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揃う
飛来
しおりを挟む簡潔な物言いだが、太公望の側に落ちていた、と、言うのが解せない。
太公望が釣りをしていた側に落ちていた、と言うのが不審に思えるのだ。
アイセンレイトは一息溜め息を付いたが、ラスティエルはそんなアイセンレイトを見て、女禍の居る内面にそっと問い正した。
『女禍様、宝石が堕ちる位置は貴女様は把握出来るのですか?』
『嫌、出来ぬよ。この分は伏羲が拾わせたと言う所じゃろうて…… 』
『何の為に…ですか? 』
『そりゃ、お前さんの亭主を巻き込む為さね』
女禍にそう言われてラスティエルは、ぽんっ、と真っ赤に顔を熟れさせた。
『ててててっ、亭主、きゃあぁぁぁぁ…… 』
と、言って悶える。
『事実じゃろ、何を悶えておる』
と、女禍に呆れられる始末である。
コレを脳内でやっているのだから、アイセンレイトはスナネズミのような目で、ラスティエルの隣に来ていたフィリーは、ラスティエルの目の前で手をひらひらと振って見せていた。
「お姉様……、おねえさまっ!! 」
「フィー、ラスは一度トリップするとなかなか帰って来ないぞ……。諦めろ」
ラスティエルの目の前をひらひらと手を振り続けるフィリーにアイセンレイトはそう声を掛けて首を振る。
「それでなくても、女禍と話をしてるのだろう。終わるまでそっとしておけ」
そう言う彼にフィリーは、「ふむ」とオヤジっぽい相打ちを打つと、腕を組んで宙を仰ぎ見、そして、ラスティエルをもう一度見やった。
── まぁ、こういう人だったら大丈夫だよね。前世の記憶は、ねえさまから完全に抜かれているって父様が言ってたもんね。しか~ぁ~し、にいにいの心が壊れてしまう程の悪行って……、にいにいの前世の人って一体何をしたんだろうね…… ──
なんてフィリーが思考していた頃、アイセンレイトは繋がっている世界樹から不穏な言葉を受け取っていた。
空を仰ぎ見るアイセンレイト。
その言葉は、『また、新たな力が飛来したよ、レイト』だった。
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巨大な犬の背に乗って空を駆ける青年が、これまた巨大な大木を遠目に見て感嘆の声を上げた。
「これはこれは、凄いな。あの巨木、きっとこの星全体に根を張り巡らせているのでしょうね。それにアレ、どうやら意志を持っているようですよ」
誰に話しているのか、其処には彼意外には犬しかいない。
それなのに、彼は、独り言をまだ続けるようであった。
「あの巨木の輝きを見て御覧なさい。苗床になっている生け贄は、きっと神に匹敵する力の持ち主ですよ」
そう言って彼は、世界樹を指差した。
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