくる。
諸侯との会談の際にも、そんな彼の不機嫌な雰囲気は漏れ出ており、現在の政局を掴むのにも苦労する始末。
今にして思えば、ケチがつき始めたのも、娘のキシュクシュがイェレミアスと妙に親しくなってリィングリーツ宮に入り浸るようになってからだったように思う。
そんな憂鬱な気分でまどろんでいたところに扉の向こうから彼を呼ぶ声。
「もし、公爵様。扉を開けて頂けますか」
若い女の声。全く思い当たるふしはない。後ろ手にナイフを隠し持ってオーガンは慎重に扉に近づく。政局で少し孤立したからといって即座に暗殺者が送り込まれるほど弱い立場ではなかったはずであるが。
ほんの少し、指一本ほどの隙間だけオーガンは扉を開け、そして驚愕した。
新雪の如く透き通るほどに美しい白銀の髪に少女だけが持つきめ細かい肌。頬は桃のように紅く、その唇はサクランボのようにふっくらと瑞々しい。
子供の時分から王宮に出入りし、美しい者を見てきたオーガンでさえもこれほど美しい少女は見たことがなかった。
いや、一度だけある。
王妃インシュラだ。
輿入れしてきた彼女を初めて見た時、まさしく電撃が奔ったような衝撃を受けた。彼の初恋でもある。少女には、どことなくその王妃の面影があるような気がした。
「何者だ。どこから入ってきた」
思わずしゃぶりつきたくなるような衝動を抑え、オーガンは出来るだけ低い声で威圧的に話しかける。
「後ろに隠している物をお納めください。わたくしはあなたの味方です」
何故気付いたのか。少々立ち方が不自然であったかもしれない。しかしいっぱしの侠客相手ならともかくこんな年端もいかない少女に隠しているナイフを気付かれるとは思ってもいなかった。
オーガンはナイフを鞘に納めてテーブルの上に置き、気を取り直して再度話しかけた。
「お前のような者は王宮で見たことがない。おれば必ず噂になる」
それほどの美しさ。
「となれば外部から侵入したという事。内通者は誰だ」
即座にそこまで辿り着くのは流石にこの世界で生きてきた男の貫禄である。こんな女が一人で外から王宮の奥深くまで単独で忍び込むことなど不可能。であれば必ず手引きした者がいる。
さらに言うならオーガンの脳裏には王宮の警備を担う近衛騎士、それらを統括する立場にあるコルアーレの顔が浮かんでいた。
あのすくたれ者め。さんざん目をかけてやったのに小僧一匹始末することも出来んとは、と心の中で毒づく。彼の最近の不機嫌の理由の筆頭でもある。
「王の部屋に現れる淫魔といったところです」
「フッ」
思わず笑みがこぼれた。その噂は知っている。この女が噂の出どころかどうかはともかく。そして俄然彼女に興味がわいてきた。そして手に入れたいとも。
「王宮での去就を決めかねていらっしゃるのでしょう」
ピクリと眉が動く。まさかこんな年端もいかない少女から政治の話が出るとは思ってもいなかった。虚を突かれてオーガンは少し不機嫌になる。
「フン、決めかねるもくそもない。次期王はアシュベルで決まりだ。ガッツォは議会重視を唱えているようだが、今まさにその国政を握る貴族が権利を手放したくないのだ。勝負は見えている」
「あら。でも国王陛下の考えとは違いましてよ」
「なに?」
何故国王の意見を知っているような口ぶりなのか。まさか本当に王の私室に現れるという淫魔なのか。だがその考え以前に一体全体どういう意味か、という思いが先に来た。
「王とて同じ考えのはず。自分達が議決権を握っている現状を変えたがるものか」
「諸侯はそうかもしれませんが、陛下は違いますわ」
やはり分からない。貴族と王で違いがあるはずがない。貴族の中で上に立つ者。それが王のはず。貴族をまとめ上げ、それを一本化して国を背負う。
「……そういうことか」
しばらく考えてやっと得心がいった。
「中央集権化が望みか」
「さすが公爵様」
現状、政治は基本的に貴族院のパワーバランスで決まる。それは即ち、王と言えども所詮は力ある貴族に過ぎず、それに比肩する大貴族の顔色を窺わねば政治ができないという事を意味する。絶対王政には程遠い。
だがそれが「あまねく国民で話し合った事」「全て納得済みの内容に反対するのか」「国民を蔑ろにするという事は、即ち国に反する逆賊」……そう言うためのツールとして議会を使うというのだ。
人権という金看板はまだこの世界には存在すらしないが、『大儀』というものはある。意に反するものを綺麗事で打ちのめし、上手くいけばお家取り潰し、王家直轄地として召し頂く。
「これはすでに陛下も納得済みの話ですわ。そして力ある後ろ盾を得られれば、ガッツォ殿下はアシュベル殿下と互角の力を得ます」
「さらにイェレミアスを取り込めれば……」
「あら、公爵様はイェレミアス王子が嫌いなのではなくて?」
オーガンは少女をぎろりと睨む。王宮でも一部の者しか知らない事実を何故この女は知っているのか。
「俺が娘とイェレミアスを婚約させたのは心底あいつを思ってのことだ。俺は昔、あれの母親に横恋慕してたものよ」
だが手に入らないと分かり、殺そうとした。しかし事情が変わったので、やはりそれはなかったことに、という事である。
「議会中心の政治体制に変われば、今までのように有力諸侯だからと我儘は通らなくなります」
それは公爵であるオーガンにとっても痛手となるはずである。しかし少女の言葉にオーガンはにやりと笑って返す。
「ならば、その仕組みづくりに関わるのが一番甘い汁を吸う方法だ」
「分かってらっしゃいますわね」
妖艶な笑み。
必要なことは喋った、とばかりに少女は踵を返して今日のところは挨拶まで、と部屋を去ろうとする。しかし彼女の手首を掴んでオーガンがそれを止める。
「待て。本当に王の部屋の淫魔ならお前自身にも興味がある」
その顔にかつての初恋の相手の面影を見たからか。本人にも気づかぬうちに、それはオーガンの心の中の情欲に火をつけた。
「あの男の女ならば、ぜひ奪いたい」
叶わなかった横恋慕。その復讐か。
「残念。今日は時間がありませんの。せめてお口でしてあげましょうか」
少女は、オーガンの前に跪いた。
その日、ノーモル公オーデン・オーガン卿は王城の敷地内にあるリィングリーツ宮に宿泊していた。諸侯との打ち合わせと調整が夜にまで及んだため、王都ウィンザーハーツにある屋敷にも帰ることができず、国王に勧められるまま王宮に泊まることになったのではあるが、彼はいまいちこの城が好きではなかった。
国王の遠縁にあたる高貴な血ではあるものの、若い頃から剛腕で知られる武辺者である彼は、どうにも華美な社交界も、他人の顔色ばかり窺う陰湿な空気も肌に合わなかった。
彼の領地の財産と武力があれば普通に行けばそんな政治を気にせずとも一定の発言力を持っていられたのであるが、ガッツォ王子にもアシュベル王子にも取り入れず、イェレミアス王子と娘の婚約も流れてしまった今の彼には、そんな立ち回りも必要となってくる。
諸侯との会談の際にも、そんな彼の不機嫌な雰囲気は漏れ出ており、現在の政局を掴むのにも苦労する始末。
今にして思えば、ケチがつき始めたのも、娘のキシュクシュがイェレミアスと妙に親しくなってリィングリーツ宮に入り浸るようになってからだったように思う。
そんな憂鬱な気分でまどろんでいたところに扉の向こうから彼を呼ぶ声。
「もし、公爵様。扉を開けて頂けますか」
若い女の声。全く思い当たるふしはない。後ろ手にナイフを隠し持ってオーガンは慎重に扉に近づく。政局で少し孤立したからといって即座に暗殺者が送り込まれるほど弱い立場ではなかったはずであるが。
ほんの少し、指一本ほどの隙間だけオーガンは扉を開け、そして驚愕した。
新雪の如く透き通るほどに美しい白銀の髪に少女だけが持つきめ細かい肌。頬は桃のように紅く、その唇はサクランボのようにふっくらと瑞々しい。
子供の時分から王宮に出入りし、美しい者を見てきたオーガンでさえもこれほど美しい少女は見たことがなかった。
いや、一度だけある。
王妃インシュラだ。
輿入れしてきた彼女を初めて見た時、まさしく電撃が奔ったような衝撃を受けた。彼の初恋でもある。少女には、どことなくその王妃の面影があるような気がした。
「何者だ。どこから入ってきた」
思わずしゃぶりつきたくなるような衝動を抑え、オーガンは出来るだけ低い声で威圧的に話しかける。
「後ろに隠している物をお納めください。わたくしはあなたの味方です」
何故気付いたのか。少々立ち方が不自然であったかもしれない。しかしいっぱしの侠客相手ならともかくこんな年端もいかない少女に隠しているナイフを気付かれるとは思ってもいなかった。
オーガンはナイフを鞘に納めてテーブルの上に置き、気を取り直して再度話しかけた。
「お前のような者は王宮で見たことがない。おれば必ず噂になる」
それほどの美しさ。
「となれば外部から侵入したという事。内通者は誰だ」
即座にそこまで辿り着くのは流石にこの世界で生きてきた男の貫禄である。こんな女が一人で外から王宮の奥深くまで単独で忍び込むことなど不可能。であれば必ず手引きした者がいる。
さらに言うならオーガンの脳裏には王宮の警備を担う近衛騎士、それらを統括する立場にあるコルアーレの顔が浮かんでいた。
あのすくたれ者め。さんざん目をかけてやったのに小僧一匹始末することも出来んとは、と心の中で毒づく。彼の最近の不機嫌の理由の筆頭でもある。
「王の部屋に現れる淫魔といったところです」
「フッ」
思わず笑みがこぼれた。その噂は知っている。この女が噂の出どころかどうかはともかく。そして俄然彼女に興味がわいてきた。そして手に入れたいとも。
「王宮での去就を決めかねていらっしゃるのでしょう」
ピクリと眉が動く。まさかこんな年端もいかない少女から政治の話が出るとは思ってもいなかった。虚を突かれてオーガンは少し不機嫌になる。
「フン、決めかねるもくそもない。次期王はアシュベルで決まりだ。ガッツォは議会重視を唱えているようだが、今まさにその国政を握る貴族が権利を手放したくないのだ。勝負は見えている」
「あら。でも国王陛下の考えとは違いましてよ」
「なに?」
何故国王の意見を知っているような口ぶりなのか。まさか本当に王の私室に現れるという淫魔なのか。だがその考え以前に一体全体どういう意味か、という思いが先に来た。
「王とて同じ考えのはず。自分達が議決権を握っている現状を変えたがるものか」
「諸侯はそうかもしれませんが、陛下は違いますわ」
やはり分からない。貴族と王で違いがあるはずがない。貴族の中で上に立つ者。それが王のはず。貴族をまとめ上げ、それを一本化して国を背負う。
「……そういうことか」
しばらく考えてやっと得心がいった。
「中央集権化が望みか」
「さすが公爵様」
現状、政治は基本的に貴族院のパワーバランスで決まる。それは即ち、王と言えども所詮は力ある貴族に過ぎず、それに比肩する大貴族の顔色を窺わねば政治ができないという事を意味する。絶対王政には程遠い。
だがそれが「あまねく国民で話し合った事」「全て納得済みの内容に反対するのか」「国民を蔑ろにするという事は、即ち国に反する逆賊」……そう言うためのツールとして議会を使うというのだ。
人権という金看板はまだこの世界には存在すらしないが、『大儀』というものはある。意に反するものを綺麗事で打ちのめし、上手くいけばお家取り潰し、王家直轄地として召し頂く。
「これはすでに陛下も納得済みの話ですわ。そして力ある後ろ盾を得られれば、ガッツォ殿下はアシュベル殿下と互角の力を得ます」
「さらにイェレミアスを取り込めれば……」
「あら、公爵様はイェレミアス王子が嫌いなのではなくて?」
オーガンは少女をぎろりと睨む。王宮でも一部の者しか知らない事実を何故この女は知っているのか。
「俺が娘とイェレミアスを婚約させたのは心底あいつを思ってのことだ。俺は昔、あれの母親に横恋慕してたものよ」
だが手に入らないと分かり、殺そうとした。しかし事情が変わったので、やはりそれはなかったことに、という事である。
「議会中心の政治体制に変われば、今までのように有力諸侯だからと我儘は通らなくなります」
それは公爵であるオーガンにとっても痛手となるはずである。しかし少女の言葉にオーガンはにやりと笑って返す。
「ならば、その仕組みづくりに関わるのが一番甘い汁を吸う方法だ」
「分かってらっしゃいますわね」
妖艶な笑み。
必要なことは喋った、とばかりに少女は踵を返して今日のところは挨拶まで、と部屋を去ろうとする。しかし彼女の手首を掴んでオーガンがそれを止める。
「待て。本当に王の部屋の淫魔ならお前自身にも興味がある」
その顔にかつての初恋の相手の面影を見たからか。本人にも気づかぬうちに、それはオーガンの心の中の情欲に火をつけた。
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