悪女で悪魔

黒澤尚輝

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何かに取り憑かれたように街を練り歩く。男たちの向ける目線が私をどう見てるのか物語る。
性欲は満たされるのに心はどんどん擦れて小さくなっていくように感じる。虚しさが心を襲う。

しかし自分は正しいのだと言い聞かせて次の獲物を探す。匂いを頼りに高級住宅地へと到着すればそこからバニラの香りがした。
風の魔法で浮き上がり匂いの強い部屋のベランダへ降り立つ。そっと窓に手をかけると何の突っかかりもなく開いた。不用心なのかなんなのか。風で揺れるカーテンを静かに開くと大きなベッドに腰掛けこちらをニヤニヤ笑いながら見る男がいる。

「なんか怪しい感じがして待っててみればお前か。何しにきた」
「女が男の部屋に来る理由なんて一つだけでしょう」
「はっ随分隠さないんだな。この間まで男遊びなんかこの私がするわけないって態度だったくせに」
「どうせバレてるならもう隠す必要ないでしょう」

男のもとへと歩きそっと肩を押す。抵抗なく男はベッドへと倒れる。その瞳はギラギラとこちらを見つめていた。誘うように服を脱ぎ男の裾へと手を滑り込ませる。少し日に焼けた肌は吸い付くような感触がした。ボコボコと溝を作る腹筋を丁寧に撫でながら男の上衣を脱がせていく。

現れたのははち切れんばかりの胸筋に凶悪と言っていいほどに深く溝を作り細かく分かれる腹筋。雄を感じじゅわりと蜜が少し溢れる。さすがは第一騎士団長の息子。高鳴る心臓を悟られないよう優しく撫でる。手に感じる固くも柔らかいそんな感覚に夢中になる。

「前回お前にがその記憶がごっそりない」

口を開いた団長の息子はそんなことを言い始めた。前回、と言うがキスマークをつけたのはその前。前回は空き教室で媚薬を飲んだ時だったのにその記憶がなくなっていた。私は意識朦朧としていてもなお催眠をかけたのだろうか。記憶を消したのは自分だというのに胸が痛んだ。

男の大きく無骨な手が私の太腿へと伸び優しく撫でる。まるで恋人のような甘い雰囲気にドキドキと胸が早打つ。
男が体を起こし膝の上に乗った状態で見つめ合う。どちらともなく近づいていき優しく唇が触れる。一度離れまた深く合わさる。

男の手が腹を上り胸へと到達する。ブラジャーを押し上げまろび出た双丘を優しく掴む。重さを確かめるように上下に持ち上げ指が先端の周辺を焦らすようにくるくる撫でる。硬くなり始めた男のモノにぐりぐりと秘部を押し付ける。

ぴんと立ち上がった先端を摘まれ体が跳ねる。押し潰し摘み弾く。深いキスをしながら鼻の抜ける声が出た。

──早く、早くもっと気持ち良く

腰の動きが太いそれを求め押し付けるように動いた。パンツに手があたりそっと腰を上げる。するすると布擦れが鳴りぐっしょりと濡れたそこが外気に触れる。彼もズボンを脱ぎ硬く聳り立つモノが秘所を掠った。くちゅり、と厭らしい音を立てそのままゆっくりと剛直を飲み込んでいく。

男の硬い体に抱きつき息をゆっくり吐き出す。満たされる感覚に背筋が震え無意識にナカが締まる。脈打つモノをナカで感じ心地よい。震える足で体を上げていく。ずりずりと圧迫が解け空虚感に襲われる。そしてゆっくり体を下せばまた大きいモノが私のナカをいっぱいに埋め尽くした。

「んぅっっはぁっっ」

耳元で彼の吐く熱い吐息が聞こえる。気持ちいいはずなのに何も動こうとしない男に焦燥感が増し1人で必死に腰を振る。

「あ゙っこれっ好きっ、ねぇ動いてっお願ぃっ」

自分で動くのも気持ちいい。しかし男から求められる感覚が好きなのに動かず私を見ているだけの彼にもどかしい気持ちが募る。
ぱちゅぱちゅと水音が鳴る。震える足では上手く動けず奥が切なく蠢く。大きなモノで奥を抉って欲しい。息が詰まるほど腰を打ちつけて欲しい。精液でお腹をいっぱいに満たしてほしい。欲求は高まるばかり。

「もっとっはげっしくしてぇっおね、がいっんぁっ」

自分では物足りない快感に恥ずかしげもなくおねだりをする。

「淫乱だな」

突然男が動く。繋がったままぐるりと入れ替わりベッドへ押し倒される。横向きにされ足の間に男が入り込み片足を抱え込まれた。そのまま腰が押し進められると1番奥深くへ簡単に到達しぐりぐりと抉る。

「あ゙ぁっんぅぁっっ」
「これが欲しかったんだろ」
「い゙っっちゃっっ」
「おら、イけよ」

強い快感に脳が痺れる。足の指が曲がりピクピクと痙攣を起こした。そんな快感を逃す間もなく男の腰が動きばちゅばちゅと激しい音が鳴り響く。あまりに強すぎる気持ちよさに何も考えられなくなる。

「あ゙ぅっあ゙っんあ゙っっ」
「すっげぇ声」

嘲笑うかのような彼の声にさらにナカがきゅんと締まる。お互いの息が上がり汗が吹き出る。ふくらはぎに温かく柔らかい何かが当たりぬるりと滑る。かと思えばガリ、と強く噛まれる。痛いのに気持ちいい。気持ちいいのに痛い。頭がぐちゃぐちゃに掻き乱される。

「い゙っあ゙っこぇっだめっおっおがじぐっなゔっ」
「なれよ」

がつがつと暴れる屹立。涙と涎でぐちゃぐちゃな私の顔。秘所は愛液で泡立ちふくらはぎには噛み跡。

いつになく激しい行為に思わず逃げようとシーツを掴んだ。そんな私の腰を掴みさらに責め立てる彼。

そして1番奥深く、殴りつけるかの如く剛直を押し付けびくびくと脈打ち熱い液が注ぎ込まれる。同時に何度目か分からない絶頂を迎えた私。指すらも動かせない状態で未だにドクドクと吐き出される精液を感じながらなんとか催眠をかけた。

倒れ込む男。ずるりと抜けたソコはぽっかりと穴が空いているような感覚がした。とろりとどちらかの液が溢れる。私は最後の力を振り絞り転移魔法をかけた。見慣れた自室に安心した。

男の部屋はそのままにしてきてしまったことを後悔する間もなく深い眠りへと落ちていった。
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