婚約破棄された転生令嬢は、魔の森の銀の薬師に溺愛される

黄色いひよこ

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大森林の小さな家

ラスティエルとアイセンレイト

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ひとしきり魔樹の2人をからかった後、アイセンレイトはラスティエルを伴って屋敷へと戻り始めた。

端から見たら、気持ちの悪い稀少植物の説明を受けつつ、ラスティエルはアイセンレイトを見上げた。

シミ一つ無い横顔の美しさに、思わず見とれてしまう。


こんなに綺麗な人がわたくしの婚約者だなんて、未だに夢のようです。


と、改めて思うラスティエルは、ついつい頬を緩めてしまう。

小さな頃から母親から『貴女はいずれ高貴な殿方へとお嫁に行くのです。ですからその方の力になれるよう精進するのですよ』と言われ続け頑張って来たのは、ルイボス王国の第二王子に嫁ぐ為では無く、この方に嫁ぐ為なのだと今では確信していた。


「ん? どうしたの? ラス? 」


ずっと見られていた事に、気付かなかった訳では無い。

ラスティエルの好きにさせていた彼が、彼女が百面相をし始めたのが切っ掛けで、何が有ったのか気になって、彼女に質問をしたのである。

そうとはつゆ知らず、物思いに耽っていたラスティエルだったのだが、思考内容が隠す事でも無かった為に正直にアイセンレイトに答えを返した。


「はい、大した事では無いのですが、わたくし、幼い頃からお母様に『貴女はいずれ高貴な殿方へとお嫁に行くのです。ですからその方の力になれるよう精進するのですよ』と言われて育って来たのです。その相手がずっとルイボス王国の王子の事だと思っていたのですが、もしかするとアイセンレイト様の事だったのかも知れないと思いまして…… 」


ラスティエルの言葉にアイセンレイトは目を見張った。

そして、『そうか、玄武神がそんな事を…… 』、と小さく呟くと、彼は砂糖をぶちまけたような甘い甘い微笑みをラスティエルへと向けて言った。


「元々、ラスの両親と僕の両親は友人でね。父親同士は特に昔からの友人だったらしい。両親達がそんな関係だったから、きっと彼等は僕達の事に気付いていたのだろうね。だから玄武神は君にお嫁さん云々の話をしたんだろうね」


その言葉にラスティエルは目を瞬かせたのだった。


「僕らは、両親公認のカップルだって事だよね。これからは益々遠慮しないからね」


そう言ってアイセンレイトは、恋人繋ぎで繋がれた手を引いて、ラスティエルを引き寄せた。

突然の彼の行動ではあったが、ラスティエルにとって、その行為は全く嫌では無かった。

恥知で顔が赤く火照る事にはなったが、其処まででラスティエルは初めて気を失う事が無く、アイセンレイトの腕の中へと収まった。

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