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北の大森林の主
転生令嬢の事②
しおりを挟む王子の為の努力が、何時しか自身の為の努力として身になる頃、ラスティエルは王子の噂を耳にします。
逸れくらい王子は、隠そうとはしていなかったと、言う事ですよね。
隣国にまで噂が流れるのですから、やはり王子は阿呆です。
ラスティエルも、口には出さなかったのですがずっと気になる男の子が居ました。
そう、皇宮の花園で出会った男の子です。
皆さんご存知の、アイセンレイト君です。
彼女の両親は、尽く彼を印象付けるよう涙ぐましい努力を重ね、概ね成功させています。
ラスティエルと王子を会わせなかった事も画策の一つです。
ラスティエルに危害を加えれば婚約は破棄ですし、その他諸々、小さな規約をランドールの皇帝に結ばせ直したのは、アイセンレイトの父ですから、色々と暗躍したのは確かです。
我が子への愛故に…ですね~。
そう言う事で、ラスティエルは知らず知らずの内にアイセンレイトに対し、想いを募らせていた。
と、言っても過言では無いでしょうね。
実の所、内緒では有りますが、有る程度の御膳立ては出来ていたのです。
さて、どうやらラスティエルが目を覚ましたようですよ。
それでは、彼女の様子を見てみましょうか。
「ふっ、ううん………… 」
一刻も立たない位だっただろう。
目覚めたラスティエルは、己の居る場所を見て、驚愕した。
また、気を失ったのだと知れたのだから、青ざめた事間違い無しなのである。
「どうしましょう。わたくしはまたこの様な失礼な態度に出てしまいました…… 」
悔やんでも悔やみきれない。
茫然自失した侭、立ち上がったラスティエルは、ヨロヨロと部屋を出た。
考えるのは悪い事ばかり。
アイセンレイトの顔を見て、ドキドキし過ぎて気を失う等と失礼にも程がある。
自分だったら、泣いてしまいそうだ。
嫌、顔を見て気絶されるならいっそ仮面でも被ってしまおうか、等と考えてしまう。
「うぅ……、そうなったらとてもじゃ無いですけど、悲し過ぎますわ…… 」
ラスティエルは最早、半べそをかきながら目前までやってきた扉の前で佇んだ。
中から話し声が聞こえる。
アイセンレイトととても気さくに話し合う声に、自己評価の低いラスティエルは、自分の事を話しているかのように聞こえてしまって慌ててリビングへと乗り込んだ。
アイセンレイトが目を見張ったのは言うまでも無い。
此処で漸く先程のアイセンレイトの慌てっぷりにつながるのであ~る。
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