極々普通の王太子、名前すら覚えて貰えず、弟に婚約者までも奪われたので王子辞めました。でも何か思っていたのと違う方向へ行ってませんか?俺!?

黄色いひよこ

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二章

始まりの前に戻るその前に④

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けれど彼女はコツコツと自身を鍛えて勝ち取ったのだ。

チートとも言えるこの力を。


「師匠、前から聞きたかったんですけど、師匠達は一体何者何ですか? 神様なのでしょうか? 」

「ふふっ、神様かぁ…、僕がそんなものに見える? 」


コレットの問に苦笑いして答えたサフィは、ふざけて居るように見えて、意外と本音を語る。

コレットが、それに気付くか否かは別として。


「状況的には黒ですよね。まぁ、黒に近いグレーって所が本音でしょうか、ね、師匠? 」

「残念、不正解ですかね。少なくとも、僕自身の認識は違います。そもそも、神とは何でしょうか? コレット」


ジッとコレットを見下ろすサフィの目は優しく、彼は問い掛けた答を逡巡するコレットに、優しい声音で回答を口にした。


「僕はね、神とは人が作り出した虚像だと思うんですよ。人は何かに縋りたがる生き物です。この世界は甘くは無い。結構シビアで過酷な世界です。その中で生きて行く為に人は『奇跡を行使する者』を無性に乞い願い、偶像を作り出す。その典型的な例に、『英雄』や『勇者』が居るでしょう? 『神』もそんな彼等が作るのですよ。解りますか? 『不肖の弟子』よ」

「解る、師匠が言いたい事は解りましたけど、厳しすぎますよ。貴方様は…… 」

「厳しいも何も、事実を言ったまで」

「あ~っ、もう、じゃあ師匠ってなんなんですかっ!? 」


飄々と受け答えしてコレットを煙に巻くサフィに、彼女は若干、苛立ちを含ませた声音で言い放った。

けれどサフィは動じる事無くくつくつと笑う。

本当に可笑しいのか?、嫌、違うだろう!!

等と心中では思うものの、コレットはぐっと耐えて言葉にせずに、飲み込んだ。


「そうですね、あえて言うなら『心理を知り理解する者』ですかねぇ……。まぁ、」


其処まで言うと、サフィはガラリと表情と口調を変えてコレットに言った。


「それも精々、5次元の事象までの心理だけだけどな。きっと広い視野で見てみれば5次元どころか、それ以上の次元の心理を紐解けるモノ●●が存在するんだろうな。オレ達の理解の範疇を越えているだけで…… 」


と、片方の口角を釣り上げて笑った。


「う~ん、結局師匠が何者なのか、解んないなぁ……。言いたい事もさっぱりだし。まぁ、生きてる世界が違うって事かなぁ…… 」

「まぁ、そう言う事だな。って訳で、此処での修行も終わりだから、行ってらっしゃい。お前なら、大抵の事なら乗り切れる。その辺は僕が太鼓判を押すよ」


そうコレットは、サフィに言われて背中をポンと押された。

その途端だった。

コレットの視界が暗転した。


「しっ、師匠、唐突過ぎですからぁああああ~~っ!! 」


と、彼女が叫んだかはさだかでは無い。

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