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動き出す
騎士達の恩返し
しおりを挟むそんな可愛らしい2人の時間を堪能して、屋敷の中に帰り着いた頃、夕食の用意をと思ったアイセンレイトは、ラスティエルを部屋へと送った後キッチンに入って目を丸くした。
其処には、筋骨隆々のマッチョや細マッチョが5人程、キッチンを右往左往していた。
── 一体どういう事だよ。ってか、こいつらどうしたんだ? ──
甚だ疑問が残る中、よく見ると鍋をかき混ぜる人や、フライパンで何かを炒めて居る人、食材をカットしている人と、作業を分担している。
「だんさん、今、夕飯仕掛けてるんでお部屋でもう少し待っていて下さい」
アイセンレイトを認めたひとりがそう言葉を掛けてきた。
するともう一人が、
「すいません、キッチンお借りしています。聖獣様に許可は頂いたんで、隊長を助けて頂いた上に俺達も面倒見て頂いた御礼とまでは言いませんが、俺、元々コックなんですよ。だから料理をと思いましてね」
「だんさん、俺はパン屋の息子なんです。パンなら任せて下せぇ! 」
等と口々と自分の経歴を語り出した。
これはこれは、良い人材が確保されたものである。
戦う事が出来、普段は料理人や菓子職人、パン職人に携わるのである。
廊下や他の部屋部屋には、ラフで動き易い服装の女騎士や騎士が侍女や執事の真似事をしていた。
流石に、アイセンレイトも目を円くしてこの事態を甘受するしか無かった。
── あ……取り敢えず、侍女服や執事服やコックの服いるかなぁ。まぁ、家、大きくしてしまったし(こいつら引き取ったせいで)、家事全般やってくれるならいっか…… ──
なんて、思わず呑気な事を考えてしまった。
── 此から、少し留守にする事も増えるしなぁ。ラスの事も考えれば、こう言う事もアリと言うべきか ──
と、思考するアイセンレイトであった。
結局手持ち無沙汰に成ってしまったので、部屋へと戻ったアイセンレイトは、唐突に森に侵入して来たた人物を感じ取った。
それは、彼の部屋に大型犬用のベッドを持ち込んで寝ていたフェンリルのレイも同様だった。
流石、世界樹の番犬である(狼だけど)。
「やっぱり来たね。どうせならこっちじゃ無くて父上の所に行ってくれれば良かったのになぁ…… 」
『たしかにのう、主の父上を通り越してじかに主に接触して来る事自体が尋常では無いのぅ』
と、アイセンレイトの呟きにレイが答えた。
そのレイの言葉には反応を返さず、アイセンレイトはストレージから、父親が持ち込んだ地球での文明の力を取り出した。
それは、一部の者でしか扱えない代物であった。
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