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動き出す
兄と妹+ライオンちゃんのぬい
しおりを挟む「だからね、フィー。もう少し声をだね、「にーにーのお嫁さんになる人って可愛い? それとも美人?? 」えっ、えっと、どちらかと言うと可愛い…… 」
有無を言わさぬと言う力強いフィーの言葉に、アイセンレイトは思わず応じて答えてしまうが、はっと、人が話している最中に言葉を挟んで来る事は良く無い事だと注意しようとして、普段から良くある事だったと思い返し、注意する事を諦めてしまった。
「そっかぁ、可愛いのかぁ……ぐふふふ……。愛でれる、愛でれるよお~~!! 」
と、何処か力の入った声で、電話口で叫ぶフィーの声。
アイセンレイトは人選を誤ったと、本気で後悔し始めた。
「フィー、ラスはお兄ちゃんの大事な女の子なんだからね。其処の所大丈夫かなぁ? 」
「大丈夫!! そこんとこは丁寧に扱うからっ!! にいにいは、安心して暴れて来て。念の為、聖獣神白虎も連れてくから、安心してね」
「あぁ、ルナティの聖防御なら安心だ。じゃあ、宜しく頼んだよ」
「あいっ!! 任せて~!! 」
そう言う良い返事を聞いて、アイセンレイトは電話を切った。
きっと程なくして、フィリーがルナティと共に此処にやってくるだろう。
アイセンレイトは、ふっと柔らかな笑みをその頬に刻んだのだった。
どうしようもない妹だけど、矢張り可愛いくて、愛しいなぁと思うフィーに、アイセンレイトは兄の顔でくつくつと笑った。
「やたーっ! お兄ちゃんのお嫁さんかぁ。にいにいを幸せに出来るような女じゃないと、認め無いからね。ちゃ~んと見ておかないとね。愛染の生まれ変わりかなんか知らないけど、にいにいを哪吒扱いしたら殺してあげるんだからっ……。にいにいはにいにいなんだから…… 」
そう言って、意気込むフィリーだった。
だが、俯いた顔は、何かを決心したかのように険しい。
フィリーはふんっと気合いを入れると、
「よっしゃっ、こうしちゃ居られないわ! ルナティ! 何処っ?! お兄ちゃんのとこへ行くわよっ! 」
そう虚空に向かって吼えれば、暫くした後、彼女の部屋をノックする音が聞こえた。
『フィー、僕を呼んだ? 』
そう言って現れたのは、黄色い身体に緑の鬣の、某会社のマスコットキャラにそっくりのぬいぐるみ。
あくまでも、ドーナツ会社のキャラクターでは無い。
それが、ヒョコヒョコと現れ、フィーの足下で立ち止まった。
「お兄ちゃんの森へ行くわよ。番を護ってと言われたの。ルナティも手伝うのよ」
『えぇ~っ!? 僕が!? 』
「そう、あんたも。問答無用で手伝って貰うからね! 」
そう言って、フィリーはにっと笑った。
その笑い方は流石血の繋がった兄妹、兄にそっくりだった。
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