3 / 15
第一章 生徒会勧誘編
放課後①
しおりを挟む
「湊。何でそんなに不機嫌なの~」
桜子は湊のほっぺをぐりぐりさせながら、俺のことをからかっている。
「まぁ、色々あってな」
「ああ、わかった。クラスの人が平松さんの話題が中心だから。怒ってるんだ?」
桜子の図星を突く発言に湊の口が動いてしまう。
「まだ治ってないんだね。不機嫌になると、口が動くんだよ」
湊は堪忍したように、桜子の方に目をやる。放課後でクラスの人は、湊と桜子だけだった。
「桜子には勝てそうにないな」
「はい、私には勝てませーん」
桜子は人差し指で、自分の唇を押さえる。少し色ぽい桜子に湊は不覚にも動揺してしまう。
「何か悩み事?」
「悩み事ではなく、平松のこと」
「えっ。本当に平松さんのこと?平松さんは高嶺の花だから....やめておいた方が.....」
桜子は髪の毛をいじりながら、湊の様子を伺いながら話す。
「そういう恋愛の話ではなく、この前の入学式の日の放課後の話」
「あっ、そうだったのね。私てっきり、そういう恋愛の話だと思って」
桜子はもじもじしながら、大きく手を振り誤魔化している。
湊は桜子に恋愛の話をしたことはないが、挙動不審になった時はスルーをしている。
「その入学式の日の放課後、生徒会長に会ったんだ。その時に偶然、平松もいて、平松が生徒会の書記に勧誘されたのさ」
「それは、そうだよね。この学校の魔法学科の生徒も勧誘された話も聞くし。銃学科の首席、平松さんが勧誘されるのはおかしくないよね。......それがどうかしたの?」
「その時にあいつ、平松は生徒会長の九条先輩に私よりも適任者の俺を書記にしてくださいと言ったんだ」
桜子は、苦笑を抑えられずに、笑い出してしまった。
「湊が生徒会?次席の湊が?ないない」
「笑すぎだ」
湊は笑い続ける桜子の頭にチョップをする。
「いったーい。ジョークなのに。それでその後どうなったの?」
「九条生徒会長がやはり、主席の平松になって欲しいから、待っているという話で事なきをえたんだ」
「へー。湊は平松さんに推薦した理由聞いたの?」
桜子は手を伸ばして、あくびをする。
「ああ、それが『あなたの方が優れていると思ったから』だってさ。意味わからんよ」
桜子の方を見ると、顎に手をあてて考え込んでいた。
「うーん。わからないね。それは。その後、喋ってみた?」
「あの後は俺自身が平松に避けられるような感じ」
「まーた。湊が強い口調で何か言ったんでしょ」
桜子の疑いの目を向けられる。
「少し言ったかも・・・」
「女の子なんだから、優しく言わないとダメ」
何も解決はしなかったが、桜子の元気の良さに悩んでいる自分が馬鹿らしくなる。
「この話はもう終わり。湊は部活見て行く?」
魔法高等学校には、基礎体力づくりのために体育系の部活と、学習意欲向上のために文化系の部活がある。
「俺は、シューティング部を見ようかなと思う」
魔法の銃を使った対人射撃を競う部活だ。今年新たに新設されて、銃学科のほとんどの生徒がこの部活に入ったという噂だ。それに対して、魔法学科の生徒の大多数は対人魔法戦闘の「魔法戦闘部」に所属している。
「シューティング部ね。今年、新しくできた部活だし、先輩もいなさそうでいいわね。入部希望なの?武芸部もこの学校あるのに」
魔法高等学校でも武芸部はあり、魔法を使わない対人戦闘の部活はある。
「せっかく、銃学科に入ったのだから、俺としては新しいシューティング部に入部したい」
「お家の方は大丈夫なの?」
桜子が聞くお家のこととは、三井家の伝統的な武芸をいかす武芸部に入らなくていいのかということである。
「家も俺が銃学科に入学することを反対していたからな。もう、愛想を尽かされたし.....自由にやるさ。めぐみが道場を継ぐから問題ないよ」
「めぐちゃん一人で。可哀想だけどふーん。そうなんだ」
桜子とめぐみは昔からの知り合いでめぐみは桜子のことをお姉ちゃんと呼んでいた。桜子は少し微笑む。
「それじゃあ。私も.......」
湊は不味い表情を浮かべた。
「まさか。桜子も入部するのか?」
「何で、私は入部しちゃダメなのかな?」
桜子は湊の顔に限りなく近づいてくる。
「そんなこと思ってないです」
湊はまた、いつものように桜子のいいようにやられてしまっている。新たに湊の気苦労が増えた瞬間であった。
————————————————————————-
ここまで御覧いただきありがとうございました。
もし少しでも作品が『面白かった』『続きが気になる』と思われましたら、お気に入りに追加 感想をお願いします。
桜子は湊のほっぺをぐりぐりさせながら、俺のことをからかっている。
「まぁ、色々あってな」
「ああ、わかった。クラスの人が平松さんの話題が中心だから。怒ってるんだ?」
桜子の図星を突く発言に湊の口が動いてしまう。
「まだ治ってないんだね。不機嫌になると、口が動くんだよ」
湊は堪忍したように、桜子の方に目をやる。放課後でクラスの人は、湊と桜子だけだった。
「桜子には勝てそうにないな」
「はい、私には勝てませーん」
桜子は人差し指で、自分の唇を押さえる。少し色ぽい桜子に湊は不覚にも動揺してしまう。
「何か悩み事?」
「悩み事ではなく、平松のこと」
「えっ。本当に平松さんのこと?平松さんは高嶺の花だから....やめておいた方が.....」
桜子は髪の毛をいじりながら、湊の様子を伺いながら話す。
「そういう恋愛の話ではなく、この前の入学式の日の放課後の話」
「あっ、そうだったのね。私てっきり、そういう恋愛の話だと思って」
桜子はもじもじしながら、大きく手を振り誤魔化している。
湊は桜子に恋愛の話をしたことはないが、挙動不審になった時はスルーをしている。
「その入学式の日の放課後、生徒会長に会ったんだ。その時に偶然、平松もいて、平松が生徒会の書記に勧誘されたのさ」
「それは、そうだよね。この学校の魔法学科の生徒も勧誘された話も聞くし。銃学科の首席、平松さんが勧誘されるのはおかしくないよね。......それがどうかしたの?」
「その時にあいつ、平松は生徒会長の九条先輩に私よりも適任者の俺を書記にしてくださいと言ったんだ」
桜子は、苦笑を抑えられずに、笑い出してしまった。
「湊が生徒会?次席の湊が?ないない」
「笑すぎだ」
湊は笑い続ける桜子の頭にチョップをする。
「いったーい。ジョークなのに。それでその後どうなったの?」
「九条生徒会長がやはり、主席の平松になって欲しいから、待っているという話で事なきをえたんだ」
「へー。湊は平松さんに推薦した理由聞いたの?」
桜子は手を伸ばして、あくびをする。
「ああ、それが『あなたの方が優れていると思ったから』だってさ。意味わからんよ」
桜子の方を見ると、顎に手をあてて考え込んでいた。
「うーん。わからないね。それは。その後、喋ってみた?」
「あの後は俺自身が平松に避けられるような感じ」
「まーた。湊が強い口調で何か言ったんでしょ」
桜子の疑いの目を向けられる。
「少し言ったかも・・・」
「女の子なんだから、優しく言わないとダメ」
何も解決はしなかったが、桜子の元気の良さに悩んでいる自分が馬鹿らしくなる。
「この話はもう終わり。湊は部活見て行く?」
魔法高等学校には、基礎体力づくりのために体育系の部活と、学習意欲向上のために文化系の部活がある。
「俺は、シューティング部を見ようかなと思う」
魔法の銃を使った対人射撃を競う部活だ。今年新たに新設されて、銃学科のほとんどの生徒がこの部活に入ったという噂だ。それに対して、魔法学科の生徒の大多数は対人魔法戦闘の「魔法戦闘部」に所属している。
「シューティング部ね。今年、新しくできた部活だし、先輩もいなさそうでいいわね。入部希望なの?武芸部もこの学校あるのに」
魔法高等学校でも武芸部はあり、魔法を使わない対人戦闘の部活はある。
「せっかく、銃学科に入ったのだから、俺としては新しいシューティング部に入部したい」
「お家の方は大丈夫なの?」
桜子が聞くお家のこととは、三井家の伝統的な武芸をいかす武芸部に入らなくていいのかということである。
「家も俺が銃学科に入学することを反対していたからな。もう、愛想を尽かされたし.....自由にやるさ。めぐみが道場を継ぐから問題ないよ」
「めぐちゃん一人で。可哀想だけどふーん。そうなんだ」
桜子とめぐみは昔からの知り合いでめぐみは桜子のことをお姉ちゃんと呼んでいた。桜子は少し微笑む。
「それじゃあ。私も.......」
湊は不味い表情を浮かべた。
「まさか。桜子も入部するのか?」
「何で、私は入部しちゃダメなのかな?」
桜子は湊の顔に限りなく近づいてくる。
「そんなこと思ってないです」
湊はまた、いつものように桜子のいいようにやられてしまっている。新たに湊の気苦労が増えた瞬間であった。
————————————————————————-
ここまで御覧いただきありがとうございました。
もし少しでも作品が『面白かった』『続きが気になる』と思われましたら、お気に入りに追加 感想をお願いします。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる