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「はい、『Yume』さん、此方が今回の衣装です」
メイク中に女性スタッフが持ち込んだのは、驚く程際どい衣装達。
胸元と背中の大胆なカット。
どうみても、ブラなんて付けられない。
ふぁぁぁぁ、ノーブラですかぁ!?
どうしょう…… 。
普段こんなの着ないから、昨夜、真紘さんが付けた大量のキスマークが隠せない。
本当………… 。
どうしたら良いのよおぉぉぉ~。
真紘さんのど馬鹿っ!!
メイクスタッフが、着替えた私の姿を見て、目を見開いた後、苦笑した。
「それ、犯人、あの方ですよね……。凄い……ですね……」
ばれてる。
言葉を濁してはくれてるけど、流石、我が社が抱える専属スタッフ。
内緒にしている意味、無いですよ~!
真紘さあぁん!
無数のキスマークをじろじろと、女性スタッフに見られる私。
「何とか、ファンデで隠して仕舞いますね。しかし、まぁ、凄過ぎますね」
「南ちゃん、オフレコでお願いします」
「解ってますって、大丈夫ですよ。ただ、ね、スッゴい痛そうだなぁって、思っただけですから………… 」
南ちゃんは、そう言って、にかっと笑って見せた。
あぁ、もう、馬鹿真紘………… 。
私は、ファンデーションとおしろいで、何とか無事、キスマークを隠して貰って、撮影現場に足を踏み入れた。
現場が、ざわざわとざわついている。
カメラマンやスタッフも、知らされてなかった相手役。
監督だけが知らされているみたい。
今回は、CM。
監督もカメラスタッフも、皆、知人で構成されていた。
きっと、社長の計らいね。
私の緊張を解す為と、きっと、真紘さんが『mahiro』だと知っている人だけの集まり。
それだけ、真紘さんの正体を隠さなければならないなんて、何なのかしら?
ふと、私の中で疑問が生じた瞬間だった。
「『Yume』さん入ります」
女性スタッフの声。
私の事を考えて、女性スタッフを多くしてくれていた今回の撮影。
木坂くんが、私を見た途端、
「めっちゃ、綺麗です」
ぼーっと見詰められて、そう言ってくれました。
お世辞でも、人にそう言って貰えたらとっても嬉しい………… 。
そうそう、辺りがざわついているのは、どうやら今回の相手役のせいみたい。
家の社長の手腕なのか、彼が自ら決めたのか、十年も昔に引退していた『mahiro』を引っ張り出す………… 。
それが、どんな経済効果を齎(もたら)すのか全く解らないけれど、私個人の意見としては、
『そっとしておいてくれたら良いのに……。』
なんて思う。
「『合坂 一』さん入ります」
急に、女性スタッフの声がして、辺りはしんと静まり返った。
えっ、合坂さん? 『mahiro』さんじゃ無いの?
スタジオが尚一層ざわめいた。
スタッフが、口にした名前。
それが『mahiro』さんじゃ無い事で、私の頭の中は不安と混乱に陥った。
そしてスタジオ内も………… 。
どういう事?
社長、真紘さん………… 。
合坂一、彼は私でも知っているイケメン俳優。
ただの、イケメンってだけじゃ無い。
自分の世界を広げる為に、色々な役柄をこなす勉強家だと、噂では聞いてる。
女癖が悪い。
とも。
『共演者キラー』と、仕事だなんて、私、大丈夫かしら?
気をしっかりと持っていれば、大丈夫よね。
私は、近寄って来る『合坂 一』に、失礼にならないよう、深々とお辞儀をした。
「『Yume』さんですね。合坂です。初めまして。俺、貴女のファンなんですよ! お会い出来て光栄です! 」
少し興奮気味に挨拶してくる彼は、何となく年齢よりも幼く見えた。
メイク中に女性スタッフが持ち込んだのは、驚く程際どい衣装達。
胸元と背中の大胆なカット。
どうみても、ブラなんて付けられない。
ふぁぁぁぁ、ノーブラですかぁ!?
どうしょう…… 。
普段こんなの着ないから、昨夜、真紘さんが付けた大量のキスマークが隠せない。
本当………… 。
どうしたら良いのよおぉぉぉ~。
真紘さんのど馬鹿っ!!
メイクスタッフが、着替えた私の姿を見て、目を見開いた後、苦笑した。
「それ、犯人、あの方ですよね……。凄い……ですね……」
ばれてる。
言葉を濁してはくれてるけど、流石、我が社が抱える専属スタッフ。
内緒にしている意味、無いですよ~!
真紘さあぁん!
無数のキスマークをじろじろと、女性スタッフに見られる私。
「何とか、ファンデで隠して仕舞いますね。しかし、まぁ、凄過ぎますね」
「南ちゃん、オフレコでお願いします」
「解ってますって、大丈夫ですよ。ただ、ね、スッゴい痛そうだなぁって、思っただけですから………… 」
南ちゃんは、そう言って、にかっと笑って見せた。
あぁ、もう、馬鹿真紘………… 。
私は、ファンデーションとおしろいで、何とか無事、キスマークを隠して貰って、撮影現場に足を踏み入れた。
現場が、ざわざわとざわついている。
カメラマンやスタッフも、知らされてなかった相手役。
監督だけが知らされているみたい。
今回は、CM。
監督もカメラスタッフも、皆、知人で構成されていた。
きっと、社長の計らいね。
私の緊張を解す為と、きっと、真紘さんが『mahiro』だと知っている人だけの集まり。
それだけ、真紘さんの正体を隠さなければならないなんて、何なのかしら?
ふと、私の中で疑問が生じた瞬間だった。
「『Yume』さん入ります」
女性スタッフの声。
私の事を考えて、女性スタッフを多くしてくれていた今回の撮影。
木坂くんが、私を見た途端、
「めっちゃ、綺麗です」
ぼーっと見詰められて、そう言ってくれました。
お世辞でも、人にそう言って貰えたらとっても嬉しい………… 。
そうそう、辺りがざわついているのは、どうやら今回の相手役のせいみたい。
家の社長の手腕なのか、彼が自ら決めたのか、十年も昔に引退していた『mahiro』を引っ張り出す………… 。
それが、どんな経済効果を齎(もたら)すのか全く解らないけれど、私個人の意見としては、
『そっとしておいてくれたら良いのに……。』
なんて思う。
「『合坂 一』さん入ります」
急に、女性スタッフの声がして、辺りはしんと静まり返った。
えっ、合坂さん? 『mahiro』さんじゃ無いの?
スタジオが尚一層ざわめいた。
スタッフが、口にした名前。
それが『mahiro』さんじゃ無い事で、私の頭の中は不安と混乱に陥った。
そしてスタジオ内も………… 。
どういう事?
社長、真紘さん………… 。
合坂一、彼は私でも知っているイケメン俳優。
ただの、イケメンってだけじゃ無い。
自分の世界を広げる為に、色々な役柄をこなす勉強家だと、噂では聞いてる。
女癖が悪い。
とも。
『共演者キラー』と、仕事だなんて、私、大丈夫かしら?
気をしっかりと持っていれば、大丈夫よね。
私は、近寄って来る『合坂 一』に、失礼にならないよう、深々とお辞儀をした。
「『Yume』さんですね。合坂です。初めまして。俺、貴女のファンなんですよ! お会い出来て光栄です! 」
少し興奮気味に挨拶してくる彼は、何となく年齢よりも幼く見えた。
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