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prologue
女神の御使い④
しおりを挟む「良いよぉ、彼女を助けておいで」
フォルトゥナの言葉に、零は思考の海から離脱した。
「マジかっ!? 」
その慌て振りに、フォルトゥナは声を上げて笑う。
「アハハハハ、そりゃまぁ、やきもきしてたもんねぇ……、零くん。あぁ、因みに安心したまえ、まだ、あれから10分しか経って無いから。零君の時間だけ調節して超絶に早くしておいたから、君に取っては10年でも、周りに取っては10分でしか無いんだよ。勿論、この世界の連中は、神の端くれだから年も取らないしね。気付かない事間違い無しだったから……、ね、君は最短時間で守護騎士になったんだよ。ふふふふふ…… 」
はい、ぶっ込まれました。
見事にブッコミ完了です。
零が良く解らないと表情に見事に具現して、逸れから徐々に表情を変えて行く。
逸れを見たフォルトゥナはにっこりと意地悪な笑みを見せて言い切った。
「相変わらず察しが良くて有り難いよ。流石、零君」
「テメェ……、一変、死んでこい…… 」
などと、不敬極まりない言葉を彼は投げかけたが、フォルトゥナは全く気にしない。
零も本気で言っては居ないし、フォルトゥナ自身、出会った頃に比べて随分と砕けていた。
実の所コレが素の彼女で、男勝りで意地が悪くて腹黒、でも誰も何も言わないし、言えないのが現状だった。
逸れを冗長させるのが白の騎士団長で、諫めるのが黒の騎士団長ってな訳。
「つっ、ホント腹黒女神め。けど恩に切る。ヘンディクを借りてくぞ」
悪態を突はするが、零はすぐさま踵を返す。
去りゆく彼にフォルトゥナはひらひらと手を振って、
「健闘を祈る、精々頑張っておくれ。期待しているよ…… 」
言った。
勿論、零は聞いても居ないし、聞きもしないだろうとフォルトゥナは高を括る。
けれど零は謁見室を出る手前で、背中を向けたままひらひらと手を振り返したのだった。
お互い、狐と狸だなと、誰が思ったか……。
定かでは、無い。
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