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prologue
prologue⑧
しおりを挟む『おぉ、あれは我が主』
「えっ、もしや、アイセンレイト様ですか? 」
『ほおおおお、珍しいかな、主がきちんと名を名乗ったのか…… 』
その会話の後、レイがくつくつと笑った。
まるでからかいの種が一つ増えたと言っているような、口振りで話すのだ。
ラスティエルは思わず首を捻った。
そんな会話をしている間にも、アイセンレイトに危機が訪れている。
ラスティエルがその事をレイに伝えてはみるものの、彼は、
『嫌じゃ。戦闘態勢に入った主の元に降り立つ程間抜けな事は無い。主の戦闘能力は、天災級だからの。ターンが終わるまでは降りん。儂も命は惜しい。それにだ、お主も背に乗せて居るしなぁ…… 』
そう答えた。
ある意味、正解なのである。
レイの取った行動は。
だから空から高みの見物、だった。
「アイセンレイト様…… 」
心配気にラスティエルが呟くと、聞こえる筈が無いのに、アイセンレイトが確かな視線をラスティエルの方へ向けてきた。
米粒サイズの人影なのに、見止める事が出来るアイセンレイトは何なのか。
遠目なのにハッキリと彼が見えたラスティエルは、大人になって初めて、成長した彼に魅了された。
それは特に、彼女に向けられた微笑みのせいなのかも知れない。
きっと此処に、彼の父親の脇侍の二人が居たとしたら、
「流石薬師様のお子。蛙の子は蛙なんだな…… 」
と、一人に言われ、
「ああ、親子して新たな信者を作って行くのですねぇ……。頭が痛い」
と、もうひとりに言われていただろう。
それくらいアイセンレイトも、父親に似て無自覚の罪作り男だった。
さて、此処で少し時間を巻き戻して、アイセンレイトの此処までの時間を見てみようかと思います。
あぁ、失礼。
申し遅れましたが、ワタクシ、この箱庭世界の進行役、兼、見届け役のシイアルと、申します。
作者から切り離されたその一部の、黄色いひよこです。
以後、お見知り置きをお願いします。
異世界の見届け役に此方を訪れた皆々様方。
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