悪女で悪魔

黒澤尚輝

文字の大きさ
67 / 69

56

しおりを挟む
団長の息子の家からなんとか自宅へ戻った私は翌日学校を休んだ。両親は2人とも泊まり込みの仕事をしていたため心配させないと踏んだのだ。

そして翌日。いつものように登校しなんの生産性もない授業を聞き流しながら次の計画を立てていた。聖女の末裔への憎悪は日に日に増していくばかり。

あの女の周囲を壊す。

ただその目的のためだけに生きている自分の異常性に私は気が付かなかった。

自由時間。ふと思い立ち学園にある図書室へと足を伸ばした。かなりの蔵書数を誇る図書室は天窓からの日をうけ明るかった。
生徒であれば誰でも使用できるここは課題をこなす人々がちらほらいる程度。Aクラス以外は授業中であったため人が少ない。
ここに来たのは時間を潰すためではなくとある噂に賭けたのだった。

図書室奥。日の光の届かない古文書ばかりのそこは当時の文字がそのまま書かれているものしかなく、現代語に翻訳されているものばかりであり普通の人は滅多に読む機会がないものたちが陳列されている。
そんな奥へ迷うことなく歩みを進めると1人の男が一つの本を手に佇んでいた。白い髪がさらりと揺れる。本に落ちていた目線があがり黒い瞳と視線がぶつかる。

「あれ?珍しいねこんなところに来るなんて」
「こんにちは」

所長の息子がそこにはいた。女子生徒たちが話しているのを聞いたことがあった。ここに来るとたまにの確率で彼に会えると騒いでいたことを思い出し出向いてみた。まさか偶然会えるとは思ってもみなかった。

前回私のことを知っているかのように話していたこの人は自宅にかなりの古の書物を保管しているらしく魔物に関する記録も知っている様子だった。かなり危険な相手とは分かっているがこっちには催眠がある。それにこいつはあの女の取り巻き。手を出さないわけにはいかなかった。

「ユナイデルどうしたの?調べ物?」
「いいえ。先輩に用事があります」
「ふーん。なぁに?」

フェロモンを出す。ボールを意識しより濃いフェロモンの球をぶつけるイメージをした。
素早く男に近づきその手から本を奪い取る。棚に戻しながら男の手を取る。

「あっち、行きましょう?」

このまますぐ近くの空き教室は連れて行こうと手を引いた。はずだった。
力強く引き戻された私は本棚と男の間にいた。手は顔の横で棚に押し付けられ足の間に男の太ももがある。

「ぇ、」
「ふふふ。君は面白いね。一体何がしたいの?男漁り?でも君のターゲットってみんなそんな簡単にヤレる奴らじゃないよね?どうやって落としたの?」
「は、はな」
「僕もターゲットってことだよね?共通点といえば成績優秀とか?やっぱりなんかやって成績あげたのかな?」
「ちがっ」
「焦ってる。可愛いね」

後悔しても遅い。やはりこの男は危険だった。自分を過信しすぎていた。今はとにかくこの場から逃げないと。

「あっ逃げちゃダメだよ。最近僕ご無沙汰なんだよね。せっかくだし付き合ってよ」
「え?」

その刹那。顔の横にあった手が頭上でまとめられ容赦のない口付けが降り注ぐ。貪るようなそれは私の息をも飲み込み喰らい付いてくる。消えそうな人と言われている目の前の男。そんな男とは思えない荒々しい口付けに自然と熱があがる。
男の手はそのまま下へ下へと下がりスカートの裾から中へ迷いなく入り込んだ。焦らす間もなく指がパンツの中に入り泥濘に容赦なく入り込む。
口が離れその間に銀糸が繋がる。ナカの指は小さく細かく動いている。気持ちいい、しかし足りない。ちゅくちゅくと音を立てるソコはもっと大きい快楽を求めていた。

「はっぁっんっ」
「ははは。物足りない?どうされたい?」
「っっ」
「ふーん。我慢ね。いつまでできるかな」

つぷり、男の指が増えた。統一の動きをしていた指はバラバラに動き始める。溢れ出る愛液が太ももを汚していき水音も徐々に大きくなっていった。

「あっんっふぅっぅん」

徐々に登り詰めもう少し、というところで男の指がぴたっと止まった。

「ぇ?」
「僕はねどうされたいかしっかり伝えてくれないとよく分からないからさぁ」

滑稽なものを見ているように笑う男。また指の動きが始まりイきそうになると止まる。また動き止まる。

何分経ったのか。何時間も経っているように感じてしまうほど頭がおかしい。イきそうなのに動きが止まる。あと少し、もう少しなのにその少しを動かさない。
いつのまにか拘束は解かれ男のシャツに縋りなんとか立っている。
男の反対の手は私の頭を撫でたり耳をくすぐったり背中を撫でたりなど忙しなく動く。しかし肝心の反対の手はどうだ。全く動く様子もなく蠢くナカと快楽を求め動く腰が必死に小さな快感をかき集めている。しかしどうにもこうにも強烈なまでの快楽には足りず男を見上げる。

「どうしたの?」
「ぁ、っっイ、きたいの⋯⋯」

多少冷静な部分の残る頭ではこんなことを口にするのに警報を鳴らしている。羞恥で顔が熱い。なんとか絞り出したお願いに男をそっと見つめた。
ふわり。天使のようにな笑みを浮かべた男は私の頭を優しく撫でている。

「そんな中途半端な説明でいいわけないよね?」

その口からは悪魔のような言葉が出てきた。
さっきのでかなり恥ずかしかったのにそれ以上どうすればいいのだろう。じっと私を見つめる男。

「な、なかが切ないの⋯⋯う、動いてほしい」
「何でどう動いて欲しいの?」
「ゆ、指で⋯⋯」
「へぇ。指でいいんだ?」
「ぁ、っ」
「本当に?」

真綿で首を絞めるように。徐々に責められ窮地へ追い込まれていく。朝の間はびしゃびしゃで。大きなものを求めている。しかしそれを口にするのにかなりの抵抗がある。

「じゃあ、やめちゃう?」
「ぃやっ」
「なら言わないと。ね?」

優しい口調で責め立てられ頭は混乱していた。

「ぉ、」
「うん」
「お、ちんっちんでっっナ、ナカをっい、いっぱいにして⋯⋯ほしいっ」
「ははは。いいね」

卑猥すぎる言葉を言わせた男は満足そうに笑い私の片足を持ち上げた。そしてぐちゃぐちゃのソコヘ剛直を突き立てた。
焦らされ続け溜まり続けた小さい快感がそれと同時に爆発するかのように一気に襲いかかってきた。

「っぁっっぅっ」

息ができない。快楽から戻らない。ぷしゃぷしゃとソコから液体が飛び出し床を濡らす。意識が飛びそうなほど大きすぎる快感に足は子鹿のように震えた。

「飛ぶには早いよっと」

途端男は床についていた方の足までも持ち上げた。繋がったまま抱き上げられ新たなナカの抉りかたに強制的に意識が戻った。自重で剛直が深く刺さる。お腹の奥がぐりぐりと潰され電撃が身体中を駆け回る。

「あ゙ぁぇっっ」
「こらこら。図書室では静かにだよ?誰か来ちゃうよ」

男の首に必死に捕まりながら自分の手を噛み声を出さないよう耐える。男は静かにとか言うくせに動きはどんどん激しくなっていく。腹を突き破ってしまいそうなほど剛直が出入りする。

「ふっっんっぁっっ」
「っつぁー君見られるの趣味なのかな?誰ら来るって言った時突然締め付けるんだもん。ずるいよ」

声を我慢したとしてもばちゅばちゅと鳴る乾いた音と湿った音が聞こえるのではないか。誰かに見られてしまうのではないか。

「ぅわっまた締めて。エロいこと考えたのかな」
「んぅっっぅっ」

抉るような動きに子宮が潰れてしまうのでは、と恐怖と同時に強すぎる快感が身体中を駆け巡る。両足が宙に浮き不安定な格好にあるため必死に男の首に縋りついた。

「ねぇ、気持ちいい?」
「っっっぁっ」
「言って」
「き、もちっっ」
「ふふふ。そっか。じゃあ僕も気持ちよくならせてね」

男の動きが早まった。静かな図書室に押し殺した喘ぎ声と情事の音が響く。他の生徒がいるところまでは遠く聞こえないはず、とは思っていてもバレてしまうのではという不安が襲う。しかし不安に反して気持ちはなぜか昂っておりいつも以上に興奮している自分がいた。

「っくっっ」
「ふぁっっっ」

男が強く抱きしめ1番奥に吐き出した。ドクドクと脈打つモノをナカで感じとり、甘美な感覚に酔いしれる。お腹の奥が暖かくなり魔力の増加を感じる。無意識に男に足を絡め最後の一滴まで搾り取ろうと強く抱きつく。そんな私に気がついたのか男が私の頭へ優しくキスを落とした。

「僕は優しいからね。しばらくは騙されていてあげる。でも限度があるからね」

突然の眠気に襲われ意識が薄れていく。男が何か言っているが内容はよく聞き取れなかった。そして私の意識は真っ黒に塗り潰されたかのように途切れた。

────────

次に目覚めた時には保健室にいた。

「私、、何してたの?」

図書室で男と行為に及び、、そしてどうしたのだったか。

「催眠、、かけてここに来たんだっけ」

直後の記憶は曖昧だったがきっと催眠をかけ無事にここに辿り着いたのだろう。しかし記憶が混濁するとは珍しい。

「疲れて、いたのかしら」

最近連日行為をし、催眠をかけ魔法を使った。そりゃあ疲れるはずだった。曖昧な記憶に不安が募るが自分を信じるしかない。

とろりとナカから溢れる精液の感覚にまた少し気持ちが高鳴る。

「次は、、誰にしようかな」

どろりと濁る瞳。快感を思い出し溢れる唾液。疲れていることなど思考の外に放り出し次の獲物に向かって保健室を後にした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた

いに。
恋愛
"佐久良 麗" これが私の名前。 名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。 両親は他界 好きなものも特にない 将来の夢なんてない 好きな人なんてもっといない 本当になにも持っていない。 0(れい)な人間。 これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。 そんな人生だったはずだ。 「ここ、、どこ?」 瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。 _______________.... 「レイ、何をしている早くいくぞ」 「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」 「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」 「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」 えっと……? なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう? ※ただ主人公が愛でられる物語です ※シリアスたまにあり ※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です ※ど素人作品です、温かい目で見てください どうぞよろしくお願いします。

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

花嫁召喚 〜異世界で始まる一妻多夫の婚活記〜

文月・F・アキオ
恋愛
婚活に行き詰まっていた桜井美琴(23)は、ある日突然異世界へ召喚される。そこは女性が複数の夫を迎える“一妻多夫制”の国。 花嫁として召喚された美琴は、生きるために結婚しなければならなかった。 堅実な兵士、まとめ上手な書記官、温和な医師、おしゃべりな商人、寡黙な狩人、心優しい吟遊詩人、几帳面な官僚――多彩な男性たちとの出会いが、美琴の未来を大きく動かしていく。 帰れない現実と新たな絆の狭間で、彼女が選ぶ道とは? 異世界婚活ファンタジー、開幕。

処理中です...