婚約破棄された転生令嬢は、魔の森の銀の薬師に溺愛される

黄色いひよこ

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朱色の欠片

~月光主に会う~③

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「坊ちゃんだけで大丈夫でしょうか? あの方は、しっかりしていそうで、何処か抜け作な所がおありですから、少々心配しております」


と、日光が言うと、


「日光ってば、さり気に坊ちゃんをディスってるよね…… 」


と、ジトンとした目をして相方を見る月光。

すると薬師がお茶をすすりつつ、


「何事も経験だよ。あれには立派な薬師如来跡継ぎに成って貰わないとね。薬王菩薩のままで釈迦の脇侍なんぞ、俺は認めんからな…… 」


なかなか表情を変えない御仁が、事コレに関する事だけは、あからさまに顔を歪める。

現在アイセンレイトは名ばかりの『薬王菩薩』であった。

理由は勿論、このお人が大いに絡んでいるからだが、公には成っていない。

釈迦も何故か薬師を無碍に扱えないのだ。


「そりゃあ、そうっすよね~。次代の『薬師如来』の成り手なんて、アイセンレイト様意外おらへんやないですやん、薬師様のこっちの方が死活問題やから、お釈迦様も何も言われへんのやさかい」

「魂こそ別人だけれど、あれの身体は元々私のコピーだからね。適性で言えば100%だ。その上番まで居るのだから、白羽の矢が立つのは当たり前だよ。月光」


満更でもない薬師の言葉。


「でも、つくづく不憫な方ですよねぇ。坊ちゃんは……。まさか、あの伏羲の件に巻き込まれるとは…… 」


そう言って溜め息を吐くのは日光だ。


「他の御仁達が来ない事を祈るしか無いですかね? 」


と、日光は薬師を見て言葉を続けた。

伏羲、女禍、妲己と、封神演義のキャラクターが3人も揃っているのだ。

他の者がやって来ないとは限らない。

薬師は一口お茶を啜ると、


「アイセンレイトの手に余るのなら私が出るまでです」


そう、あっけらかんと言い放った。





───────────
────────
──────


アイセンレイトがラスティエルに見せたのは、確かに女禍の宝石だった。

ラスティエルの身体の中にその宝石が吸収されてしまったのが、女禍の宝石が本物だと言う証拠だった。


「アイセンレイト様、コレは一体…… 」


と、彼女が問えば、


「偶々、太公望が釣りをしていた池の近くに落ちていたのを回収したまでだ」


アイセンレイトは、そう答えた。

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