婚約破棄された転生令嬢は、魔の森の銀の薬師に溺愛される

黄色いひよこ

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北の大森林の主

目覚めると少年が居ました

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「何故? ちょっと悪い顔をして見せただけなのに、あんな風に逃げるんだよ…… 」


疑問に思う事は多々あったが、取り敢えず、死亡者も出る事無く済んで、実はほっとしたアイセンレイトであった。

そしてふと、愛しの番殿を見てみると、此方も意識不明に陥っていた。

此方は鼻孔をくすぐる番の匂いに酔う『番酔い』にあっただけなのだが、そう言う事に疎すぎるアイセンレイトに、気付く様子は無かった。

ただ、汚れた服のまま気絶したラスティエルをどう扱えば良いのか、そっちの方に苦悩していた。


「う…、嘘でしょ。僕って、そんなに怖い? と、取り敢えず、クリーンの魔法をかけて寝かすしか無いよね…… 」


と、アイセンレイトは独り呟いて、ぐったりと意識を失っているラスティエルを抱え、屋敷の中へと連れ入って行った。





─────────────
────────
───


ラスティエルは、ソファの上で目覚めた。

やけに寝心地の良いソファだったように思う。

そして、此処は何処かしらと、ぼんやりとした思考回路の中思い出した。

そしてがばりと跳ね起きた。


「ふおっ!? 」


驚いた声が傍らから聞こえて、ラスティエルは声のした方を見た。

其処には眉尻を下げた少年が、ラスティエルを覗き込む様に見つめている。

そして、ラスティエルに向かって少年は、ニコッと笑うと、


「大丈夫そうで良かった。気付いたら気を失っていたから焦ったよ。喉渇かない? オレンジジュースなら有るけど飲む? 」


目を丸くしてジッと少年を見るラスティエルに、柔らかな口調で言った少年は、此処で漸く気付いた。

彼も、リビングの隅の専用寝床1で休むフェンリルのレイも、それが通常運転いつものことだったから気にもしなかったのだが、知らない人が見たら確かに彼女のような反応をする……筈だ。


「えっと……、アイセンレイト様ですよね? 」

「うん、何か変かな? 」


ラスティエルの問い掛けに、自分がなんだと全く感じていないアイセンレイトは、きょとんとして小首を傾げた。

子供の姿をしてはいるものの、実は姿だけで中身はしっかり大人だと知っている者から見れば、これはあざとい。

御多分に漏れず、ラスティエルもズキュンと胸を撃ち抜かれた。

アイセンレイトの(子供の)愛くるしさに感動を覚えながらも、ラスティエルは疑問を口にする。


「どうして子供の姿なのでしょう? さっきお会いした時は、とても素敵な殿方であったとお見受け致しましたが…… 」


そう言われて、今度はアイセンレイトが困惑の表情を浮かべた。
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