21 / 72
踊り子 ベリンダ
21
しおりを挟む
ベッシュは私の質問に驚いて目を丸くした。手伝っていたシュナイダー卿も質問の意図を分かりかね、首を傾げる。
「そういった記録は特にありませんね」
非常識が、この場合は常識らしかった。私は恥ずかしくなって手で顔を仰ぐ。そう、彼らが聖女に手を出すはずがないのだった。
逃げるように夕食の準備をしているクライン卿に近寄った。昼などはパンと果物だけだったが、夜はちゃんと料理をするようだ。
精霊騎士であるクライン卿が精霊を呼び出すと、小さなトカゲに似た火の精霊が、何匹も大鍋を囲んで火を吹き始めた。その様子がとてもかわいらしい。
このために精霊騎士が同行しているのかも、と私は勝手に納得した。クライン卿は包丁で不揃いに野菜を切り始める。
「それ、切るのを手伝いますか?」
「えっ?」
料理に覚えがある私はつい口を挟んでしまう。クライン卿が赤い瞳を零れ落ちそうに大きく見開き、包丁を握ったまま振り向いた。
「食べる専門のアルミナ様が料理を手伝いたいだなんて……!!」
「せ、せっかくの女神様の試練中ですから、色々と挑戦しようかなって」
アルミナは努力家らしいのに、料理を作ることには無関心だったようだ。私はそれらしく言い訳を述べてみる。
「包丁は危ないのでいいです。アルミナ様は食事に祝福をかけて下さるだけでいいんです」
「大丈夫、怪我してもすぐに治せるし」
「ほら、やっぱりそういう発想じゃないですか!俺はアルミナ様の指の欠片が入ったスープなんて食べたくないからダメです!」
頑なに断られ、私はぼんやりと地面の雑草を眺めるしかなくなった。アルミナが指の欠片をスープに混入させそうと思われてるのがいけない。
「……子ども扱い、されてる気がする」
代々の聖女がこうなのか、アルミナが特にそうなのか、私の中の神聖な聖女像は崩れ始めた。
食事を済ませると、天幕の裏側に、布で仕切ったスペースを作り簡易シャワーを浴びた。
あまり落ち着かないけれど、クライン卿の召喚した水の精霊と火の精霊が見守ってくれるのは存外によかった。水の精霊は、小さな人魚のような外見でこれもかわいらしい。
彼らが力を合わせて温かいお湯を提供してくれると、心まで温まるようだった。
そうして天幕の中、彼らと枕を並べて横になる。1人ずつ交代で外の不寝番をするが、聖女はもちろんずっと寝てていい。私は守られる安心感に浸り、うとうとと眠気を感じ始めた。
もしも父や、兄が私にいたならこんな感じだっただろう。まともな家族を知らない私は拙い想像しかできないけれど。
「……ん」
ぐっすりと寝入っていた夜中、男性の悲鳴のような野太い声で意識を浮上させる。
暗がりの中で目を凝らすが、天幕の中は私ひとりだった。穏やかな寝息は聞こえず、外から争う物音がするばかりだ。
――野盗が襲ってきたんだ。
アルミナから話は聞いていたものの、街から離れて魔物が出る野山にわざわざ住み、人々を襲って金品を奪う野蛮な人たちが実在するとは思わなかった。恐ろしくて、ざわりと鳥肌が立つ。
酒場周辺のテウネン通りだって、強盗や暴行は珍しくなかった。でも、危険な魔物が出るようなところに住む人間となると、何だか理解が及ばない。
相当に腕が立たなければ生きていけないし、それだけ強いのなら別の職が絶対にある。なぜ、人を襲って生きる道を選んだのだろう。
しかもこの騒がしい音からして、集団と思われた。
そっと天幕の出入り口にある留め具を外し、外の様子を覗こうとした。
「いけません、アルミナ様は中にいて下さい!」
天幕の入口付近にいたベッシュが、厳しく私の行為を咎める。光の精霊に照らされた辺り一帯に、血のような黒い液体が散っていた。
「は、はい!」
怖くなってすぐに首を引っ込めた。心臓がドクドクと脈打ち、呼吸が浅く速くなる。今見たものについて深く考えるのはやめよう。そう自分に言い聞かせ、寝袋に潜り込んで震えていた。
やがて戻ってきたシュナイダー卿とクライン卿は、ため息を吐きながら外套や靴を脱ぎ捨てた。ベッシュは外で見張りを続けているのだろう。
もう血の匂いはしなかったが、彼らが運んできた冷たい外の空気が私の首筋を冷やした。
「……殺したの?」
どちらに向けての質問だっただろう。私は寝袋に入ったまま、ぽつりと呟いてしまった。静かな天幕の中、十分すぎるほどに声は響いた。
「起きていたのですね。死刑を執行したのです」
答えたのはシュナイダー卿の冷徹な声だった。
「お忘れでしたか。我々は教皇から死刑執行人の指定を受けています。襲撃を行った彼らは再三の忠告にも関わらず攻撃の意思を見せたため、やむを得ず断罪しました」
「そんな……警備隊に引き渡すとかはできないの?」
「引き渡しても死刑になるでしょう。しかし、迎えが来るまでこのような場所で縛って放置すると魔物の餌になってしまいますから」
この場でひと思いに処刑したほうがまだ優しい、と言いたげだった。冷静に考えるとその通りだ。もし魔物よけの処置をするにしても、吹きさらしの場に何日も放置するのはむしろ残酷な気がした。
「ああいった乱暴な輩を掃討することも、聖女の旅の役割のひとつです。心に留め置いて下さい」
「……はい」
わざわざ見晴らしのよい丘の上に天幕を設営したのは、野党を誘き寄せるためだったのかと今になって気がついた。風景を眺めるためではなかったらしい。
「アルミナ様が気に病むことはありません」
「そうそう、仕方ないんですよ。俺らの役目ですし、あいつらも遅かれ早かれ裁かれるようなことしてたんですから」
彼らは口々に私を気遣い、慰めようとしてくれた。たった今、他人の命を奪ったとは思えない不条理な優しさだった。急に彼らが怖くなり、疑問が口をついて出る。
「……もしも私が罪を犯していたら、私も処刑するんですか?」
「はっ?アルミナ様を?!」
私は真剣だったのに、クライン卿が噴き出した。
シュナイダー卿まで口元を押さえて笑っている。
「もしかして、俺たちが戦っている間にお菓子の盗み食いでもしたんですか?」
「違います!そんなのじゃなくて……!!」
「私の分は大丈夫そうですね」
シュナイダー卿は荷物をひとまとめに置いてある場所をちらっと確認した。
盗み食いなんてしていない。私の罪は、聖女アルミナを騙って偽装していることだ。
「ふふ、記憶喪失だから覚えてない悪事があるかもと不安なのですね。まあアルミナ様なら大したことはしていませんよ、大丈夫です」
まだ笑っているシュナイダー卿は、私を本当に聖女と信じきっているから甘いのだろう。だけどもし今、入れ替わりが発覚したらどうなってしまうのか想像すると身が竦んだ。絶対にバレないようにしなくちゃいけない。
「そういった記録は特にありませんね」
非常識が、この場合は常識らしかった。私は恥ずかしくなって手で顔を仰ぐ。そう、彼らが聖女に手を出すはずがないのだった。
逃げるように夕食の準備をしているクライン卿に近寄った。昼などはパンと果物だけだったが、夜はちゃんと料理をするようだ。
精霊騎士であるクライン卿が精霊を呼び出すと、小さなトカゲに似た火の精霊が、何匹も大鍋を囲んで火を吹き始めた。その様子がとてもかわいらしい。
このために精霊騎士が同行しているのかも、と私は勝手に納得した。クライン卿は包丁で不揃いに野菜を切り始める。
「それ、切るのを手伝いますか?」
「えっ?」
料理に覚えがある私はつい口を挟んでしまう。クライン卿が赤い瞳を零れ落ちそうに大きく見開き、包丁を握ったまま振り向いた。
「食べる専門のアルミナ様が料理を手伝いたいだなんて……!!」
「せ、せっかくの女神様の試練中ですから、色々と挑戦しようかなって」
アルミナは努力家らしいのに、料理を作ることには無関心だったようだ。私はそれらしく言い訳を述べてみる。
「包丁は危ないのでいいです。アルミナ様は食事に祝福をかけて下さるだけでいいんです」
「大丈夫、怪我してもすぐに治せるし」
「ほら、やっぱりそういう発想じゃないですか!俺はアルミナ様の指の欠片が入ったスープなんて食べたくないからダメです!」
頑なに断られ、私はぼんやりと地面の雑草を眺めるしかなくなった。アルミナが指の欠片をスープに混入させそうと思われてるのがいけない。
「……子ども扱い、されてる気がする」
代々の聖女がこうなのか、アルミナが特にそうなのか、私の中の神聖な聖女像は崩れ始めた。
食事を済ませると、天幕の裏側に、布で仕切ったスペースを作り簡易シャワーを浴びた。
あまり落ち着かないけれど、クライン卿の召喚した水の精霊と火の精霊が見守ってくれるのは存外によかった。水の精霊は、小さな人魚のような外見でこれもかわいらしい。
彼らが力を合わせて温かいお湯を提供してくれると、心まで温まるようだった。
そうして天幕の中、彼らと枕を並べて横になる。1人ずつ交代で外の不寝番をするが、聖女はもちろんずっと寝てていい。私は守られる安心感に浸り、うとうとと眠気を感じ始めた。
もしも父や、兄が私にいたならこんな感じだっただろう。まともな家族を知らない私は拙い想像しかできないけれど。
「……ん」
ぐっすりと寝入っていた夜中、男性の悲鳴のような野太い声で意識を浮上させる。
暗がりの中で目を凝らすが、天幕の中は私ひとりだった。穏やかな寝息は聞こえず、外から争う物音がするばかりだ。
――野盗が襲ってきたんだ。
アルミナから話は聞いていたものの、街から離れて魔物が出る野山にわざわざ住み、人々を襲って金品を奪う野蛮な人たちが実在するとは思わなかった。恐ろしくて、ざわりと鳥肌が立つ。
酒場周辺のテウネン通りだって、強盗や暴行は珍しくなかった。でも、危険な魔物が出るようなところに住む人間となると、何だか理解が及ばない。
相当に腕が立たなければ生きていけないし、それだけ強いのなら別の職が絶対にある。なぜ、人を襲って生きる道を選んだのだろう。
しかもこの騒がしい音からして、集団と思われた。
そっと天幕の出入り口にある留め具を外し、外の様子を覗こうとした。
「いけません、アルミナ様は中にいて下さい!」
天幕の入口付近にいたベッシュが、厳しく私の行為を咎める。光の精霊に照らされた辺り一帯に、血のような黒い液体が散っていた。
「は、はい!」
怖くなってすぐに首を引っ込めた。心臓がドクドクと脈打ち、呼吸が浅く速くなる。今見たものについて深く考えるのはやめよう。そう自分に言い聞かせ、寝袋に潜り込んで震えていた。
やがて戻ってきたシュナイダー卿とクライン卿は、ため息を吐きながら外套や靴を脱ぎ捨てた。ベッシュは外で見張りを続けているのだろう。
もう血の匂いはしなかったが、彼らが運んできた冷たい外の空気が私の首筋を冷やした。
「……殺したの?」
どちらに向けての質問だっただろう。私は寝袋に入ったまま、ぽつりと呟いてしまった。静かな天幕の中、十分すぎるほどに声は響いた。
「起きていたのですね。死刑を執行したのです」
答えたのはシュナイダー卿の冷徹な声だった。
「お忘れでしたか。我々は教皇から死刑執行人の指定を受けています。襲撃を行った彼らは再三の忠告にも関わらず攻撃の意思を見せたため、やむを得ず断罪しました」
「そんな……警備隊に引き渡すとかはできないの?」
「引き渡しても死刑になるでしょう。しかし、迎えが来るまでこのような場所で縛って放置すると魔物の餌になってしまいますから」
この場でひと思いに処刑したほうがまだ優しい、と言いたげだった。冷静に考えるとその通りだ。もし魔物よけの処置をするにしても、吹きさらしの場に何日も放置するのはむしろ残酷な気がした。
「ああいった乱暴な輩を掃討することも、聖女の旅の役割のひとつです。心に留め置いて下さい」
「……はい」
わざわざ見晴らしのよい丘の上に天幕を設営したのは、野党を誘き寄せるためだったのかと今になって気がついた。風景を眺めるためではなかったらしい。
「アルミナ様が気に病むことはありません」
「そうそう、仕方ないんですよ。俺らの役目ですし、あいつらも遅かれ早かれ裁かれるようなことしてたんですから」
彼らは口々に私を気遣い、慰めようとしてくれた。たった今、他人の命を奪ったとは思えない不条理な優しさだった。急に彼らが怖くなり、疑問が口をついて出る。
「……もしも私が罪を犯していたら、私も処刑するんですか?」
「はっ?アルミナ様を?!」
私は真剣だったのに、クライン卿が噴き出した。
シュナイダー卿まで口元を押さえて笑っている。
「もしかして、俺たちが戦っている間にお菓子の盗み食いでもしたんですか?」
「違います!そんなのじゃなくて……!!」
「私の分は大丈夫そうですね」
シュナイダー卿は荷物をひとまとめに置いてある場所をちらっと確認した。
盗み食いなんてしていない。私の罪は、聖女アルミナを騙って偽装していることだ。
「ふふ、記憶喪失だから覚えてない悪事があるかもと不安なのですね。まあアルミナ様なら大したことはしていませんよ、大丈夫です」
まだ笑っているシュナイダー卿は、私を本当に聖女と信じきっているから甘いのだろう。だけどもし今、入れ替わりが発覚したらどうなってしまうのか想像すると身が竦んだ。絶対にバレないようにしなくちゃいけない。
1
あなたにおすすめの小説
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
永遠の十七歳なんて、呪いに決まってる
鷹 綾
恋愛
永遠の十七歳――
それは祝福ではなく、三百年続く“呪い”だった。
公には「名門イソファガス家の孫娘」として知られる少女キクコ。
だがその正体は、歴史の裏側で幾度も国を救ってきた不老の元聖女であり、
王家すら真実を知らぬ“生きた時代遺産”。
政治も権力も、面倒ごとは大嫌い。
紅茶と読書に囲まれた静かな余生(?)を望んでいたキクコだったが――
魔王討伐後、王位継承問題に巻き込まれたことをきっかけに、
まさかの王位継承権十七位という事実が発覚する。
「……私が女王? 冗談じゃないわ」
回避策として動いたはずが、
誕生した新国王アルフェリットから、なぜか突然の求婚。
しかも彼は、
幼少期に命を救われた“恩人”がキクコであることを覚えていた――
年を取らぬ姿のままで。
永遠に老いない少女と、
彼女の真実を問わず選んだ自分ファーストな若き王。
王妃になどなる気はない。
けれど、逃げ続けることももうできない。
これは、
歴史の影に生きてきた少女が、
はじめて「誰かの隣」を選ぶかもしれない物語。
ざまぁも陰謀も押し付けない。
それでも――
この国で一番、誰よりも“強い”のは彼女だった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる