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第1章:新たな生
第3話 終わりがココだと締まらない…
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看護師が亘を探し始めて間もない頃、
亘は病院のエントランスまで来ていた。
額にはたくさんの汗が玉になっている。
「ハァ、ハァ、ハァ…
看護師さん、怒ってるかな?」
エントランスまで亘のベットがある部屋から
階段を3階分降りる必要があったが、
亘は、エントランスのガラス張りの10メートル角程の窓から覗く洋式の庭園を見るのが好きだった。
窓から赤い満月が綺麗に見える程に
空気が澄んでいた。
「汗掻いちゃったから冷えてきたな…。
看護師さんに見つかる前に、戻ろうかな。」
汗を掻いた為に身体が冷え始めていた。
「もうこんなに冷える時期なんだなぁ…
戻る前にトイレに行くかな。」
亘はエントランス近くのトイレへと入って行きながら先程見ていた満月の事を考えていた。
「明日から来るときは、上着を羽織って
来た方がいいな。しかし今日の満月は
今までに見たことない位に赤かったな。」
トイレに足を踏み入れたとき軽い動悸を感じた。
「ちょっと走ったから疲れているのかな?」
疲れのせいだと考えた矢先に激しい動悸に襲われた。
今度は収まることなく、少しづつ強くなって行く。
亘は膝をつき左手で倒れようとする身体を
支えている。右手で左の胸を握りしめる。
呼吸もままならなくなり身体が小刻みに震え始めている。
思える苦悶の時間は唐突に終わりを告げる。
亘の心臓が鼓動を止めたのである。
「うっ、あぁっ…!?」
亘は自分の身体を支えきれずに前のめりに
なりながら頭の中ではある事を考えていた。
(え?トイレで死ぬの?ベットじゃないの?
トイレで終わりって…そんなのないよ!
両親も可哀想じゃない?
西園寺さんちの息子さん、トイレで
亡くなったそうよ~とかご近所さんに
言われるんでしょう!?最悪だ…。)
亘の最後の記憶は、ブラックアウトしていく視界の中のタイル張りの床と、倒れ時の音だった。
亘は病院のエントランスまで来ていた。
額にはたくさんの汗が玉になっている。
「ハァ、ハァ、ハァ…
看護師さん、怒ってるかな?」
エントランスまで亘のベットがある部屋から
階段を3階分降りる必要があったが、
亘は、エントランスのガラス張りの10メートル角程の窓から覗く洋式の庭園を見るのが好きだった。
窓から赤い満月が綺麗に見える程に
空気が澄んでいた。
「汗掻いちゃったから冷えてきたな…。
看護師さんに見つかる前に、戻ろうかな。」
汗を掻いた為に身体が冷え始めていた。
「もうこんなに冷える時期なんだなぁ…
戻る前にトイレに行くかな。」
亘はエントランス近くのトイレへと入って行きながら先程見ていた満月の事を考えていた。
「明日から来るときは、上着を羽織って
来た方がいいな。しかし今日の満月は
今までに見たことない位に赤かったな。」
トイレに足を踏み入れたとき軽い動悸を感じた。
「ちょっと走ったから疲れているのかな?」
疲れのせいだと考えた矢先に激しい動悸に襲われた。
今度は収まることなく、少しづつ強くなって行く。
亘は膝をつき左手で倒れようとする身体を
支えている。右手で左の胸を握りしめる。
呼吸もままならなくなり身体が小刻みに震え始めている。
思える苦悶の時間は唐突に終わりを告げる。
亘の心臓が鼓動を止めたのである。
「うっ、あぁっ…!?」
亘は自分の身体を支えきれずに前のめりに
なりながら頭の中ではある事を考えていた。
(え?トイレで死ぬの?ベットじゃないの?
トイレで終わりって…そんなのないよ!
両親も可哀想じゃない?
西園寺さんちの息子さん、トイレで
亡くなったそうよ~とかご近所さんに
言われるんでしょう!?最悪だ…。)
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