悪女で悪魔

黒澤尚輝

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天才少年との行為後その足でとある場所を目指した。1つの教室の前に立ち息を潜める。教室内からは1人分の気配。そして香るのは甘い蜂蜜。
遠慮なく中へ入ればそこには首席が酷く驚いた顔をしている。

「なっんだ、ユナイデルか。なんか用か」

人気者だから色々と大変なんだろう。首席は1人空き教室で本を読んでいた。私を訝しげに見つめる首席にフェロモンを強く当てる。一気に当てすぎたからか頭を抑えふらつく首席。

「な、」
「私の復讐の手伝い、してほしいの」
「は?」

椅子に座る首席に近付く。ギリギリ手の触れることができない位置に立ちゆっくりと制服を脱いでいく。触れるだけの愛撫で性的興奮を高めフェロモンの効果を増進できたが視覚的効果はどうか、そんな実験台にさせるためだ。

シャツのボタンを一つずつ外していく。ゆっくり肩からシャツを外し床に落とす。そして靴下、スカートと徐々に素肌を晒していく。
冷静に考えるとどれだけ恥ずかしいことををしているのか。顔に熱が集まっていくがそれすらも私の興奮材料となる。

首席の目がギラギラと私を見つめる。舐めるような視線にじゅわりと下半身が濡れる。また一歩近付けば男が私へ手を伸ばした。脇腹の産毛を撫でるようにギリギリのところに触れる男の大きく骨ばった指。スルスルと下降し太腿へと辿り着く。そのまま内側へ回り上へとズレる指。

刺激を期待し濡れるそこに触れようとした時指の動きは止まり触れるか触れないかの表面をするりと撫でた。大きな刺激でないが秘所の粒を掠め腰が揺れる。

ギラギラと肉食獣のように鋭い瞳は私を針の筵にするが如く突き刺す。小刻みに揺れる体は早く触れて欲しくて戦慄いた。

男は手を引っ込め腕を組んだ。私の足先から頭の先を視姦し小さく笑う。

「復讐が何なのかしらんがしてほしいことは口に出すべきだと思うが」
「へ、⋯⋯」
「誰への復讐だ?への当てつけかは知らないが俺はお前の願いを叶えてやる存在だ。そんな態度で何かしてもらえると思ったら大間違いだ」

瞳に宿るは怒り。やはり直接的な快感がなければフェロモンは効かないなだろうか。しかしこの男が私のこの姿を見て教室から出ていかないのは多少フェロモンの影響もあるだろう。

が言うにはお願いをしろということ。この私が男に懇願しろというのか。他者への願いなど伝えたことはない。自分でどうにでもなってきたからだ。しかし今はどうだろうか。私が何か言わなければ男はきっとこのままだろう。唇を噛み震える声を絞り出した。

「⋯⋯こ、こを触って、ほし、い⋯⋯」
「ここ?どこのことだ」
「っ⋯⋯」

なんと言えばいい?なんと言えば男はその気になる?異性との行為など何度もしているのに言葉が出ない。結局は今までの経験などフェロモンの力を借りた紛い物。異性をときめかせる方法なんて分かるはずもなく疼くソコをなんと表現すればいいのかわからないまま立ち尽くす。

「ちっ⋯⋯まぁいい。30点ってところか」
「さ、んじゅってん?」
「足を開け」

屈辱だ。今まで魔力がなく落ちこぼれと言われ悔しい思いをした。漸く魔力が戻り以前の成績に戻ったのにまた低い点数を叩きつけられる。冷静な私だったら行為の最中に点数を言われたところでどうも思わないはずだったが今の私はおかしい。男の言葉に左右され戸惑い傷ついた。

震える足をゆっくり開く。すでにパンツは使い物にならなくなるほど濡れてしまっているだろう。

男の骨ばった指が足の間へと伸ばされる。くちゅり、と音がする。人差し指がパンツの上からソコをなぞる。指の腹で優しく触れられると背筋が震える。すりすりと擦り粒を掠る。爪が蕾を引っ掻けばたちまち足の力が抜ける。
男の肩に縋り付き快楽を享受する。私の息は上がっているのに男は冷静に私を責め立てる。

不意にクラッチがずれ外に晒される。熱すぎるそこに冷たい空気が触れる。指が差し込まれ浅いところを行き来する。ちゅくちゅくと水音が私の興奮を物語る。

男のシャツを強く握っているためシワになってしまうだろう。申し訳なく思うのに手が離せない。無意識に腰が逃げる。男の手が強く腰を引き寄せ咎めるように指が増える。

「んぁっっあ゙っだめっ」
「逃げるな」

指の動きが激しくなり大きく背がしなる。ズボンが汚れるのも気にしないのか男は私をそのまま足へ座らせる。息を整えるため肩に頭を埋める。

「気持ちよさそうだな」
「はぁっ⋯⋯はぁっ、」
「まぁこれからだけどな」

不穏な空気を感じとり顔を上げれば男が私の足を持ち上げ跨るように座らせた。突然のことに驚いていると男と目が合う。

「よく見とけ」

そう呟いた男はゆっくりとベルトを外し始めた。金属音と布ずれの音がする。下衣を脱いだ男の剛直がまろび出る。血管が浮き出た凶悪は腹部につきそうなほど硬く天を向いている。
男の指示の通りそれから目を離さない、いや目を離せなかった。腰の抜けた私を軽々と持ち上げたかと思えば泥濘みにそれをゆっくり挿入し始める。ずぶずぶと抵抗なく飲み込まれていく剛直に、あんなにも大きいものがいとも容易く私の中に挿入っていく光景に感情が昂り爆発してしまいそうなほど興奮していた。

「はっ犬のようだな」
「はっはっんぁっっ」

短く息を吐き必死に快感を逃す。ナカに感じる異物感と快感。ずりずりと壁を擦りイイところを的確に刺激しながらそれは私の最奥へと到達した。

こちゅんと音が鳴り彼と私の隙間がなくなる。大腿に感じる男の肌の温もり。縋り付くように彼の頭を抱きしめる。数分だろうか男は何もせずただ私を冷静に見つめるだけだった。そのたった数分が私には何時間にも感じられ蠢くナカは昂った頭は刺激を求め騒ぐ。そして私は独りでに腰を動かし始めてしまった。

男の上に跨り恥ずかしげもなく腰を上下に動かす。気持ちいい。でも何か足りない。足が震え上手く動かせない。でも快楽を求め必死に動いた。目の前の男はそんな私を見て何を思っているのか。ふと彼を見ると笑っていた。それは楽しそうに加虐心を隠しもせず嗤っていた。

「あ゙ぁぁっっっんっ」

その顔で私は達してしまった。

「ユナイデル。1人で随分と楽しんだようだな。俺の体を使ったオナニーはどうだ?気持ちよかったか?」
「は、はぃっ⋯⋯」
「でも俺は全くもって満足してない」
「ぅえ⋯⋯?」
「早く続きをしろ」
「ちょ、まっ⋯⋯」
「待たない」

私の腰を抱きしめた男。これ以上無理だと思っていたさらに奥に押し込んだ。

「あ゙あ゙あ゙っっ」
「お前が勝手に俺を使ったんだ。俺だって好き勝手にやらせてもらうからな」

彼の力強い腕が私に回る。そのまま彼の腰が動き始める。ごちゅごちゅと強く奥を穿つ。あまりに強過ぎる刺激に汚い声しか出せない。そんな声を聞いた男の剛直はまた少し大きくなった。

ガタガタと椅子が悲鳴を上げる。早くなった動きと比例して私の嬌声も短くなる。耳元にある男の口から獣のような息遣いが聞こえる。まるで捕食されるのをただ待つだけの小動物に成り変わったかのように感じ、肌が粟立つ。

「いっっあ゙ぅあっっ」
「っっくっ」

一番奥に押し込められたモノから温かく甘美な感覚が広がり満足感に浸る。男の肩に頭を預け息を必死に整えた。男はそんな私の首元へ何度もキスを落とす。

そっと男の耳元へ口を寄せる。軽やかなリップ音をたてその耳へと口付けをしたあとそっと呟いた。

男は深い眠りへと落ちた。

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