悪女で悪魔

黒澤尚輝

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-閑話-

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エメルネス・ユナイデル。優秀な生徒。今は何らかの事情で魔力欠乏を起こし落ちこぼれと言われる生徒。しかしテストでは高得点を残し魔力が少ないながらにできることをしかなりの努力を繰り返す生徒。俺のことを苦手に思いそれを隠すのが下手くそな生徒。そんな俺に助けを求めた生徒。

何かと気にしていた生徒。

そんな生徒が最近おかしい。魔力の補給ができるようになり以前の姿を取り戻しつつあった。そんなユナイデルが授業を休みがちになり授業に出てもどこか上の空だったりしている。
以前薬学教師がユナイデルにいい加減なことを言ったという。そのことを気にしていると思い話をしようにも何故か避けられる。あまりにそっけない態度にイラついた。

自習時間、ユナイデルに声をかけ呼び出した。
準備室に入り向かい合う。あきらかに不服そうなその姿に気まずい空気が流れる。とりあえず薬学教師の言葉を気にしないように伝える。息を呑み驚いた表情をしたユナイデルの視線が下がる。

「⋯⋯先生。どうでした?」
「なんだ」
「私が落ちこぼれて困りました?」
「は?まぁ、そりゃそうだろ」
「魔力が戻って安心しました?」
「何言ってんだお前」
「自分のキャリアに傷がつかないで安心しました?」
「おい、何言って」
「私のこと、普通の生徒として見てくれていたと、思ったのに⋯⋯」

捲し立てるように話す。薬学教師に言われたんだろう。俺はキャリアなんて気にしたこともない。不安を吐露するユナイデルを純粋に声をかけ解決策を探した。努力する彼女を見てきたからどうにか助けたかった。その気持ちがあの教師の言葉でキャリアなんて言われるとは。
心を渦巻いたのはあの教師への苛立ちと目の前の少女への苛立ち。いらんことを言い不安を募らせたあの教師にはもう一度釘を刺す。そして目の前の少女は俺がキャリアなんか気にして声をかけたなんて思うことをしっかり否定しないと。

顔を上げたユナイデルの黒薔薇のような瞳から透明な液体が伝う。いつも表情の変化がなくクールだと言われる少女が涙している。生徒の涙なんて女の涙なんて慣れているのになぜか戸惑う。
声をかけようとすれば身体の異変が起こり始めた。まただ。以前彼女を保健室に運んだ時起きた状況のように下半身が硬くなり始めた。目の前の少女に劣情を抱く。絶対に思ってはいけない感情に焦る。

少女は自分の感情を溢す。不正を疑われないことが辛いと嘆く。俺の言葉を信じることなくひたすら自分を卑下する。止まらない涙と口から出る悲観的な言葉たち。
立ち上がり俺に近付く少女。泣くユナイデルに戸惑い呆気なく押し倒されてしまう。こんなことをする生徒じゃないのに何故こんな状況になってるのか。誘うように腹の上を滑る白い手。今まで感じたことのない興奮に目の前の少女を酷く扱いたい欲が溢れる。なんとか堰き止めるがその白い手を掴み押し倒し泣く少女を快楽に落としたい欲に襲われる。

休日偶然遭遇した1年の生徒と少し歩いたことがある。そのことを話すユナイデル。その目には明らかな嫉妬が含んでいる。
ゆっくり顔が近付くが最後の理性を振り絞り2人の間に手を差し込んだ。傷ついた顔をしたユナイデル。今まで俺に好意を抱いてると思ったことはないのになぜこんなにも恋する少女のような反応をするのか。一体この生徒に何が起きたのか。

「お願い、キスして、先生」

涙に濡れた瞳で見つめ合う。その瞳の黒色が深まると俺の頭の中には少女の願いを叶えなければいけない使命感に支配される。我を忘れ少女の後頭部を引き付けキスをした。
生徒相手、そんなことを考える暇もなくただキスを繰り返しソファへと押し倒した。いけないこととは分かるのに止められない。

今頭にあるのはユナイデルが俺を誘ったことへの嬉しさと他の男たちにも同じことをやっているのかと言う怒り。薬学教師の言葉を信じ俺の言うことを聞かないことへの怒り。反応が可愛い、俺がなぜ勃ったのか謎への困惑。
色々混ざり思考が鈍る。あまり香りがする。ユナイデルから感じる魔力には何かが混ざっている。あまりに微量なそれはよく観察しないと気が付かないほどだが今はよく分かる。何か黒い魔力が混ざっている感覚。
問い詰めても返答をしないユナイデルに痺れを切らし、秘所へと手を伸ばしナカに指を差し込んだ。
きつく吸い付くような秘口は指を動かせば動かすほど濡れていき音を大きくしていった。愛液が垂れ甘い香りが充満する。

苛立ちからやや激しく指を動かす。呆気なく達したが指を止めずそのまめ2本に増やしバラバラに動かす。狭いナカを広げるよう指を動かせば声も水音も大きくなっていく。
イく感覚が短くなっていく。

「せ、せぃイっった、やめっあ゙っ」
「まだイケるだろ?」
「も、むりっああっい゙っちゃっっ」

苦しそうに震え涎を垂らし涙を流す。あまりの快楽に声が濁音混じりになる。俺の手で乱れている事実に興奮する。
嫉妬してないと否定するが表情から嘘だとわかる。もっと快楽漬けにするため指の動きを再開し耳を塞いでキスをする。俺のモノに手を伸ばし撫で始めた。他の男にもやるのか、なんて考えればイラつく。体を起こし上に座らせ衣類越しに突き合う。倫理なんて何も考えられるわけもなくパンツを下げ繋がろうとしていた。

そんな時俺を呼ぶ声で突然正気に戻った。俺はなんてことをしたのか。生徒に対し犯罪行為だ。危なかった。このままでは一線を超えていた。とりあえず今はユナイデルを休ませあの1年の生徒の対応をしないと。
俺の膝の上に座り俺の服を掴み少し腫れ赤く染まる唇にもう一度キスをしたい欲を抑えこむ。
あの1年さえ来なければ、そんなことを考えるほど行為に夢中になってしまっていた。

────────

「せんせ!寝てたの?」
「ん?」
「もー!起きてください!先生!」

準備室のソファから身体を起こす。目の前には1年の何かと話しかけてくる謎な女生徒が心配そうに見下ろしている。

眠る前の記憶を手繰り寄せる。生徒に対し異常なまでに興奮し危うく行為にもつれるところだった。あれほどまでに欲情したことなんてない。何か魔法を使ったのか。
最後には睡眠系の魔法をかけたユナイデル。今いないことから逃げ出したんだろう。

ユナイデルの泣き顔を思い出す。喘ぐ顔を、甘い香りを、柔らかな肌を。それだけでまた沸る。自分を卑下しているのに愛されたいと嘆く少女。

生徒に思ってはいけない感情が生まれてしまいそうになるのを必死に抑え目の前の生徒の話を聞いた。来年受ける授業の話を永遠と話し始める1年。この間偶然外出先で会いどうしてもと少しだけ話に付き合った。その時からこの目が嫌な感じがする。何かを求める目は確実に恋情を含んでいた。しかしなぜか仄暗い闇を感じる。早々に話を切り上げ準備室に1人になる。

俺がいくら適当だと言われてもさすがに生徒と一線を越えるのはヤバすぎる。その理解は十分あるのにも関わらずユナイデルの姿を事細かに思い出し下半身に熱が募った。
いけないこととは分かっているのに彼女の声と姿を思い出し逸物を扱いた。

「くっそ⋯⋯」

びゅくびゅくと手に溢れる白濁。ドロドロと垂れるそれは俺の今の感情を表すかのようだった。一度出しても硬度を保つそれ。まるで学生のようにいつまでも治らない滾りに舌打ちをしつつ再度手を動かし始める。
何度も達し俺に縋り付く彼女。締め付けるナカにこれを挿れたらどんな声で喘ぎどんな顔をするのか。いい歳のくせにエロい妄想でヌくなんて⋯⋯。

「はっくっ、ゆ、ないでるっ」

無意識に口をついて出てしまった名前。自分の気持ちに困惑しつつも妄想が止まらなかった。煙草を吸い込む。急激すぎる気持ちの変化に違和感を感じる。

──あの女は何者なのか。調べる必要がある。

そっと決意をし準備室を出た。
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