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踊り子 ベリンダ
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天井からの光は巨大な女神像に集まるように設計されている。ラート街と同じく手を上に掲げ、笑っているようにも怒っているようにも取れる曖昧な表情だ。
私はその足元に跪いて祈りを捧げた。やり方はアルミナに聞いてあるが、難しいことは何もない。人々が平和に暮らせるように願うだけ。そしてこの気持ちだけは、嘘偽りがない。
特別な石で作られ、歴代の聖女が繰り返し祈りを捧げたことで神器となった女神像は神聖力を大幅に吸い取っていく。1年間、魔物から村を守り続けるほどの祈りを捧げるのだから、普段行使する神聖力の比ではなかった。想像した以上の負担だ。
こめかみを汗が伝い、心臓が壊れそうに激しく収縮した。やはり、私では能力が足りないのかもしれない。でもそうと悟られたくない――
「今日はこのくらいにしましょうか」
付き添っていたシュナイダー卿が、私の背中に軽く触れた。それを合図にフッと集中が途切れ、目眩を感じた。
「でも……まだ半分も満たしていません」
「祈りが1日で終わらないことは、今までもありましたよ」
嘘のような気がしたが、私は無理をしないことにした。シュナイダー卿の差し出した手に掴まり、立ち上がる。
見上げた女神像は、先ほどより微かに笑ってくれている気がした。
また村長の邸宅に戻り、私はベッドに横になった。とにかく休もうとしつつ、眠れないので漫然としているとノックの音がした。
「アルミナ様、少しいいですか」
声はシュナイダー卿のもので、何の用だろうと返事をする。ベッドから起き、注意されないよう軽く身なりを整えて迎えると、彼は手に小さな籠を持ち、甘い匂いを漂わせて入ってきた。
「どうしたんですか?」
「自由時間なのにアルミナ様がどこにも出かけないので心配になって……」
そういえば、アルミナは街や村にいる間、お菓子を求めてうろついていると言っていた。世話焼きのシュナイダー卿には苦笑するしかない。
「それでわざわざシュナイダー卿がお菓子を持ってきてくれたんですか?ありがとうございます」
「この村にも一応お菓子を販売する店があるようですよ、適当に買ってきました」
籠を室内にある低いテーブルに置くので、私は喜ぶ演技をして開けてみる。中には、小さな焼き菓子がぎっしり詰められていた。
「わあ、すごい量ですね。嬉しいです」
「……悩みでもあるのですか?」
がんばって嬉しい振りをしたのに、シュナイダー卿は鋭い眼力で何かを見抜いた。
「な、ないですよ」
「嘘ですね。私では力になれませんか?」
彼の薄青の眼差しが、更に私を射すくめる。吊り目がちで、冷たく見えるはずの雰囲気が今は違った。
「アルミナ様が元気でいて下さらないと、心配になります。体調不良であるはずがないので、間違いなく心の問題ではないですか」
「まあそうですね……」
そういえば、アルミナの身体でいる限り、体調が悪いという言い訳も使えないのだった。
「そしたら、シュナイダー卿が何かお話してください」
「私が?」
「授業でも、シュナイダー卿の個人的な思い出でもいいです。気分転換になるようなことを話してくれたら、良くなるかもしれません」
「またそんな無理難題を」
困ったように少しだけ整った眉を下げるが、シュナイダー卿は口元に品の良い笑みを湛えた。彼はわかるようでわからない、興味深い人だ。
「では、授業をしましょうか」
「お願いします」
私はお菓子を食べながら、シュナイダー卿の語る女神様の話に聞き入った。専門的な神学は今まで習ったことがなく、新しい扉を開けるような気持ちになれた。
翌日は女神像のへの祈りを無事に終了させ、私たちはヴァイリード村を後にした。次に目指すは、遥かな山脈を登った先にあるクレイシュ村だ。
クレイシュ村への道のりは、険しいなんてものではなかった。
石ころだらけの急斜面や、一歩間違えば谷底の崖など、とても神経を使う道だ。足の疲労は神聖力で回復できても、頭が疲れて仕方がなかった。
そして遭遇する魔物は巨大で、動く岩石か移動する森といった感じだ。辺り一帯の空気を震わせる低い唸り声だけで緊張はする。
「本当にこの先に村があるんですよね?」
「ありますよ、ほとんど自給自足なのでヴァイリード村より人口は多いです」
私の質問に、シュナイダー卿がすかさず答えてくれる。息が切れるので流石に歩きながら授業はできなくなったが、涼しげな雰囲気は崩れていなかった。
「貴重な魔石を採掘するため、我が国にとってなくてはならない村です。そしてご覧の通り、魔物は桁違いに強いですからね。女神像の守りがなくては、村は壊滅してしまうでしょう」
彼が指し示す先に、苔の生えた巨石群があった。その中のどれかが魔物かと思いきや、よく見ると微かに息をしている。全部、魔物だった。
「俺の精霊術も岩石系には効果が薄くて……あんなのとは絶対戦いたくないですよ、アルミナ様の加護は本当最高です」
「褒めても何も出ませんよ」
「いやあ、うっかり転げ落ちて、アルミナ様とはぐれたら大変って話です。手を繋いで欲しいくらいですよ」
クライン卿は不吉な冗談を言って、自分で笑った。彼は姉と2人の兄を持つ末っ子だからか、何となく甘えたがるところがある。
「では私はクライン卿と手を繋ぎたいですね」
この中で一番年上のベッシュが変なことを言い、クライン卿が嫌がるので私たちはクスクスと笑った。道のりはつらくても、仲間がいるのはとてもいいことだ。
野盗に襲われることもなく、順調な旅路だった。驚いたのは、山を登っているためものすごい早さで季節が進んでいくことだ。秋から冬へ、そして厳冬の風景へと移行する。空気が刃物のように冴え渡り、地面は白い雪に覆われた。
雪山用の外套と靴、手袋などの装備がベッシュのバッグパックから取り出され、私たちは白い息を吐きながらひた進む。
くるぶしまで積もった雪を踏みしめながら歩いているのに、空からは更に雪が降り続いた。
「この時期にここまで雪が降るなんて珍しいことですが……来年は日程を変えたほうがよさそうですね」
「そうですね」
ほとんど吹雪と言っても差し支えない風と雪になった頃、シュナイダー卿が私に囁いた。でもシュナイダー卿たち護衛は1年で入れ替わるらしいし、私もそうだ。来年はアルミナががんばるのだろう。
「来年のことはともかく、もうダメだ!視界が悪すぎる!雪が止むまで休憩しましょう?!」
クライン卿が叫び、火の精霊を召喚する。その肩をシュナイダー卿が押した。
「待ってください、こんな雪山で不用意に火を使うのは危険です」
「でも火を起こさないと寒いじゃないですか!」
「マウントを作りましょう。ベッシュ、シャベルを出してください」
「は、はい」
シュナイダー卿とクライン卿がちょっと言い争いになりかけたけれど、それは杞憂だった。クライン卿は不満を露わにしつつ、ベッシュが出したシャベルを握る。
すぐ近くに薄っすらと見えた木に移動して、その根元を掘り始めた。木の周囲は雪が積もりにくいため掘るのは容易であるし、下が地面であるのは確実だからだろう。
聞くでもなく、寒さで足踏みしながら私は理由を考えた。四角く切り取るようにしてすくった雪を積み上げ、マウントの形が見えてきたとき――
「うわっ」
誰のものか、驚愕に慄く悲鳴。そして暴れながら雪の下から飛び出てきたのは、巨大なドラゴンだった。長い首、強靭そうな顎、そして鋭い鉤爪に体が凍りついたように固まってしまう。
「アルミナ様!」
シュナイダー卿が私を突き飛ばし、そのすぐ近くをドラゴンが吐いた強烈な火炎が通り過ぎた。
聖女の守りは発動してるはずだけど、雪の下で眠っていたドラゴンをシャベルで起こしてしまったらしい。熱風で頬がチリチリした。
「アルミナ様?!」
今度はクライン卿が叫んだ。何だろう、と思ったときには背筋がぞわりとした。地面が、崩れ落ちている。
視界が急速に流れ、舞い上がった雪に白く染まる。雪山を登りながら、話には聞いていた雪庇だ。地面と思ったところは雪でできた出っ張りに過ぎなかった。落ちながら何かに掴まろうと伸ばした私の手が、ぐんっと強く引っ張られる。
離れてはいけない気がして、必死に手に力を込めた。ひとりは嫌だ。目の前を埋め尽くす雪に押し流され、息もままならない中、私は必死にもがいた。口の中に雪が入ってきて、吐き出したり、飲み込んだりしながらどうにか呼吸を続けた。
私はその足元に跪いて祈りを捧げた。やり方はアルミナに聞いてあるが、難しいことは何もない。人々が平和に暮らせるように願うだけ。そしてこの気持ちだけは、嘘偽りがない。
特別な石で作られ、歴代の聖女が繰り返し祈りを捧げたことで神器となった女神像は神聖力を大幅に吸い取っていく。1年間、魔物から村を守り続けるほどの祈りを捧げるのだから、普段行使する神聖力の比ではなかった。想像した以上の負担だ。
こめかみを汗が伝い、心臓が壊れそうに激しく収縮した。やはり、私では能力が足りないのかもしれない。でもそうと悟られたくない――
「今日はこのくらいにしましょうか」
付き添っていたシュナイダー卿が、私の背中に軽く触れた。それを合図にフッと集中が途切れ、目眩を感じた。
「でも……まだ半分も満たしていません」
「祈りが1日で終わらないことは、今までもありましたよ」
嘘のような気がしたが、私は無理をしないことにした。シュナイダー卿の差し出した手に掴まり、立ち上がる。
見上げた女神像は、先ほどより微かに笑ってくれている気がした。
また村長の邸宅に戻り、私はベッドに横になった。とにかく休もうとしつつ、眠れないので漫然としているとノックの音がした。
「アルミナ様、少しいいですか」
声はシュナイダー卿のもので、何の用だろうと返事をする。ベッドから起き、注意されないよう軽く身なりを整えて迎えると、彼は手に小さな籠を持ち、甘い匂いを漂わせて入ってきた。
「どうしたんですか?」
「自由時間なのにアルミナ様がどこにも出かけないので心配になって……」
そういえば、アルミナは街や村にいる間、お菓子を求めてうろついていると言っていた。世話焼きのシュナイダー卿には苦笑するしかない。
「それでわざわざシュナイダー卿がお菓子を持ってきてくれたんですか?ありがとうございます」
「この村にも一応お菓子を販売する店があるようですよ、適当に買ってきました」
籠を室内にある低いテーブルに置くので、私は喜ぶ演技をして開けてみる。中には、小さな焼き菓子がぎっしり詰められていた。
「わあ、すごい量ですね。嬉しいです」
「……悩みでもあるのですか?」
がんばって嬉しい振りをしたのに、シュナイダー卿は鋭い眼力で何かを見抜いた。
「な、ないですよ」
「嘘ですね。私では力になれませんか?」
彼の薄青の眼差しが、更に私を射すくめる。吊り目がちで、冷たく見えるはずの雰囲気が今は違った。
「アルミナ様が元気でいて下さらないと、心配になります。体調不良であるはずがないので、間違いなく心の問題ではないですか」
「まあそうですね……」
そういえば、アルミナの身体でいる限り、体調が悪いという言い訳も使えないのだった。
「そしたら、シュナイダー卿が何かお話してください」
「私が?」
「授業でも、シュナイダー卿の個人的な思い出でもいいです。気分転換になるようなことを話してくれたら、良くなるかもしれません」
「またそんな無理難題を」
困ったように少しだけ整った眉を下げるが、シュナイダー卿は口元に品の良い笑みを湛えた。彼はわかるようでわからない、興味深い人だ。
「では、授業をしましょうか」
「お願いします」
私はお菓子を食べながら、シュナイダー卿の語る女神様の話に聞き入った。専門的な神学は今まで習ったことがなく、新しい扉を開けるような気持ちになれた。
翌日は女神像のへの祈りを無事に終了させ、私たちはヴァイリード村を後にした。次に目指すは、遥かな山脈を登った先にあるクレイシュ村だ。
クレイシュ村への道のりは、険しいなんてものではなかった。
石ころだらけの急斜面や、一歩間違えば谷底の崖など、とても神経を使う道だ。足の疲労は神聖力で回復できても、頭が疲れて仕方がなかった。
そして遭遇する魔物は巨大で、動く岩石か移動する森といった感じだ。辺り一帯の空気を震わせる低い唸り声だけで緊張はする。
「本当にこの先に村があるんですよね?」
「ありますよ、ほとんど自給自足なのでヴァイリード村より人口は多いです」
私の質問に、シュナイダー卿がすかさず答えてくれる。息が切れるので流石に歩きながら授業はできなくなったが、涼しげな雰囲気は崩れていなかった。
「貴重な魔石を採掘するため、我が国にとってなくてはならない村です。そしてご覧の通り、魔物は桁違いに強いですからね。女神像の守りがなくては、村は壊滅してしまうでしょう」
彼が指し示す先に、苔の生えた巨石群があった。その中のどれかが魔物かと思いきや、よく見ると微かに息をしている。全部、魔物だった。
「俺の精霊術も岩石系には効果が薄くて……あんなのとは絶対戦いたくないですよ、アルミナ様の加護は本当最高です」
「褒めても何も出ませんよ」
「いやあ、うっかり転げ落ちて、アルミナ様とはぐれたら大変って話です。手を繋いで欲しいくらいですよ」
クライン卿は不吉な冗談を言って、自分で笑った。彼は姉と2人の兄を持つ末っ子だからか、何となく甘えたがるところがある。
「では私はクライン卿と手を繋ぎたいですね」
この中で一番年上のベッシュが変なことを言い、クライン卿が嫌がるので私たちはクスクスと笑った。道のりはつらくても、仲間がいるのはとてもいいことだ。
野盗に襲われることもなく、順調な旅路だった。驚いたのは、山を登っているためものすごい早さで季節が進んでいくことだ。秋から冬へ、そして厳冬の風景へと移行する。空気が刃物のように冴え渡り、地面は白い雪に覆われた。
雪山用の外套と靴、手袋などの装備がベッシュのバッグパックから取り出され、私たちは白い息を吐きながらひた進む。
くるぶしまで積もった雪を踏みしめながら歩いているのに、空からは更に雪が降り続いた。
「この時期にここまで雪が降るなんて珍しいことですが……来年は日程を変えたほうがよさそうですね」
「そうですね」
ほとんど吹雪と言っても差し支えない風と雪になった頃、シュナイダー卿が私に囁いた。でもシュナイダー卿たち護衛は1年で入れ替わるらしいし、私もそうだ。来年はアルミナががんばるのだろう。
「来年のことはともかく、もうダメだ!視界が悪すぎる!雪が止むまで休憩しましょう?!」
クライン卿が叫び、火の精霊を召喚する。その肩をシュナイダー卿が押した。
「待ってください、こんな雪山で不用意に火を使うのは危険です」
「でも火を起こさないと寒いじゃないですか!」
「マウントを作りましょう。ベッシュ、シャベルを出してください」
「は、はい」
シュナイダー卿とクライン卿がちょっと言い争いになりかけたけれど、それは杞憂だった。クライン卿は不満を露わにしつつ、ベッシュが出したシャベルを握る。
すぐ近くに薄っすらと見えた木に移動して、その根元を掘り始めた。木の周囲は雪が積もりにくいため掘るのは容易であるし、下が地面であるのは確実だからだろう。
聞くでもなく、寒さで足踏みしながら私は理由を考えた。四角く切り取るようにしてすくった雪を積み上げ、マウントの形が見えてきたとき――
「うわっ」
誰のものか、驚愕に慄く悲鳴。そして暴れながら雪の下から飛び出てきたのは、巨大なドラゴンだった。長い首、強靭そうな顎、そして鋭い鉤爪に体が凍りついたように固まってしまう。
「アルミナ様!」
シュナイダー卿が私を突き飛ばし、そのすぐ近くをドラゴンが吐いた強烈な火炎が通り過ぎた。
聖女の守りは発動してるはずだけど、雪の下で眠っていたドラゴンをシャベルで起こしてしまったらしい。熱風で頬がチリチリした。
「アルミナ様?!」
今度はクライン卿が叫んだ。何だろう、と思ったときには背筋がぞわりとした。地面が、崩れ落ちている。
視界が急速に流れ、舞い上がった雪に白く染まる。雪山を登りながら、話には聞いていた雪庇だ。地面と思ったところは雪でできた出っ張りに過ぎなかった。落ちながら何かに掴まろうと伸ばした私の手が、ぐんっと強く引っ張られる。
離れてはいけない気がして、必死に手に力を込めた。ひとりは嫌だ。目の前を埋め尽くす雪に押し流され、息もままならない中、私は必死にもがいた。口の中に雪が入ってきて、吐き出したり、飲み込んだりしながらどうにか呼吸を続けた。
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