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暗闇。何もない。ここはどこ。分からない。
突然目の前に暖かな光が灯る。優しい色の光は私を包み込み肌を焼く。
叫ぶ。痛いはずなのに痛くない。でも痛みを知っている。
光は私を焼きどこかへと行った。なぜかそれを追いかける私。爛れた肌は痛々しいのに光を追う足を止められない。
光は止まった。6つの光のもとへ。7つの光は掛け合い虹色に輝いた。私は目を細め見つめることしかできなかった。突然私の胸元から現れたのは黒い塊。何かわからないそれは光の方へふらふら向かい1つの光は触れる。その光は美しい輝きの傍ら黒い塊に少し侵食された。そしてまた1つまた1つと黒い塊はヒカリを侵食した。
1番最初に追った光はピンク色に輝き黒い塊を照らす。塊は霧を上げ小さくなり消えた。ピンク色は強く輝き6つの光を包み込んだ。1つとなった光は空へと昇り輝いている。
光の隅にはまるで黒い塊がいたことを証明するように黒いシミとなっている。
暗転。
次に目を覚ますと見知らぬ部屋にいた。大きな窓からは外の灯りが入りキラキラと輝く。天板のついたベッドとそこらじゅうにある人形。フリルのついたスカートやワンピースのかかったクローゼット。そしてベッドには2人の男女。
聖女と首席がベッドで睦み合う。生々しい水音と気持ちよさそうに喘ぐ聖女の声。首席は短く息を吐きながらも聖女へ愛の限りを伝える。耳を塞いでも聞こえる声に心臓が軋む。
2人が達すると2番目が部屋へ入り早々に服を脱ぎ女と重なる。そして1年のの天才が、団長の息子が、所長の息子が、先生が次々と部屋へやってきては聖女と愛し合う。
目を閉じたいのに閉じれない。耳を塞いでも聞こえる。声をあげても聞こえてないのか気が付かれない。目の前ではただひたすら行為が続き聖女が達し男たちが達し、愛を語らい口づけを交わす。
吐き気がするのに何も出ない。
──やめて。私のなのに
「あなたのもの?バカ言わないで。魔法で作った紛い物を自分のものなんて頭がおかしいんじゃない?」
──紛い物なんかじゃない
「淫魔の魔法がなければあなたなんか誰とも関係を持つことなんてできない」
──私は愛されている
「愛されているわけがない。あなたは偽物。私の身代わり」
──やめて
「馬鹿な女」
頭に響く聖女の末裔の声。勘違いするなと言う声。愛されているかのように感じていたのは全て魔法のおかげ。私自身が愛されていたわけではない。少しだけも行為に好意が混じっていると勘違いしないための注意喚起なのだろうか。
目の前では男たちが甲斐甲斐しく女を責め次の順番で揉めていた。女はそんな男たちに少しだけ笑い何かを言う。男たちは嬉しそうに笑い1人1人女にキスをする。
本のようなその光景をただ眺めることしかできない私は紛い物だからだろう。頬に何かが伝う。何が伝っているのか自覚してしまえば私は壊れてしまう、そう思い知らぬふりをした。
私と行為をしていた男たちを思い出す。あんな笑顔見たことがない。私では引き出せない笑顔に鼻の奥がツンと痛んだ。
淫魔の能力が芽生えてから情緒が不安定となり始めている。以前より悲しみ怒り欲に忠実となった。いつか完全な淫魔として覚醒してしまうのだろうか。ただただ不安だった。
割り切れているつもりでも簡単に受け入れることなんてできるはずもなかった。強がっているだけで悪魔へと変わっていく自分に恐怖した。私はどうなってしまうのか。誰にも言えない弱音がボソリと漏れる。
目の前ではいまだに行為が続いていた。
────────
意識が浮上し目が覚める。いつも見る天井にゆっくり身体を起こす。そこは自分の部屋で何も変わらない光景に疑問が生じた。準備室にいたはずなのに一体何をしていたのか、記憶がない。先生に呼び出され何かを話しそのあと自宅にどう戻ったのか、分からない。最近疲れていたからだろうか泥のように眠り記憶が曖昧なのだろう。体も疲れている。今日はちょうど休日だ。たまにはゆっくりしよう。
そういえば、何か夢を見ていた気がした。どんな夢かは思い出せないが何か辛い夢だった気もする。思い出せないのならそんな気にすることでもない気がするがなんとなく気になった。
「⋯⋯とりあえず、ご飯食べよ」
寝巻きから簡単な私服へ着替え一階へと降りる。しん、と静まり返っていることから両親は泊まり込みの仕事をしているのだろう。冷気の出る魔法陣が組み込まれた箱、保冷庫をあけ食材を取り出し簡単に調理した。
静まり返った部屋で1人食事を摂る。昨日のこと、夢のことどちらもやはり思い出すことはできなかった。これ以上考えてももやもやするばかりで気分が悪くなりそうだ。食事も喉を通らず調理したのにゴミとなってしまった。
部屋は戻りベッドに潜り込む。そっと目を閉じそのまま眠りに落ちた。夢は見なかった。
突然目の前に暖かな光が灯る。優しい色の光は私を包み込み肌を焼く。
叫ぶ。痛いはずなのに痛くない。でも痛みを知っている。
光は私を焼きどこかへと行った。なぜかそれを追いかける私。爛れた肌は痛々しいのに光を追う足を止められない。
光は止まった。6つの光のもとへ。7つの光は掛け合い虹色に輝いた。私は目を細め見つめることしかできなかった。突然私の胸元から現れたのは黒い塊。何かわからないそれは光の方へふらふら向かい1つの光は触れる。その光は美しい輝きの傍ら黒い塊に少し侵食された。そしてまた1つまた1つと黒い塊はヒカリを侵食した。
1番最初に追った光はピンク色に輝き黒い塊を照らす。塊は霧を上げ小さくなり消えた。ピンク色は強く輝き6つの光を包み込んだ。1つとなった光は空へと昇り輝いている。
光の隅にはまるで黒い塊がいたことを証明するように黒いシミとなっている。
暗転。
次に目を覚ますと見知らぬ部屋にいた。大きな窓からは外の灯りが入りキラキラと輝く。天板のついたベッドとそこらじゅうにある人形。フリルのついたスカートやワンピースのかかったクローゼット。そしてベッドには2人の男女。
聖女と首席がベッドで睦み合う。生々しい水音と気持ちよさそうに喘ぐ聖女の声。首席は短く息を吐きながらも聖女へ愛の限りを伝える。耳を塞いでも聞こえる声に心臓が軋む。
2人が達すると2番目が部屋へ入り早々に服を脱ぎ女と重なる。そして1年のの天才が、団長の息子が、所長の息子が、先生が次々と部屋へやってきては聖女と愛し合う。
目を閉じたいのに閉じれない。耳を塞いでも聞こえる。声をあげても聞こえてないのか気が付かれない。目の前ではただひたすら行為が続き聖女が達し男たちが達し、愛を語らい口づけを交わす。
吐き気がするのに何も出ない。
──やめて。私のなのに
「あなたのもの?バカ言わないで。魔法で作った紛い物を自分のものなんて頭がおかしいんじゃない?」
──紛い物なんかじゃない
「淫魔の魔法がなければあなたなんか誰とも関係を持つことなんてできない」
──私は愛されている
「愛されているわけがない。あなたは偽物。私の身代わり」
──やめて
「馬鹿な女」
頭に響く聖女の末裔の声。勘違いするなと言う声。愛されているかのように感じていたのは全て魔法のおかげ。私自身が愛されていたわけではない。少しだけも行為に好意が混じっていると勘違いしないための注意喚起なのだろうか。
目の前では男たちが甲斐甲斐しく女を責め次の順番で揉めていた。女はそんな男たちに少しだけ笑い何かを言う。男たちは嬉しそうに笑い1人1人女にキスをする。
本のようなその光景をただ眺めることしかできない私は紛い物だからだろう。頬に何かが伝う。何が伝っているのか自覚してしまえば私は壊れてしまう、そう思い知らぬふりをした。
私と行為をしていた男たちを思い出す。あんな笑顔見たことがない。私では引き出せない笑顔に鼻の奥がツンと痛んだ。
淫魔の能力が芽生えてから情緒が不安定となり始めている。以前より悲しみ怒り欲に忠実となった。いつか完全な淫魔として覚醒してしまうのだろうか。ただただ不安だった。
割り切れているつもりでも簡単に受け入れることなんてできるはずもなかった。強がっているだけで悪魔へと変わっていく自分に恐怖した。私はどうなってしまうのか。誰にも言えない弱音がボソリと漏れる。
目の前ではいまだに行為が続いていた。
────────
意識が浮上し目が覚める。いつも見る天井にゆっくり身体を起こす。そこは自分の部屋で何も変わらない光景に疑問が生じた。準備室にいたはずなのに一体何をしていたのか、記憶がない。先生に呼び出され何かを話しそのあと自宅にどう戻ったのか、分からない。最近疲れていたからだろうか泥のように眠り記憶が曖昧なのだろう。体も疲れている。今日はちょうど休日だ。たまにはゆっくりしよう。
そういえば、何か夢を見ていた気がした。どんな夢かは思い出せないが何か辛い夢だった気もする。思い出せないのならそんな気にすることでもない気がするがなんとなく気になった。
「⋯⋯とりあえず、ご飯食べよ」
寝巻きから簡単な私服へ着替え一階へと降りる。しん、と静まり返っていることから両親は泊まり込みの仕事をしているのだろう。冷気の出る魔法陣が組み込まれた箱、保冷庫をあけ食材を取り出し簡単に調理した。
静まり返った部屋で1人食事を摂る。昨日のこと、夢のことどちらもやはり思い出すことはできなかった。これ以上考えてももやもやするばかりで気分が悪くなりそうだ。食事も喉を通らず調理したのにゴミとなってしまった。
部屋は戻りベッドに潜り込む。そっと目を閉じそのまま眠りに落ちた。夢は見なかった。
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