箱庭を視るモノ

市ノ瀬

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第二話

6.「私と同じ顔で変なこと言わないで!?」

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 館の外では和の武装集団、領軍が館の前に集まり、武将の恰好をした部隊長が指示をしているところだった。

「この館は焼却処分とする。何も残らないように燃やす。館の中も外も油をまけ!」

 自分たちで引いてきていた荷車に乗せられていた油壷を一人で複数もち、建物の中に入っていく領軍兵士。各部屋や廊下に油をまき始めた。書斎の隅の地下へと続く道は見落としたのか、油をまき兵士は去っていった。外からも数人が外壁に油をまいていた。
 油をまき終えた兵士たちが戻ってくると、部隊長は

「火をつけよ!」

と指示を行うと兵士たちは複数個所で火を放った。

 ちょうどそのころ書斎に上がったツカサたちは

「何か臭うわね。・・・油? 私たちが入っていくところを見られたのかしら? それとも証拠隠滅? 火をつけられたの!?」

油と燃え始めた火を見ると、

ガシャーン!

まずはジンが窓を突き破りながら外の飛び出た。

 燃え盛り始めた炎の様子を監視していた兵士たちは、館の左手の窓から複数の人影が飛び出てくるのを見て一瞬驚いたものの、

「何奴!」
「囲め!」
「取り押さえよ!」

昨夜と違い金砕棒《かなさいぼう》は持っておらず、腰の刀を抜くと人影のほうに向かい、囲み始めた。
 ツカサ、セリカ、カレンと続けて飛び出てきていたが、最初に出てきていたジンは大太刀を抜く直前の体制で

「いきなりご挨拶じゃねーか。話も聞かずに刃を向けたんだ、斬り殺される覚悟はできているんだろうな?」

兵士たちににらみを利かせたが、部隊長が現れ

「貴様は昨夜の・・・。ふん、何をぬかすか、この不届き者め! この館は家主はおらず無人のはずであり、現在は殿の預かりとなっている。そのようなところから窓を突き破って出てきたような者に普通の対応をするはずもなかろうが!」

と怒鳴りつけた。それをツカサが受けたが

「あら、その預かり物の館に、油をまいて火をつけるのはどうなのかしら? 貴方どこまで知っているの? 少し話を聞かせてもらうわ。」
「やかましい、犯罪者め! 本来の仕事ではないが、成敗してくれる! やれっ!!!」

部隊長は兵士たちに処分を命じた。ツカサはどうやら前後の会話から、自分たちが中にいるのを知って火をつけたのではなく、何かを知っていて館の証拠隠滅しようとしたことを悟り、口を割らせるために剣を斬り結ぶ覚悟を決めた。

 兵士たちはツカサたち女には二人ずつ、残り五人はジンを攻撃対象とした。

 ジンは大太刀を抜き放つと向かってくる兵士たちを怒鳴りつける。

「俺のは大物過ぎてな、加減なんぞできねぇ。臆さないならばかかってこい!」

 兵士たちは調子に乗るなとばかり、複数人でジンに斬りかかる。
 ジンは一番早く自分のところに到達する兵士を見切り、まずそれを打ち払う。兵士も刀でそれを受けようとするが、もともと重量もあり、かつ大きく振り回された大太刀の重さに耐えきれず、横にいた他の兵士ごと身体を吹き飛ばされる。それを隙と見た別の兵士が刀を振りかぶってくるが、ジンは返す刀でその刀に大太刀をたたきつける。余程の勢いがあったのか兵士の刀は折れ、ジンの前蹴りで沈黙した。
 残った二人の兵士が同時に斬りかかってきたが片方を大太刀で、もう片方を反対の手に持っていた鞘で受け止め、力を籠め押し返すとバランスを崩した二人に鞘をたたきつけ昏倒させた。
 手加減できないと言いつつ、ツカサが話をしたそうだったことから、命までは取らないようにしたのだった。意外と空気が読める男である。

 セリカは二人の兵士が向かってくるのを見ると、外套を外し片方に浴びせかけ、直刀を抜くともう片方に上方から斬りかかる。兵士が刀で受けようと腕を上げた時、軌道を変え相手の脇にたたきつける。防具の隙間を突かれた兵士は、痛みで剣を引いた瞬間に、セリカに首筋に直刀をたたきつけられ気を失った。外套をかけられた兵士はそれを打ち払った時にはもう一人の兵士が倒れているのを見て驚愕してしまい、その一瞬の隙を突かれやはりセリカに昏倒させられてしまった。

 カレンたちはそれぞれ懐から銀色の筒エネルギーソードを取り出すと、相手の刀を半ばで斬り落とし相手の勢いを止めたところで、ショックモードにしたエネルギーソードを身体に触れさせ意識を狩っていった。

 ツカサは懐から短刀グラディウスを抜きながら自分から片方の兵士に向かっていき、相手が態勢を整える前に脇に回り手刀で意識を失わせた。もう一人の兵士はそれを見て刀を振りかぶって斬りかかってきたが、ツカサは短刀グラディウスを引くように打ち流し、柄を兵士の顔にたたきつけ昏倒させた。

 驚愕の顔で部隊長が言う。

「な、何者だ、貴様ら。兵士がこんなにあっけなく・・・。」
「貴方たちの立ち位置がいまいちわからないから、誰も殺していないわ。さぁ、話を聞かせてもらえるかしら? ここのことを知っていたの?」

ツカサは質問をしたが、

「くそっ、これでは殿に顔向けできぬ。 斯くなる上は!」

懐から丸薬のようなものを取り出し、かみつぶしながら飲み込んだ。

 部隊長の鎧や着ているものがはじけ飛び上半身の全面を残し、身体が膨れ上がりモンスターへと変化していった。最終的には昨夜見たモンスターと同じように、身体は毛皮、顔・胸・腹は黒い皮膚の十メートル近くの巨体となり、部隊長の胸から顔にかけてが額のあたりに残っているだけとなっていた。
 昨夜のモンスターは最後に少しだけ人の言葉を話したが、この部隊長モンスターはこの時点で多少話すことができるようで、

『GOROZU、GIZAMARA、HA、GOROZUUUUU!!!』

そう言いながら腕を使い攻撃してきた。
 ツカサ、セリカ、カレンは剣を構え迎え撃とうとしたが、その前にジンが立ち、

「これは斬ってもいいんだよな?」
「できれば話が聞きたいわ。無力化できる?」
「殺すなってか、わかった。」

大太刀で部隊長モンスターの両腕の振り回し攻撃を打ち払う。何回かそれを繰り返し体制が崩れると

「むうん!」

力を込めて膝のあたりを振り抜いた。

『UGYAAAAAAAH!』

 部隊長モンスターの足は膝上で分断され、その巨体が地に落ちる。続けて大太刀を振るい、両腕を肩の先で斬り捨てた。

「攻撃手段がまだないとは限らんが、無力化できたんじゃないか?」

そういうと大太刀を払い納刀した。

「・・・随分あっさりね。」
「初見じゃないからな。それに斬れないモノでもなかった。」
「そう、ご苦労様。カレン、このモンスターを元に戻せる?」
『分析しないと正確なことは言えませんが、多分不可能かと。分離できないレベルで融合しているようです。』
「わかったわ、ありがとう。」

 ツカサは地面でのたうち回っている部隊長モンスターの近くに行き話しかけた。

「その状態で言葉がわかる? 会話できる?」
『GAAAAAAAH! GOROJIDEYARUUUUUH!!!』
「少しはヒューマンの部分が残っているようね。質問に答えてくれたら早く楽にしてあげる。」

 そういうと、額の部隊長の顔付近に短刀グラディウスを突き付ける。

「領民を攫っていたのは貴方たちね? ここでモンスター化する実験をしていたの?」
『GUUU・・・GIZAMARANIHA、GANGEIDAI!!!』
「否定しないということはそう言うことね。昨夜のモンスターはここから逃げ出した被験者でしょう? ガードが甘いんじゃない?」
『URUZAI・・・GOUDAI、NO、ZUKI、WO、DUKARETADAKEDA・・・』
「ここを引き払うときに三つ大きなものを運び出したわね? 処理中の被験者ね? 一足す三は四・・・、十人以上攫ったんでしょう? 残りは?」
『MINA、JIGGEN、NI、JIPPAIJI、JINDA・・・。』

 両手両足を落とされ、さすがのモンスターと言えど弱ってきているようで、言葉に力が無くなってきていた。

「最後に、首謀者は貴方じゃないわね? 誰なの? ・・・この館の仮の持ち主の、お殿様?」
『・・・ANOGATA、NO、JIGARANI・・・』

 そこまで言うと部隊長モンスターは事切れたようだった。

「楽にするまですら持たなかったか・・・。」

 ツカサはカレンたちに顔を向けると

「兵士たちがどこまで知っているかわからないけど、さっきのを見る限り、丸薬みたいなものを口にしないとモンスター化はしないようね。兵士たちが身に着けているものを探って、丸薬らしきものがあったら取り上げて頂戴。」

 カレンたちは全ての兵士の身体を探ったが、何も見つからなかった。

「部下たちには与えてなかったようね。利用されるのを恐れたのか、そこまで薄情じゃなかったのか・・・。」

 そうこうしているうちに火をかけられた館は炎がどんどん燃え広がり、建物は崩れ全焼してしまった。

「館を燃やそうとしていたみたいだったし、丁度良かったわね。カレン、地下も完全に焼却しておいて。」
『畏まりました。』

そう言うとカレンの一人が火の中に入っていく。

「お、おい!」

 ジンは未だ燃えくすぶっている火の中に平気で進んでいくカレンを見て止めようとするが、セリカが

「カレンなら大丈夫ですよー。服ごと守られてて、あの程度の火じゃ熱も感じませんからー。」

と言いジンを引き留める。実際火の中のカレンは熱そうなそぶりも見せず、また衣服や肌にも焼けた形跡はない。カレンはすたすたと書斎のあったあたりに進み、懐から出したブラスターを最大出力にし、地下室に向け数発放ちその存在ごと抹消した。

「お前さんら、どうなってやがるんだよ・・・。」

 ジンは困惑した表情となった。

「んー、そうですねぇ・・・。ツカサさん、そろそろ情報提供してあげないと、ジンさん困ってますよ?」
「そうね、カレン教えてあげて。」

 カレンの一人がジンの方に近づいていくと、セリカはそのカレンの横に立ち、何事か話しかける。

『畏まりました。』

 セリカが道をあけ、カレンはジンの前まで進むと、

『ジン、少し頭を下げていただけますか?』
「ん、こうか?」

言われたジンがカレンの顔の近くまで顔を持ってきた。

『ツカサ様の代わりです・・・。』

と言うと、ジンの頭に両腕を回し口づけをした。

「-----っ!!!」

 それを見ていたツカサの時間が数瞬止まった・・・。

んくっ、ぴちゅっ、んっ、ちゅっ、んはぁ、んむっ・・・

 ”ただのそれ”ではなく”かなり熱いそれ”であり、戦いのすぐあとであり興奮が残っていたためか、ジンもカレンの腰に手を回し、その気で受け止めはじめていた。
 随分長い間”かなり熱いそれ”を交わしたあと、漸く二人は口を離した。ジンの手はカレンの腰に回されたままである。

 あまりの出来事に固まっていたツカサであったが、やっとのことで声を絞り出した。

「な、な、何やってるのよカレンっ!」
『ただの情報提供です。』
「キ、キスじゃなくてもできるでしょう!?」
『ご存知のように情報提供には皮膚の触れ合いが必要です。より精度の高い粘膜の直接接触で行いました。最適な方法を選択したまでです。』
「わ、私がどうとかって、どういうことよ!? 私、関係なくない!?」
『ツカサ様と思っていただければジン様もお嫌ではないと考え、ツカサ様の代わりとお伝えしたうえで行ったのです。』
「ジンもジンよ! いつまで腰に手を回しているの!?」
「・・・だがな、離すとストンと行くぜ?」
『ジン様は上手です。腰砕けになっています・・・。』

 ほんのり顔を赤らめるカレン。

「な、な、な・・・。」
『仕方ないのです、ツカサ様。この身体にも個体ごとに個性は存在します。九十九パーセントは同じカレンですが、残りは個体の個性です。その個性がジン様を気に入っています。ご安心ください、本妻はツカサ様で、カレンは愛人となりますので。』
「-----っ!!!!!」
「・・・お前さんら五人全員か?」
『いえ、個性部分がジン様を好いていると言い切れるのは、今のところこの個体のみです。他ともなさいますか? 既に羨ましいと思っていますので、間違いなく堕ちます。』
「・・・いいわ、遠慮しとく。」
『そうですか、残念です・・・。』

 カレンは続けてツカサの内情を暴露する。

『ツカサ様はあぁおっしゃっていますが、ジン様のことがかなり気になっています。好みがストライクなのです。
 がっしりとした体付き、芯を感じさせる力強い目、飄々とした口調・態度、ご自分では敵わない近接武器利用時の強さ。
 ツカサ様の性格・好み・考え方は全て把握しております。間違いありません。
 まぁ昨夜のジン様の戦いぶりを見てからはチラチラ盗み見しまくりですし。』
「あとねー、押せ押せに弱いんですよー。気になってる男性にグイグイ来られたら、間違いなく受け入れちゃいますー。カレンー、最初は、今夜はツカサさんに譲ってあげてねー。」
『わかっております。私はその後でと言うことで。』
「-----っ!!!!!」

 セリカの煽りが加わり、ジンは真っ赤になってそっぽを向いたツカサを見た後、自分が支えて抱き寄せているカレンを見て問いかける。

「同じ事したらツカサはお前さんと同じ反応をするのか?」
「なんで急に呼び捨てになってるのよ! 第一私はそんなことしないわよっ!」
『他の個体については全く同じ反応を示すでしょうが、ツカサ様は多分違う反応を示すと思われます。ですが身体は同じなので同じ感触となります。・・・この先もご所望でしたら今夜にでもお試しなさいますか? ツカサ様と思っていただいても身体に相違はありませんので同じ感触です。』
「ほーん。ま、この抱き心地は悪くねぇな。」
『ありがとうございます。』
「ちょっ、止めなさい!!! 大体なんでジン”様”なのよ!?」

 カレンは小首を傾げ

「”ご主人様”、のほうが最適でしょうか?』
「私と同じ顔で変なこと言わないで!?」
『ツカサ様、貴女が好いた男性に貴女と同じ顔の女性と睦み合う姿が客観的に見られるのです。自分に置き換えて想像する暇も省けて、良うございましたね?』
「-----っ!!!!!」

ツカサを煽る。

 話しているうちに立てるようになってきたカレンを離すと、カレンはほんの少し寂しそうに

『あ・・・。』

と漏らしてしまう。

「何かツカサとを期待されているみたいだから、お前さんとはまた今度な?」
『はい・・・。』

 頬を染め頷くカレン。ジンがツカサにとどめを刺した。

「じゃぁツカサ、今夜。カレンも連れていこうか?」
「来るなら一人で・・・!? じゃないっ、来るなっ!!!」
「身体磨いて待ってろ。」
「毎日お風呂には入る様にはしているから・・・!? -----っ!!!!! もう、知らないっ!!!」
(キャー、ツカサさん、可愛すぎる!!!)

 情報提供時にカレンに、ツカサさんを煽れ、とだけ伝えていたセリカは大興奮だった。


「さて、情報はもらったから分かった。本当は驚くところなんだが、さっきのやり取りでタイミング逃したわ。亜人ねぇ、お前さんらは、さしずめ創造主、と言ったところか。」

 自分を取り戻したツカサはジンを気遣いつつ、今後の方針を決めようと話し始めた。

「貴方なら話を聞いても自分を見失ったりしないと思っていたわ。もう少し混乱するとは思っていたけど。」
「十分混乱しているよ。」
「・・・私たちは貴方たちの敵ではありません。この世界を守りたいの。協力をお願いするわ。」
「あぁ。」
「ありがとう・・・。じゃ、気分を切り替えて、この後どうしていきましょうか。」
「部隊長の最後の言葉じゃー、お殿様が絡んでいるという確証は得られなかったですけどー、他にいないと思いまーす。」
「そうよね・・・。」

 するとカレンが警告を発した。

『ツカサ様、複数人の足音が近づいています。』
「次から次へと・・・、カレンはとりあえず身を隠していて。」
『畏まりました。』

 十人ほどの武装集団が走ってきた。昨夜の領内警邏隊隊長モンドとその一員だった。

「おー、お主らは! 火事と聞いて駆け付けたのだが・・・、これは昨夜のモンスター!?」
「領軍部隊長のなれの果てよ。額を確認してみて。」
「!? 確かにヤツだが・・・。一体何が・・・?」

 モンドは周りを見渡し、倒れている領軍兵士を見て

「む、それは領軍の者たちか?」
「話せば長くなるんだけど・・・。」

ツカサから話を聞くと、

「奴があれでは聞きようがない。ここにいる奴らと、軍待機所にいる奴らから話を聞くしかないな。おい、とりあえずこいつらを詰め所に・・・、うーん、怪我の具合を見るに、先に医者か? 医療所に運べ!」

部下に領軍兵士と部隊長モンスターの亡骸を運ばせていった。

「本来なら、お主らにも詰め所に来てもらい話しを聞かせてもらうところだが、自分の直感を信じよう。また連絡する。」

 そう言い残して去っていった。

「カレン、後始末をお願い。昨夜領軍がやったみたいに肉片とか血の跡とかを処分しておいて。」
『畏まりました。』

 隠れていたカレンたちが現れると、ブラスターで処理し始めた。

「今日のところは、私たちも帰りましょうか。それが終わったらカレンは戻っていて。」
「あー、さっきまで私たちと一緒にいたカレンはー?」
『私ですが。』
「そのカレンは私たちに着いてきてくださいー。他のカレンはツカサさんの指示に従ってくださいー。」
『『『『畏まりました。』』』』

 処理を終えた四人のカレンは、そういうと消えていった。

「なんでカレンを一人残すの?」
「もう夜じゃないですかー。夕ご飯食べますよね? 活躍してくれたので、みんなで食べようと思ってー。」
「そうね、だったら他の四人も・・・。」
「お店にツカサさんの顔が合わせて六人も入ったら、みんな驚いちゃいますよ? 二人が限界でしょう? 双子とか兄弟とか。他のカレンは順番ですー。」
「あー、そうね・・・。」

 四人で歩きながら夕食の相談をする。

「ジン、何か美味しいものが食べられるところ知ってる?」
「幾つかあるが、何が食べたい?」
「蕎麦とうどんじゃない、和食で。」
「んー、鍋にするか。皆でつつける。」
『「「鍋?」」』

 ツカサ、セリカ、カレンの声が重なる。

「そうだ。知らんか? じゃぁ、着いてのお楽しみだ。」

 四人は店があるという商業区に向かった。
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