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※2話投稿です。
腰の鈍痛で目が覚めた。見慣れない天井に飛び起きる。隣には首席が気持ちよさそうに眠っていた。私の身体は綺麗になっており首席が後処理をしてくれたのだろう。服も着ておりさっぱりしていた。
首席も服を着ているが腰の痛みと喉の痛みが昨夜の情事を思い出させた。今までの快感が大したことのないように思えるほど気持ちが良かった行為。古の淫魔たちがなぜ人間を襲っていたのか少しだけ理解してしまっていた。
淫魔の血が入っているため中に精液を出されても妊娠はしない。ある程度の量を蓄積しないといけないと記述されていた。そのため淫魔はフェロモンと催眠で人間の限界まで行為を行い精液を搾り取り子孫を残すそうだ。
人間の血が混じってからは同じ相手と繰り返し行うことで蓄積され妊娠に至るらしい。しかし繰り返しと言っても何十回と行わないといけないため妊娠の心配はしなくていいだろう。
口腔内射精の何倍もの魔力補充が可能なこの行為、快感も得られるなんて素晴らしいものなのだろう。さらに行為中はあの女を忘れ私を求めていた。他の男たちに施したらどうなるのか気になり始めていた。
とりあえず今この状況をなんとかするため首席に催眠をかけた。証拠を残さないよう清掃魔法をかけ消臭魔法もかける。そのまま自宅へ戻りお風呂に入った。
足はガクガクで歩くのにも一苦労だが今日は学校の日だ。休むわけにはいかない。身体強化の魔法を施し学園へと赴いた。気持ちは晴々としており魔力もある。他の人の視線もあの女の襲撃も何も気にならなかった。
今はただ次の相手を探すことだけを考え過ごしていた。首席に会ったが向こうはこちらを睨みつけるだけで何も言ってこない。催眠は成功しているのだろう。しかしいつも以上に強い視線を感じたのには少し違和感がある。高頻度で同一人物との行為を行うのにはリスクがあるだろう。しばらく首席はお預けだ。
昨晩のことを思い出せばまた下腹部が疼いた。一度行ってしまえばもう外聞なんて関係ない。今更何を言われようと痛くも痒くもない。噂が事実になるだけ。否定しようと意味がないのなら本当にしてしまえばいいだけだ。
外から声が聞こえてくる。煩わしい声。窓から覗けばピンク色の髪を靡かせ男と歩くあの女がいた。高い声で笑い男の腕に巻きつき楽しそうにする女。隣の男は2番目。今日もチャラついているのにあの女に対しては大層大切に扱い手も出していないとか。
口腔内に唾液が溢れる。あの男のモノも良かった。あれがナカに入ったら⋯⋯。
膣内が締まった。想像ですでに濡れ始めてしまう。あの男をどうにかしたらあの女はどうするだろうか。催眠をかけるから忘れてしまうけど行為中には確かにあの女の存在を消すことができる。
散々苦しめられてきたのだ。このくらいの仕返しをしたって責められやしないだろう。本当は催眠をかけずにいたいが殺されそうだしやめておく。今夜はあの男にしよう。
2番目の顔が歪む姿を想像してみる。乱れ私に興奮し昨日の首席のようになる姿を。
気分が良くなりクラスへと戻った。今の私はきっと本物の悪女で悪魔なんだろう。でももう戻れるはずないのだ。悪魔にだって悪女にだってなれる。私にはもうその道を生きるしかないのだから。
私は知らなかった。首席が私をどう思い睨みつけていたのかを。そして私の瞳孔が蛇のように縦に長く細く変化してしまったことを。
────────
×××年××月××日
とある一体の魔物と交戦した。
その魔物は知性を持ち合わせていた。我々と同じ言葉を話し我々と同じ見た目をしていた。魔物は仲間の1人に執拗に話しかけ続けた。攻撃などせずひたすら何かを耳元で語っていた。攻撃の合間にその仲間の元へ行き何かを言うのだ。
最初は抵抗していたはずの彼はしばらくすると剣を地面に落とし崩れ落ちた。他の奴が駆け寄ると彼は憔悴しきっておりただひたすらに物騒なことを言い続けていた。
内容は主に付き合っている彼女への恨みつらみ。最後には殺意まで出す始末。魔物は高笑いをしていた。不気味だった。俺たちに攻撃を向けることなくひたすら話しただけなのに仲間1人をおかしくさせた。
なんとか逃げ切ったが仲間の男は精神を病みパーティから外れてしまった。何を言っていたのか今ではもう分からないがあの知性を持つ魔物は何かがおかしい。気をつけなければ。
××××年××月××日
また知性を持つ魔物の情報だ。とある街にいた少女が魔物だったというのだ。あの魔物は人間界へ潜り込むことができるほどの知性を持っているということだ。
やはりその魔物は何人かとよく会話をしていたそうでその少女と話した奴らはみな精神をおかしくしていったそうだ。全員恋人への愛情の異常化が症状。一体何をしたいのだろうか。
街の人たちから聞いた話から1つの憶測が浮かんだ。
知性のある魔物は血のような色の瞳と蛇眼を持っているらしい。たしかに俺たちが交戦した魔物も同じ見た目だった。
これは偶然なのか?まだ手掛かりは掴めない。
××××年××月××日
緊急事項として全ての魔導士たちに連絡をした。知性のある魔物はあまりに危険だ。あいつらは人の精神を狂わせる。そしてそれを見て笑うのだ。さらに知性があるため他の魔物を纏め上げ襲いかかる。俺は奴らを上級種と考える。
奴らは危険だ。発見次第必ず殺すように。また目が特徴なため当てはまる人間は怪しい。みんな捕まえるべきだ。知性があるため他の魔物の情報を持っている可能性がある。人間に紛れた魔物は徹底的に拷問し吐かせる。
この世から魔物は一体残らず抹殺する。まずは知性を持つ魔物たちからだ。必ず殺すんだ。これは後世にも語り継がなければいけない。日記として残す。俺の子孫たちよどうか受け継いでいってほしい。未来のために。魔物のいない幸せな世界のために。
いいか、もう一度言う。血のような瞳と蛇眼を持つものは1人残らず殺すんだ。
──魔物研究者バイカル・ラシアードの手記より
腰の鈍痛で目が覚めた。見慣れない天井に飛び起きる。隣には首席が気持ちよさそうに眠っていた。私の身体は綺麗になっており首席が後処理をしてくれたのだろう。服も着ておりさっぱりしていた。
首席も服を着ているが腰の痛みと喉の痛みが昨夜の情事を思い出させた。今までの快感が大したことのないように思えるほど気持ちが良かった行為。古の淫魔たちがなぜ人間を襲っていたのか少しだけ理解してしまっていた。
淫魔の血が入っているため中に精液を出されても妊娠はしない。ある程度の量を蓄積しないといけないと記述されていた。そのため淫魔はフェロモンと催眠で人間の限界まで行為を行い精液を搾り取り子孫を残すそうだ。
人間の血が混じってからは同じ相手と繰り返し行うことで蓄積され妊娠に至るらしい。しかし繰り返しと言っても何十回と行わないといけないため妊娠の心配はしなくていいだろう。
口腔内射精の何倍もの魔力補充が可能なこの行為、快感も得られるなんて素晴らしいものなのだろう。さらに行為中はあの女を忘れ私を求めていた。他の男たちに施したらどうなるのか気になり始めていた。
とりあえず今この状況をなんとかするため首席に催眠をかけた。証拠を残さないよう清掃魔法をかけ消臭魔法もかける。そのまま自宅へ戻りお風呂に入った。
足はガクガクで歩くのにも一苦労だが今日は学校の日だ。休むわけにはいかない。身体強化の魔法を施し学園へと赴いた。気持ちは晴々としており魔力もある。他の人の視線もあの女の襲撃も何も気にならなかった。
今はただ次の相手を探すことだけを考え過ごしていた。首席に会ったが向こうはこちらを睨みつけるだけで何も言ってこない。催眠は成功しているのだろう。しかしいつも以上に強い視線を感じたのには少し違和感がある。高頻度で同一人物との行為を行うのにはリスクがあるだろう。しばらく首席はお預けだ。
昨晩のことを思い出せばまた下腹部が疼いた。一度行ってしまえばもう外聞なんて関係ない。今更何を言われようと痛くも痒くもない。噂が事実になるだけ。否定しようと意味がないのなら本当にしてしまえばいいだけだ。
外から声が聞こえてくる。煩わしい声。窓から覗けばピンク色の髪を靡かせ男と歩くあの女がいた。高い声で笑い男の腕に巻きつき楽しそうにする女。隣の男は2番目。今日もチャラついているのにあの女に対しては大層大切に扱い手も出していないとか。
口腔内に唾液が溢れる。あの男のモノも良かった。あれがナカに入ったら⋯⋯。
膣内が締まった。想像ですでに濡れ始めてしまう。あの男をどうにかしたらあの女はどうするだろうか。催眠をかけるから忘れてしまうけど行為中には確かにあの女の存在を消すことができる。
散々苦しめられてきたのだ。このくらいの仕返しをしたって責められやしないだろう。本当は催眠をかけずにいたいが殺されそうだしやめておく。今夜はあの男にしよう。
2番目の顔が歪む姿を想像してみる。乱れ私に興奮し昨日の首席のようになる姿を。
気分が良くなりクラスへと戻った。今の私はきっと本物の悪女で悪魔なんだろう。でももう戻れるはずないのだ。悪魔にだって悪女にだってなれる。私にはもうその道を生きるしかないのだから。
私は知らなかった。首席が私をどう思い睨みつけていたのかを。そして私の瞳孔が蛇のように縦に長く細く変化してしまったことを。
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×××年××月××日
とある一体の魔物と交戦した。
その魔物は知性を持ち合わせていた。我々と同じ言葉を話し我々と同じ見た目をしていた。魔物は仲間の1人に執拗に話しかけ続けた。攻撃などせずひたすら何かを耳元で語っていた。攻撃の合間にその仲間の元へ行き何かを言うのだ。
最初は抵抗していたはずの彼はしばらくすると剣を地面に落とし崩れ落ちた。他の奴が駆け寄ると彼は憔悴しきっておりただひたすらに物騒なことを言い続けていた。
内容は主に付き合っている彼女への恨みつらみ。最後には殺意まで出す始末。魔物は高笑いをしていた。不気味だった。俺たちに攻撃を向けることなくひたすら話しただけなのに仲間1人をおかしくさせた。
なんとか逃げ切ったが仲間の男は精神を病みパーティから外れてしまった。何を言っていたのか今ではもう分からないがあの知性を持つ魔物は何かがおかしい。気をつけなければ。
××××年××月××日
また知性を持つ魔物の情報だ。とある街にいた少女が魔物だったというのだ。あの魔物は人間界へ潜り込むことができるほどの知性を持っているということだ。
やはりその魔物は何人かとよく会話をしていたそうでその少女と話した奴らはみな精神をおかしくしていったそうだ。全員恋人への愛情の異常化が症状。一体何をしたいのだろうか。
街の人たちから聞いた話から1つの憶測が浮かんだ。
知性のある魔物は血のような色の瞳と蛇眼を持っているらしい。たしかに俺たちが交戦した魔物も同じ見た目だった。
これは偶然なのか?まだ手掛かりは掴めない。
××××年××月××日
緊急事項として全ての魔導士たちに連絡をした。知性のある魔物はあまりに危険だ。あいつらは人の精神を狂わせる。そしてそれを見て笑うのだ。さらに知性があるため他の魔物を纏め上げ襲いかかる。俺は奴らを上級種と考える。
奴らは危険だ。発見次第必ず殺すように。また目が特徴なため当てはまる人間は怪しい。みんな捕まえるべきだ。知性があるため他の魔物の情報を持っている可能性がある。人間に紛れた魔物は徹底的に拷問し吐かせる。
この世から魔物は一体残らず抹殺する。まずは知性を持つ魔物たちからだ。必ず殺すんだ。これは後世にも語り継がなければいけない。日記として残す。俺の子孫たちよどうか受け継いでいってほしい。未来のために。魔物のいない幸せな世界のために。
いいか、もう一度言う。血のような瞳と蛇眼を持つものは1人残らず殺すんだ。
──魔物研究者バイカル・ラシアードの手記より
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