🌑新月の闇 満月の光🌕

黄色いひよこ

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「もっと感じて…………結芽 」



腰に手を当てられ、指先で軽く顎を上げられる。

必要以上に身体を引っ付ける事はしない。

社交ダンスですら、もっと密着する筈だと言うのに。

なのに


『mahiro』は、私に近付かなかった。


けれど

彼の、魅せる瞳には、情欲に煙る深緑の色。

決して、いやらしく見える訳では無いのに、視姦されてるように感じるのは、何故?



「その顔………。イイ顔だよ……。その顔は、俺に溺れてるの? それとも此処に掛かった宝石? 」



顎から指が離れて、つつっと首元を移動する。

胸元まで降りて来た指は、ペンダントをすくい上げた。

其処で、私は、我に返った。



「えっ、あっ………… 」

「ん、良し。『良い絵』が取れたと思うよ」



『カーット!! 』ぼんやりした頭の何処かで、監督の声が響いていた。



ぼーっとして、甘い甘~い真紘さんに翻弄されちゃった私は、続けて聞いた真紘さんの言葉をスルーしてしまいそうになった。

至極真面目な声音と、甘~い彼のマスク。

この意味に、気付けば良かったなぁ、私。

今更、悔やんでも後の祭りでした…………。


「ね、結芽」



カットが掛かった途端、真紘さんの醸し出す雰囲気が一変した。

表情は、私にしか解らない。

私、何か彼を怒らせる様な事した?



「キスマーク、無くなってるんだけど………… 」

「えっ……? …………ええっ?! だって、撮影だよ! ? こっ、こんなエッチぃドレスなんだよ!!見えるじゃない!! 」



私は、思わず叫んでました。

それも大きな声で。



「付け直すから…………。それと、結芽のエロ顔に、欲情しちゃったから、今から、俺の満足行くまで相手して貰うよ…………ねぇ、結芽…」

「はいぃぃぃ?? 此処でですかっ?! 此処は、人がいますっ!! 」



フェロモン撒き散らした、真紘さんが『mahiro』のまま、嫣然と笑う。

確かに、ベッドも、ソファも有りますけどぉぉ、、



「あぁ…………。確かに……此処でも良いな………… 。人に見られてスルのも悪く無い………… 」



うそお…………。

私は、真紘さんの言葉に、ただ、ただ、固まっておりました。



「なんてね、此処でスル訳が無いでしょ。馬鹿だね、結芽は。隣にある建物は何かな? ん? 言ってみな? 」 

「うっ………。 あっ……。インペリアルホテルです………… 」



『開いた口が塞がらない』まさしくそんな状況の結芽に『mahiro』がそっと耳元で囁いた。



「部屋、取ってあるから………… 」

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