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大森林の小さな家
ラスティエルとアイセンレイトの温室③
しおりを挟む「何故御屋敷の温室に結界が張られて居るのでしょう? 」
ラスティエルは生け垣を見つめ、首を傾げる。
すると其処で何故か生け垣に亀裂が入り、横へとスライドし始めた。
音も無く、と言う訳では無く地面の中を器用に根が動く音を立てながら、移動する様は圧巻だった。
「えっと、これは入れと言う事ですよね。入っても良いのかどうか、思案しますが…… 」
そうラスティエルが考えあぐねていると、奥の方からアタマの中に話し掛ける声があった。
『ラス、こっちへおいで…… 』
その声は、やはり愛しいあの人に良く似ていた。
ラスティエルが、思い切って中に入ると、其処には巨木が立っていた。
その巨木は枝を縦横無尽に張り巡らせ、葉と小さな桃色の花の下に小さな膨らみを宿している不可思議な形をした木だった。
その根本に人が佇んでいる。
緩く三つ編みに編んだ薄桃色の髪に、優しげに弧を描いた切れ長の目には髪の色と同じ瞳が輝いていて、綺麗な顔立ちの造作は、なんとアイセンレイトに似ていた。
その美しい人を見てラスティエルはどことなく納得したのだ。
── アイセンレイト様に似ていたから、声も似ているのね ──
と。
近付くに連れて、ラスティエルも置かれた状況が少しずつ掴めてきたのか、彼を見て(彼だと解った)赤面した。
衣服を纏っていない、裸だったのだ。
目のやり場に困って目を逸らしたのが、彼女の敗因だった。
何時の間にか、彼が彼女の目前に現れ、ギュッと抱き締めたのだ。
気を失う、そう思ったが彼女ははっきりとした意識を保ったままだった。
ぎゅっと抱きつかれたまま、衣服越しからでもその逞しさが解る。
ふと、
── アイセンレイト様もこんな風に逞しいのかしら? ──
と思って頭の中で描く。
何度か抱きすくめられたのを思い出して、あぁ、意外とこの方よりアイセンレイト様の方が胸板は厚くて硬かったと言う事に気付いた。
考え事をしていると、とろんとした薄桃色の瞳と目があう。
すると、アイセンレイトに似た彼がふわりと笑って直一層ラスティエルを抱き締めた。
かなり密着している。
だからか、ラスティエルの下腹部足の付け根の部分に、硬いモノを押し付けられた。
それは、直球過ぎる(あからさますぎるとも言う)アプローチだった。
『ラス、私の子ども達を宿してはくれないかい? 』
そう言われて、ラスティエルは嫌々と首を振った。
時既に遅く、彼女が動かせる部位は、もう首だけしか無かった。
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