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prologue
prologue①
しおりを挟む此処は世界の中心世界樹から遠く離れた森の中。
北の大森林と言われる場所。
其処には主が住んでいる。
巨大な銀の狼と、 銀の少年。
彼等は森の守り神。
そう……呼ばれている。
「主、森の入り口に人が現れたようじゃぞ」
こじんまりとした屋敷のサンルームで、プランターに植えられた薬草の手入れをしていた少年に空を仰いで見ていた狼が、ぼそりと人語を口にした。
「ふ~ん、そうなの? でも普通に考えても、この森には入れないよ」
「どうだかのぅ? 入って来るように見えるのじゃが? 」
そんな狼の言葉に、少年は片方の眉を器用に上げた。
「そんな筈は………… 」
そう言いかけて、ハッとした、少年。
「レイ、悪いけど見て来てくれないかな? 森で死なれでもしたら寝覚めが悪いでしょ」
「承知した。それとなぁ主よ、今からでも遅くは無いのじゃぞ。その天の邪鬼な性格、改めては如何かのぅ? 」
そう、レイと言う狼に言われて少年は、益々眉をしかめて言った。
「ブツクサ言わずにさっさと見に行く。でないと彼女、追っ手に殺されるかも知れないでしょ」
「おやおや、主は人が悪いのぅ。見ていたのなら主が助ければ良いものを…… 」
「ん? 何か言った? 」
睨む少年に、レイと呼ばれた狼がまるで苦笑するように器用に顔を歪めてみせる。
「いやいや、そんな事言わずにの。まぁ、強いて言えば、何故対象者が女の子だと解ったのだと、思うての」
そう言うと、レイと呼ばれた狼はその場から消えた。
少年は立ち上がる。
銀の髪を揺らしながら。
レイが飛んで行ったその先を見上げて。
其処は雲一つ無い青空が広がっている。
「ん~、あのワンコ、独りで大丈夫なのかな? 」
少年が空中で手を振ると、まるでラノベのステータス画面のようなモノが現れ、その中の地図からこの森の詳細地図を出した。
其処に写るのは赤い点、そして逸れを追うように、十程有る黒い点。
少年は逸れを食い入るように見ていた。
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