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2章【カブトとアゲハ】
小さな約束
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「え? そのハナカマキリさんに会えたんですか!?」
いつも通りに華火と並んで歩く通学路で切り出した話題に、彼女は驚いた様子で足を止めた。
足元のアスファルトを焼く太陽の光は、午後も四時を回ろうというのにまだ強く、夏服の白を眩しく反射している。
ムラサキはその正体からなのか暑さには強く、悪夢を見たときに冷や汗は掻くというのに、この夏の陽気に汗の一つも流れない。
何も映っていないような無機質な瞳を華火に向けながら、ムラサキは小さく、それでいてしっかりと頷いた。
「うん。会えた」
出会い頭に首を跳ねられかけたのは内緒に。
華火は妖ではない。
それどころか、霊災の被害者だ。
霊障の一種であるハナカマキリに、仲良くしている自分が殺されかけたなどと聞けば、パニックとまではいかなくともきっと良い顔はしないだろう。
ハナカマキリはオオムラサキの恩人である。
華火の中ではそうなっていなくてはいけない。
「相変わらず綺麗な人だったよ」
「へぇー……会ってみたいなー」
「意外だね。ハナカマキリさんも妖……霊障なのに」
「あら」
跳ねるように、華火は一歩だけムラサキより前に躍り出れば、振り返りながら楽しそうに笑うのだ。
「それなら、私の尊敬する先輩も霊障ですよ」
「ん……確かに」
ムラサキの表情、そして語調は変わらない。
いつものように淡々と、機械がそうするように言葉を返すばかりだ。
それでも華火は、そんなムラサキとの会話を楽しそうにしてくれる。
「次の探し人も見付かるといいな」
「どんな人なんですか?」
「キイロアゲハ……って言うらしい」
「また虫の名前ですね」
翔人からその名を聞いときにムラサキも思ったことだ。
類は友というわけか、どうにもこのオオムラサキという名になってから虫の名前と縁がある。
ハナカマキリ、キイロアゲハ、そして自身オオムラサキ。
もちろん、こうなってから知り合った中には翔人のような普通……と呼ぶのも少々間違っている気がするが、普通の人間も居る。
寄り付きやすい。
あるいは自分が引き寄せられていると考えるべきか。
「どんな人なんですか? 特徴とか教えてくれれば、見付けたら教えますよ」
「えっと……」
僅か。
ほんの僅かな短い間だが、ムラサキは言葉を飲み込んだ。
はたして、華火を巻き込んで良いことなのだろうか。
霊災によって被害を受けた彼女には、極力霊障と接点を持たせない方が良いのではないか。
そんな考えが過ったのだ。
「先輩?」
「ごめん。僕も聞いただけの特徴だから、言葉に纏めるのに突っ掛かっちゃった」
だがそんな心配は、自ら関わることを決めて言ってきた相手に対しては失礼だろう。
この制服を纏っている以上、自分の立場を理解していない訳ではない筈だ。
何より、華火は頭の良い子だ。
考えも無しに無責任な事など言うまい。
なら、関わってもらおう。
記憶もない自分に、親身に接してくれる後輩への信頼として。
「外見の特徴は綺麗な金髪と黒いコート。性別は女性で、力を抑えていると普通の人間にしか見えないと思う。ただ……」
「ただ?」
ムラサキは手のひらを上へ向けながら、胸の前へ手を持ってくる。
淡い青とも紫とも取れる光がぼんやりと放たれ、その手の中に一羽の蝶が現れた。
蝶はその光を纏ったままムラサキの手より飛び立つと、彼の周囲を不規則に飛び回る。
「僕と同じ蝶の妖なら、きっと力を使うときには蝶が舞うと思う」
「先輩はオオムラサキだからこの子で、キイロアゲハさんは……あ」
光を纏った蝶は華火の髪に留まった。
「怖がらなんだね」
「はい。私、虫は怖くないんです。……違いますね。あの霊災から、何が怖いのか分からなくなっちゃったんです」
髪に留まった蝶はまるでリボンのように。
彼女は優しくその羽を撫でる。
「先輩はもしかしたら感情を取り戻せるかもしれないんですよね」
「うん」
「私は、きっともう何かを怖がる事ができません。縛られたんじゃなくて、壊れちゃったんだと思うんです」
柔らかな微笑みのまま、そう告げる彼女はどこか痛々しく、しかしとても美しかった。
いつもの泣き出しそうな困った笑み。
……とも少し違うか。
何かを諦めたような、いや、逆だ。
何かを諦められないかのような、そんな表情に見える。
「でも、今は大丈夫です」
「何が?」
「先輩と居るときは、多分ですけど心が壊れてなくても、何が起きても怖くないんだと思いますから」
彼女の髪から青い蝶は飛び立った。
淡い光の筋を残しながら空へと向かい、そして砕け散る。
まるでガラスが割れるかのように。
まるで花が散るかのように。
まるで……夢から醒めるかのように。
「先輩?」
彼女の声に、ムラサキは現実へと引き戻された。
青い蝶の残した光と共に佇む華火はどこか儚げで、その美しい姿に見惚れていた。
いや、だがほんの僅か。
小さな違和感として感じる程度に僅か。
こんなにも近くにいる華火が、とても遠い、とても恐ろしい何かに思えた。
「何?」
表情に出ない事は時に便利だと実感する。
感情を取り戻したとしても、必要な場面ではポーカーフェイスを保てるようにしたいものだ。
「えっと、話は変わってしまうのですが……これ」
壊れそうな美しさも、恐ろしいと感じた違和感も鳴りを潜め、目の前の夢路華火という少女は肩に提げていた鞄から何かを取り出した。
チラシ……だろうか。
紙だが、少なくとも学校配布のプリントには見えない。
「彩篠宮川(あやしのみやがわ)花火大会……二週間後?」
プリントされた紙の質感だが、大元の絵は水彩画だろうか。
黒に程近い濃紺に、様々な色彩が散りばめられている。
「はい。折角ならご一緒にどうかなと思いまして」
二つ返事に頷こうとした矢先、ポケットの携帯電話が鳴った。
華火の物ではなく、ムラサキの物。
友人も居らず、家族の所在も掴めていない現在、彼の端末に連絡を入れる相手など決まっている。
間違いか、あるいは迷惑なセールスでもないのならば十中八九、翔人だ。
ちらりと華火を見ると、小さな笑顔のまま出ることを促される。
タッチパネルに表示されている通話の文字を押し、速やかに耳元へと当てる。
「はい。ムラサキです」
「出てくれて助かる。斑咲君、今何処にいる?」
「帰り道です。華火と一緒に歩いていて……」
「華火……?」
「あ、すみません。後輩です」
「ふむ……すまないが、すぐに学校側へ引き返せるか?」
電話越し、聞こえる翔人の声色はいつもとほとんど変わらない。
少し不機嫌そうな、あるいは眠そうな様子が窺える低い声。
しかし、翔人は何の用事もなく電話を掛け、何の意味もなく引き返せなどとは言わないだろう。
ではその用件とは?
「……妖ですか」
「ああ、私も向かえるならば良いのだが、少々厄介な者の対応に追われてしまっていてな。ミナモを向かわせるから、詳しくは彼女から聞いてくれ」
直後、端末越しに金属が何かを叩くような音が聞こえ、通話が切れた。
端末をポケットにしまうと、ムラサキは華火へ向き直る。
「ごめん。ちょっと【アルバイト】」
「本当に、前も言いましたけど戻ってくるのだけは約束してくださいね」
「うん。……じゃあ、行ってくる」
ムラサキは踵を返し、鞄からあの青い上着を取り出す。
流石にズボンはこの場で着替えるわけにはいかないので、上着を制服の物から変えるに留める。
白い髪の上からフードを被ると、彼の周りに青い光が舞う。
これより先の彼はムラサキではなく、妖・桜斑咲。
朝焼け色の瞳は鋭く細められ、向かう先を……
「あ、忘れてた」
「え?」
つい先ほど被ったフードを脱ぎ、華火へと顔を向ける。
今の彼では微笑み掛ける事もできないが、それでもきっと華火ならば内心を察してくれていると信じて。
「花火大会、一緒に行けるの楽しみにしてる」
少し驚いたように目を開き、頬を僅か赤らめる華火を置いて、フードを被り直した彼は今度こそ、その場を離れた。
いつも通りに華火と並んで歩く通学路で切り出した話題に、彼女は驚いた様子で足を止めた。
足元のアスファルトを焼く太陽の光は、午後も四時を回ろうというのにまだ強く、夏服の白を眩しく反射している。
ムラサキはその正体からなのか暑さには強く、悪夢を見たときに冷や汗は掻くというのに、この夏の陽気に汗の一つも流れない。
何も映っていないような無機質な瞳を華火に向けながら、ムラサキは小さく、それでいてしっかりと頷いた。
「うん。会えた」
出会い頭に首を跳ねられかけたのは内緒に。
華火は妖ではない。
それどころか、霊災の被害者だ。
霊障の一種であるハナカマキリに、仲良くしている自分が殺されかけたなどと聞けば、パニックとまではいかなくともきっと良い顔はしないだろう。
ハナカマキリはオオムラサキの恩人である。
華火の中ではそうなっていなくてはいけない。
「相変わらず綺麗な人だったよ」
「へぇー……会ってみたいなー」
「意外だね。ハナカマキリさんも妖……霊障なのに」
「あら」
跳ねるように、華火は一歩だけムラサキより前に躍り出れば、振り返りながら楽しそうに笑うのだ。
「それなら、私の尊敬する先輩も霊障ですよ」
「ん……確かに」
ムラサキの表情、そして語調は変わらない。
いつものように淡々と、機械がそうするように言葉を返すばかりだ。
それでも華火は、そんなムラサキとの会話を楽しそうにしてくれる。
「次の探し人も見付かるといいな」
「どんな人なんですか?」
「キイロアゲハ……って言うらしい」
「また虫の名前ですね」
翔人からその名を聞いときにムラサキも思ったことだ。
類は友というわけか、どうにもこのオオムラサキという名になってから虫の名前と縁がある。
ハナカマキリ、キイロアゲハ、そして自身オオムラサキ。
もちろん、こうなってから知り合った中には翔人のような普通……と呼ぶのも少々間違っている気がするが、普通の人間も居る。
寄り付きやすい。
あるいは自分が引き寄せられていると考えるべきか。
「どんな人なんですか? 特徴とか教えてくれれば、見付けたら教えますよ」
「えっと……」
僅か。
ほんの僅かな短い間だが、ムラサキは言葉を飲み込んだ。
はたして、華火を巻き込んで良いことなのだろうか。
霊災によって被害を受けた彼女には、極力霊障と接点を持たせない方が良いのではないか。
そんな考えが過ったのだ。
「先輩?」
「ごめん。僕も聞いただけの特徴だから、言葉に纏めるのに突っ掛かっちゃった」
だがそんな心配は、自ら関わることを決めて言ってきた相手に対しては失礼だろう。
この制服を纏っている以上、自分の立場を理解していない訳ではない筈だ。
何より、華火は頭の良い子だ。
考えも無しに無責任な事など言うまい。
なら、関わってもらおう。
記憶もない自分に、親身に接してくれる後輩への信頼として。
「外見の特徴は綺麗な金髪と黒いコート。性別は女性で、力を抑えていると普通の人間にしか見えないと思う。ただ……」
「ただ?」
ムラサキは手のひらを上へ向けながら、胸の前へ手を持ってくる。
淡い青とも紫とも取れる光がぼんやりと放たれ、その手の中に一羽の蝶が現れた。
蝶はその光を纏ったままムラサキの手より飛び立つと、彼の周囲を不規則に飛び回る。
「僕と同じ蝶の妖なら、きっと力を使うときには蝶が舞うと思う」
「先輩はオオムラサキだからこの子で、キイロアゲハさんは……あ」
光を纏った蝶は華火の髪に留まった。
「怖がらなんだね」
「はい。私、虫は怖くないんです。……違いますね。あの霊災から、何が怖いのか分からなくなっちゃったんです」
髪に留まった蝶はまるでリボンのように。
彼女は優しくその羽を撫でる。
「先輩はもしかしたら感情を取り戻せるかもしれないんですよね」
「うん」
「私は、きっともう何かを怖がる事ができません。縛られたんじゃなくて、壊れちゃったんだと思うんです」
柔らかな微笑みのまま、そう告げる彼女はどこか痛々しく、しかしとても美しかった。
いつもの泣き出しそうな困った笑み。
……とも少し違うか。
何かを諦めたような、いや、逆だ。
何かを諦められないかのような、そんな表情に見える。
「でも、今は大丈夫です」
「何が?」
「先輩と居るときは、多分ですけど心が壊れてなくても、何が起きても怖くないんだと思いますから」
彼女の髪から青い蝶は飛び立った。
淡い光の筋を残しながら空へと向かい、そして砕け散る。
まるでガラスが割れるかのように。
まるで花が散るかのように。
まるで……夢から醒めるかのように。
「先輩?」
彼女の声に、ムラサキは現実へと引き戻された。
青い蝶の残した光と共に佇む華火はどこか儚げで、その美しい姿に見惚れていた。
いや、だがほんの僅か。
小さな違和感として感じる程度に僅か。
こんなにも近くにいる華火が、とても遠い、とても恐ろしい何かに思えた。
「何?」
表情に出ない事は時に便利だと実感する。
感情を取り戻したとしても、必要な場面ではポーカーフェイスを保てるようにしたいものだ。
「えっと、話は変わってしまうのですが……これ」
壊れそうな美しさも、恐ろしいと感じた違和感も鳴りを潜め、目の前の夢路華火という少女は肩に提げていた鞄から何かを取り出した。
チラシ……だろうか。
紙だが、少なくとも学校配布のプリントには見えない。
「彩篠宮川(あやしのみやがわ)花火大会……二週間後?」
プリントされた紙の質感だが、大元の絵は水彩画だろうか。
黒に程近い濃紺に、様々な色彩が散りばめられている。
「はい。折角ならご一緒にどうかなと思いまして」
二つ返事に頷こうとした矢先、ポケットの携帯電話が鳴った。
華火の物ではなく、ムラサキの物。
友人も居らず、家族の所在も掴めていない現在、彼の端末に連絡を入れる相手など決まっている。
間違いか、あるいは迷惑なセールスでもないのならば十中八九、翔人だ。
ちらりと華火を見ると、小さな笑顔のまま出ることを促される。
タッチパネルに表示されている通話の文字を押し、速やかに耳元へと当てる。
「はい。ムラサキです」
「出てくれて助かる。斑咲君、今何処にいる?」
「帰り道です。華火と一緒に歩いていて……」
「華火……?」
「あ、すみません。後輩です」
「ふむ……すまないが、すぐに学校側へ引き返せるか?」
電話越し、聞こえる翔人の声色はいつもとほとんど変わらない。
少し不機嫌そうな、あるいは眠そうな様子が窺える低い声。
しかし、翔人は何の用事もなく電話を掛け、何の意味もなく引き返せなどとは言わないだろう。
ではその用件とは?
「……妖ですか」
「ああ、私も向かえるならば良いのだが、少々厄介な者の対応に追われてしまっていてな。ミナモを向かわせるから、詳しくは彼女から聞いてくれ」
直後、端末越しに金属が何かを叩くような音が聞こえ、通話が切れた。
端末をポケットにしまうと、ムラサキは華火へ向き直る。
「ごめん。ちょっと【アルバイト】」
「本当に、前も言いましたけど戻ってくるのだけは約束してくださいね」
「うん。……じゃあ、行ってくる」
ムラサキは踵を返し、鞄からあの青い上着を取り出す。
流石にズボンはこの場で着替えるわけにはいかないので、上着を制服の物から変えるに留める。
白い髪の上からフードを被ると、彼の周りに青い光が舞う。
これより先の彼はムラサキではなく、妖・桜斑咲。
朝焼け色の瞳は鋭く細められ、向かう先を……
「あ、忘れてた」
「え?」
つい先ほど被ったフードを脱ぎ、華火へと顔を向ける。
今の彼では微笑み掛ける事もできないが、それでもきっと華火ならば内心を察してくれていると信じて。
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