無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

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神獣玄武『ナナミ』

世界樹__ユグドラジル__②

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 世界樹ユグドラジルは何処へ行ったのか。

 それは四国が隣り合わせになる国境。

 薬師達が、空間移動で目的の場所に出ると、其処には根を大地に張り巡らせ、巨大化して行く世界樹ユグドラジルが居た。

 金色が輝き、世界中にまるで蝶の鱗粉のような粉を撒き散らして行くその姿。

 それは、世界樹ユグドラジルの癒やしだった。


 「綺麗…… 」


 ナディアが呟いた言葉に其処にいた全員が共感に瞳を輝かせた。

 多分あっと言う間だったのだろう。

 世界樹ユグドラジルはブルッと枝を振るわせると、蠢かせていた根をピタリと止めた。

世界の修復を終わらせたのだろう、彼のその根っ子の終着点は真反対側の『北の大森林』と呼ばれる四国が隣り合った場所だったが、此処の話はまた別のきかいに話すとして、皆は雲まで届きそうな世界樹ユグドラジルを見上げて感嘆の声を上げた。


 「デカいな…… 」

 「本当に大きい…… 」


 薬師と弥勒が、正直な感想を延べると、頭の中に声が響いて来た。


 『僕は誰かの役にたったのかな? 』

 「あぁ、世界中の生きとし生けるもの総ての救い主となったよ」


 世界樹ユグドラジルの紡いだ声は何処か哪吒に似ていた。


 『それなら良かった。なら僕も安心してこの木の一部となれる。もう一人の僕を宜しくお願いします。皆、元気でね…… 』


 誰の返事も求めない、独り言のような思いに、女共と愛染は涙を零した。


 「心配要らない」


 薬師はそう一言言って世界の中心で聳え立つ大木を見上げた。



 その後薬師は出鱈目な速さで世界樹ユグドラジルの根元に屋敷を構えた。

 その建築日数は、ほぼ一日。

 端に、何処からか民家を移築してきたかのようだった。

 その後、弥勒とナナミは愛染を連れて、家へと帰って行き、皇宮にいた朱雀は、傷が癒えてお目付役●●●●と共にルイボス王国の神殿へと旅立った。

 ナディアが実家へとお産の為、前もってシルベスタ公爵家の領地に、薬師と共に帰った頃には、シルベスタ家にはナディアの妹が一人増えていた。

 そんな子供達のはしゃぐ声がする領地の屋敷の庭で、茶器を傾ける夫婦がいた。


「世は太平、事も無し……だな…… 」


 ナディアの実家に御世話になって幾日。

 晴天広がる空を見上げて薬師が呟く。

 傍らには、愛してやまない己の番。

 ふふっっと笑う己が妻に、薬師は目を細めて笑うのであった。





epilogueに続く。
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