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揃う
見た目と中身
しおりを挟む『うううむ~』
そう言って唸るのは太公望である。
『アイセンレイトよ、申し訳無い。どうやらもう一人、面倒な男がやってきたようじゃ……。アレも世界の立て直しに奔走していて、忙しくしていた筈なのだがのぅ』
何故来たのか、どうも解せぬよ……、と、言って一旦口を閉じた太公望は、これまたアイセンレイトの脳内で溜め息を吐いた。
そして、
『よし、ちょっくら出て様子でも伺いに行くとするかの』
と、重い腰をあげるような動作をして見せた。
と、言ってもアイセンレイトの脳内では在るが。
するとアイセンレイトが『ちょっと待て』と、静止の手を差し出す。
『どうやらあなたの友人は、世界樹に興味を持ったようだ。僕が行こう。あんたは身体を厭え。女禍の相手を出来るのは太公望、伏羲でもあるあんただけだ』
アイセンレイトはそう言うと、ふわりと身体から抜け出した。
「うっぎゃああっ、なっ、何っ、あんた誰っ!? 」
アイセンレイトの身体から抜け出た魂を見て驚いたのは、側にいたフィリーだった。
ラスティエルは未だ女禍との話し合いで、フィリーが騒いでも、振り向く事すら無かった。
もし此処でフィリーの騒ぎに気付いていれば、彼女は彼に会えた筈なのに、何とタイミングの悪い事か。
アイセンレイトの身体から現れた魂は、フィリーが会った事も無い少年であった。
『誰って、フィー。馬鹿な事言ってるんじゃ無いよ』
と、目を眇めて親しげに言う少年は、魂であるのに、真っ赤な髪と金色の瞳だとはっきり解る色を纏っていた。
「はあぁぁぁ!? 」
と、声を上げるフィリーを完全無視して、赤毛の少年は、ゆらりとよろめくアイセンレイトを見やった。
『太公望、少しの間身体を頼むよ。不本意だが、この姿で対峙する方が都合が良さそうだ。奴は今、世界樹に興味が有りそうな様だしね…… 』
そう言うと、世界樹に似せた微笑みをその顔に貼り付けた。
「も、もしかして、もしかすると……にいにい? 」
アイセンレイトの言葉に、横槍を入れるように間髪入れずに言葉をぶち込んで来たのは、言わずと知れた彼の妹。
その言葉に、アイセンレイトと赤毛の少年が一斉にフィリーを見た。
『何馬鹿な事を言っているのかな、フィーは? 』
と、のたまったのは赤毛の少年。
フィリーはと言うと、目をひんむいて、魂だけの少年と、太公望が操るアイセンレイトを交互に見やった。
そして……。
「見た目と中身がぜ~んぜん、違うんですけど御おぉぉぉ~~っ!? 」
と、悲鳴混じりの声を上げた。
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