ただいま、魔法の授業中!

ロンメル

文字の大きさ
7 / 22
第1章 今日から君も魔法使い(見習い)

六、予定は未定

しおりを挟む
 入学初日の日程は無事に終わり、本日は午前中で解放されることになっていた。教室内では、午後の予定を仲の良いグループ、または今日仲良くなった者同士で打ち合わせする声が方々から聞こえてくる。
 シュウの席の隣に集まるカンナ達のグループも例外では無い様だ。
 先ほどの騒動の後、カンナは再度謝罪をしてきた。詩織は特に何も言わないが、シュウに対しては罰の悪そうな表情だ。弓は完全にシュウを空気扱いしている。何かしたかなあ、とシュウは少し落ち込むが、何も心当たりが無いので、フォローの入れようが無かった。

「ねぇ、カンナちゃん。さっき東城とうじょう先生が言っていたドラゴン、しおりんと一緒に見に行くのだけど、カンナちゃんも行かない?」弓が午後の予定を提案する。

 因みに、東城先生とはシュウ達が所属する1-Aのクラス担任である。朝の騒動の通りご指導は厳しそうだが、容姿端麗な女性教師である。
 そして彼女らが見に行こうとするドラゴンとは、天空の覇者、キングオブ魔法生物のそれであり、玄守市から東に位置する『八塞はちふさ市』からこの入学式の為に派遣される北方航空機動隊『北斗』による出張航空ショーを指している。現役の騎竜部隊が毎年玄守学園の入学式にて航空曲芸を披露し、新入生の門出を祝福するのが恒例行事とのことだった。

「あ、私もそれ見たいなって思っていたの。行く行く!」
 航空ショーが行われるのは屋外運動場になる。
「じゃあ、まずは一緒にご飯を食べに行きましょう」
 詩織が提案し、三人は食堂へと移動した。

「…あれぇ、シュウりんはぁ、カンナちゃんと一緒にドラゴンを見ないのぉ?」
 シュウの背後で弓の声真似をする命知らずな男、それは聡介だった。風魔法で声を忠実に再現している。
「残念ながら、午後の俺の予定はトージョー先生からのお呼ばれだぞ」
 シュウは自嘲気味に答える。
「えぇっ!あの超絶美女の東城先生にお呼ばれ!?お前、そりゃ羨ましすぎるだろ!なあ、俺も一緒に行って大丈夫かなあ?」
「好きにすれば…」
 シュウは朝の騒動のペナルティの為に、東城先生の仕事の手伝いをしなければならない。入学式の後、東城先生に呼び出され、午後に職員室に来るよう指示を受けていた。内容は何も知らない。
「じゃあ、まずは一緒にご飯を食べにぃ…」
「行くから!いちいち真似すんな!」
 聡介が詩織の真似をし始めたところを遮って、シュウは聡介と食堂に向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

スキル素潜り ~はずれスキルで成りあがる

葉月ゆな
ファンタジー
伯爵家の次男坊ダニエル・エインズワース。この世界では女神様より他人より優れたスキルが1人につき1つ与えられるが、ダニエルが与えられたスキルは「素潜り」。貴族としては、はずれスキルである。家族もバラバラ、仲の悪い長男は伯爵家の恥だと騒ぎたてることに嫌気をさし、伯爵家が保有する無人島へ行くことにした。はずれスキルで活躍していくダニエルの話を聞きつけた、はずれもしくは意味不明なスキルを持つ面々が集まり無人島の開拓生活がはじまる。

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

処理中です...