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3章 Dedicated to an angel
#35 仕方のない事
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頭を撫でられカミーユは困惑していたのだが、ゆっくりと頭を上げルリアの顔を見つめると笑みを浮かべる。
その笑みはとても辛そうで、彼女に心配をかけさせない様に無理やり笑みを作っているのが分かり、ルリアは哀しそうな顔をするのだった。
「______ごめん、なさい…」
"自分が母親の事を尋ねなければ、つらい思い出を思い出さなくて済んだのに"
ルリアの頭の中ではその後悔が渦を巻き、飛ぶのを止めて床に降り立つとドレスを握りしめ、震えた声で謝罪の言葉を述べる。
その言葉を聞き、カミーユはルリアと目線を合わせる為に少ししゃがみこむと、先程のお返しと言わんばかりに彼女の頭を優しく撫でた。
「大丈夫ですよ。お嬢様が悪いわけじゃありませんから…」
頭を撫でられたのが不思議で、ルリアはきょとんとした顔になるのだが、優しそうに微笑みながら紡がれるカミーユの声にゆっくりと頷くのだった。
「……ねぇ、カミーユは人間をにくんでる…?」
しばらく頭を撫でられていたのだが、ふとルリアは自身の心に残っていた疑問を彼女に問いかける。
不意に投げかけられた質問にカミーユは驚いた顔をするのだが、ゆっくりと首を横に振るのだった。
「…いいえ。仕方のない事だって思っていますから。」
「どうして…?だって、お母様を人間にころされちゃったんでしょ…?」
疑問を浮かべるルリアの瞳を月の様な金の瞳で見据えながら、カミーユはルリアの手をそっと握る。
「人間はとっても弱い生き物です。お嬢様みたいな人外や、私達の様な魔女が少し力を使えば、すぐに死んでしまいます。その為、人間は自分達と違う私達を怖がり、殺そうとします。_____だからこそ、仕方ないのです。」
「…確かに、私の母は人間に殺されてしまいました。それは私達が人間と違う力__魔法を持っていたから、それによって自身が殺されてしまう事を恐れた結果、なのです。自分達が殺さなきゃ、殺されてしまう。…例え、私達が殺そうとする意思が無くても、本能的に人間はそう感じてしまうのです。…だから、私は人間を憎む事は出来ません。」
「……わからない、わ…」
カミーユの言った言葉が理解出来ず、ルリアは瞳に困惑の色を見せる。
____彼女が言いたいのは、自分達と違い何も持っていない人間が、自分達と言う異端を恐れるのは当たり前であり、そして殺されてしまうのは仕方がない、という事なのだろう。
___殺されたのが、自身の母親という血の繋がった家族だと言うのに、だ。
傍から見れば、それはとても冷酷な事だと感じるのだが、それが彼女の価値観であり、もう亡くなってしまった人を悔やんでいても仕方ないと考えているのだろうか。
その本心は彼女にしかわからず、当の本人は自身の言った言葉の意味が分からず困惑しているルリアの姿が可愛らしく、くすりと笑みを零す。
「すみません、分かりにくかったですよね…」
「大丈夫…あ、でも……」
その話はもう止めにしようと表すかの様に、カミーユは彼女の手をそっと離した後、食器の片付けを再開しようと立ち上がり、ルリアから目線を外すのだが、彼女がカミーユの服を少し摘み、何かを言いたそうにしているので視線をルリアに戻す。
「……お母様を殺されたのは、しかたない、じゃないと思うの……えっと…つらいなら、言って…?」
言葉が上手く纏まらず、けれど必死に言いたい事を述べるルリアの思いやりがとても暖かく感じ、カミーユは彼女の頭をまた撫でたのだった。
その笑みはとても辛そうで、彼女に心配をかけさせない様に無理やり笑みを作っているのが分かり、ルリアは哀しそうな顔をするのだった。
「______ごめん、なさい…」
"自分が母親の事を尋ねなければ、つらい思い出を思い出さなくて済んだのに"
ルリアの頭の中ではその後悔が渦を巻き、飛ぶのを止めて床に降り立つとドレスを握りしめ、震えた声で謝罪の言葉を述べる。
その言葉を聞き、カミーユはルリアと目線を合わせる為に少ししゃがみこむと、先程のお返しと言わんばかりに彼女の頭を優しく撫でた。
「大丈夫ですよ。お嬢様が悪いわけじゃありませんから…」
頭を撫でられたのが不思議で、ルリアはきょとんとした顔になるのだが、優しそうに微笑みながら紡がれるカミーユの声にゆっくりと頷くのだった。
「……ねぇ、カミーユは人間をにくんでる…?」
しばらく頭を撫でられていたのだが、ふとルリアは自身の心に残っていた疑問を彼女に問いかける。
不意に投げかけられた質問にカミーユは驚いた顔をするのだが、ゆっくりと首を横に振るのだった。
「…いいえ。仕方のない事だって思っていますから。」
「どうして…?だって、お母様を人間にころされちゃったんでしょ…?」
疑問を浮かべるルリアの瞳を月の様な金の瞳で見据えながら、カミーユはルリアの手をそっと握る。
「人間はとっても弱い生き物です。お嬢様みたいな人外や、私達の様な魔女が少し力を使えば、すぐに死んでしまいます。その為、人間は自分達と違う私達を怖がり、殺そうとします。_____だからこそ、仕方ないのです。」
「…確かに、私の母は人間に殺されてしまいました。それは私達が人間と違う力__魔法を持っていたから、それによって自身が殺されてしまう事を恐れた結果、なのです。自分達が殺さなきゃ、殺されてしまう。…例え、私達が殺そうとする意思が無くても、本能的に人間はそう感じてしまうのです。…だから、私は人間を憎む事は出来ません。」
「……わからない、わ…」
カミーユの言った言葉が理解出来ず、ルリアは瞳に困惑の色を見せる。
____彼女が言いたいのは、自分達と違い何も持っていない人間が、自分達と言う異端を恐れるのは当たり前であり、そして殺されてしまうのは仕方がない、という事なのだろう。
___殺されたのが、自身の母親という血の繋がった家族だと言うのに、だ。
傍から見れば、それはとても冷酷な事だと感じるのだが、それが彼女の価値観であり、もう亡くなってしまった人を悔やんでいても仕方ないと考えているのだろうか。
その本心は彼女にしかわからず、当の本人は自身の言った言葉の意味が分からず困惑しているルリアの姿が可愛らしく、くすりと笑みを零す。
「すみません、分かりにくかったですよね…」
「大丈夫…あ、でも……」
その話はもう止めにしようと表すかの様に、カミーユは彼女の手をそっと離した後、食器の片付けを再開しようと立ち上がり、ルリアから目線を外すのだが、彼女がカミーユの服を少し摘み、何かを言いたそうにしているので視線をルリアに戻す。
「……お母様を殺されたのは、しかたない、じゃないと思うの……えっと…つらいなら、言って…?」
言葉が上手く纏まらず、けれど必死に言いたい事を述べるルリアの思いやりがとても暖かく感じ、カミーユは彼女の頭をまた撫でたのだった。
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