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駆け引き
しおりを挟む「このCM、結構際どいわね……」
「嫌なら断る。仕事は選んで良いんだぞ」
仕事の話をする時は、メリハリを付けるのが、私と真紘さんの流儀。
私達は、リビングでお茶をしていた。
真紘さんは、コーヒー。
私は、コーヒーが苦いから紅茶。
飲めないのよ。
コーヒーが。
何故、世の人々はあんな苦い物、平気で飲めるの?
真紘さんなんか、何も入れずに飲むのよ!?
信じられない!!
私は、絶対駄目だわ。
ミルクたっぷりの、ロイヤルミルクティー。
それが、私のお気に入り。
私は、それを飲みつつ書類をめくっていく。
CMなのに濃厚な絡みだなんて……。
一体何を写すのよ!?
お茶の間にどんなCM?
謎だわ。
でも、これが成功したら、私は新しい分野を開拓出来るかも知れないのよね。
……………………。
悩んだのは僅かに数分。
私の心は決まった。
「やるわ、私……」
「そう言うと思ったよ。出来れば断って欲しかったんだけどね」
浅く付く溜め息。
絡み合う優しい視線。
それは、無理をするなと、暗に物語る瞳だった。
心細く無いなんて言わない。
不安だってある。
私は、美人という類の者じゃ無いし、可愛いと言える性格でも無い。
昨今では、音楽番組自体少ないから、メディアに出るのはとても勇気がいる。
そして、私が次に聞いたのは、真紘さんの出張話。
よりによって、CM撮影の明日。
強烈な濡れ場有りのCMに、真紘さんが側に居ない。
私は、焦って、真紘さんが困るような発言をしてしまった。
「ねぇ、出張じたい断われなかったの……」
私はそう言って真紘さんを困らせる。
「ごめんな。結芽」
すまなさそうに真紘さんが私の頬を撫でる。
私の初めてのCMなのに、真紘さんが側に居ないなんて…………。
社長は、どうかしてる。
「心細いよ……。真紘さん……」
私の言葉に、真紘さんがピクリと反応した。
私は、真紘さんをじっと見つめる。
真紘さんをジッと見つめていると、子宮の奥が、ジンっと痺れて身体が熱くなる。。
彼の澄んだグリーンの瞳が、情欲に煙って深い緑に変わる。
婉然と貴方が笑う。
美麗な男の醸し出す色香は、炎に近付き焼けてしまう蛾のように私を貴方に引き寄せた。
何処でスイッチが入るのか解らないけれど、あたしも、貴方に欲情していた。
独りの不安が、貴方を求める結果となっていたのかも知れない。
あんなにシたのに
真紘さんを求める情欲は、留まる所を知らなかった。
愛されてると解った瞬間、私に欲が芽生えてしまった…………。
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