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24 水落鬼3
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「倭国では、大陸に存在する神や妖魔鬼怪、怪異の類は倭国でも存在する――と考えているようだが、それはだいたい合っている。ただ、この水落鬼は実際に大陸の河で溺れ死んだ子どもの成れの果てのようだ」
「? 大陸で死んだ子が、なんで倭国に?」
香山が純粋な疑問を呟き、首を傾げる。
「勝手に来るってことはないよな?」
「西山、なんか条件あったろ」
真岡に名指しされた西山が「ええと」と前置きし、数秒考えてから口を開いた。
「亡くなった子が河や海で溺れ死んだ場合、倭国に流れ着く可能性はある。あとは……これをしてどうするって話だけど、連れてくるって場合もあった、はず」
「連れてくる?」
「大陸から?」
「そう。……どうやって、とかはおれに訊くなよ。そこまで知らないから。ただ、河や海からここまで流れ着くのは、ちょっと考えづらいだろ? 大陸は倭国海側だけどここは太平洋側だし。それにプールだし。だから誰かわからないけど誰かに連れて来られた、ってとこじゃないか」
「正解」
梓玥の言葉に、密かに西山が左腕だけでガッツポーズを作る。嬉しかったらしい。
「この子は誰かに『両親に会わせてあげる』と言われて連れて来られ、ここに置いて行かれた。けれど両親はおらず、淋しくて友達がほしかったらしい」
さすが上位神族と言うべきか、梓玥は水落鬼の言葉もわかるようだ。神族なら誰でもわかるわけではないだろうから、本当にオカ研には得がたい存在であると同時、そんな上位神族の中でも最上位、竜の貴族ともいうべき方(予想)がここにいるのは本当に恐れ多い。
そんな方がどうして瀧に興味関心を持っているのか――
(さっきの、狐の姿が要因のひとつなのかな)
他に関心を持たれるようなことが何ひとつ覚えがないから、きっとそうなのだろう。鏡で見たかったところだが、両親ともヒトなのに、どうしてあんな姿になったのか。
(……今考えてもわからないか)
何しろ心当たりがないのだから。
それにしても、水落鬼の身の上は憐れだ。
「両親……」
見かけは十歳にも満たない子ども。まだ親が恋しい年齢だろうことはわかる。
「本人はいつ亡くなったのかわからないようだが、見た目から察するに七十年は経っているだろう」
「それは……じゃあ、親は」
とうに亡くなっていてもおかしくない年月だ。
こういった鬼は未練をなくさせるのが一番早い滅し方だとオカ研の面々は知っている。だが、それも難しそうだ。
「……子どもなんだよなぁ……」
西山が唸るように呟く。
「真岡、こういう時の一般的な対処法は」
唐突な梓玥の問いに、真岡が直立不動の姿勢になる。
「はいっ、陰陽師や神官・神主・僧が符や術や法具で滅するのが、ヒトでは一般的です。力の強いものが相手なら、結界に封印する手段もあります」
「西山。君たちがこの水落鬼に採りたい対処法は」
梓玥に名指しされた西山がすぐに答える。
「はいっ、ええと……穏便に……一番いいのは、ご両親に会わせることですけど……」
「さすがに難しいですよね……」
嶋田がしょんぼりと言う。
亡くなっていることが前提であるなら、両親はすでに鬼籍に入っているだろう。死人に鬼を会わせることはまず不可能だと、深く考えなくてもわかる。
「? 大陸で死んだ子が、なんで倭国に?」
香山が純粋な疑問を呟き、首を傾げる。
「勝手に来るってことはないよな?」
「西山、なんか条件あったろ」
真岡に名指しされた西山が「ええと」と前置きし、数秒考えてから口を開いた。
「亡くなった子が河や海で溺れ死んだ場合、倭国に流れ着く可能性はある。あとは……これをしてどうするって話だけど、連れてくるって場合もあった、はず」
「連れてくる?」
「大陸から?」
「そう。……どうやって、とかはおれに訊くなよ。そこまで知らないから。ただ、河や海からここまで流れ着くのは、ちょっと考えづらいだろ? 大陸は倭国海側だけどここは太平洋側だし。それにプールだし。だから誰かわからないけど誰かに連れて来られた、ってとこじゃないか」
「正解」
梓玥の言葉に、密かに西山が左腕だけでガッツポーズを作る。嬉しかったらしい。
「この子は誰かに『両親に会わせてあげる』と言われて連れて来られ、ここに置いて行かれた。けれど両親はおらず、淋しくて友達がほしかったらしい」
さすが上位神族と言うべきか、梓玥は水落鬼の言葉もわかるようだ。神族なら誰でもわかるわけではないだろうから、本当にオカ研には得がたい存在であると同時、そんな上位神族の中でも最上位、竜の貴族ともいうべき方(予想)がここにいるのは本当に恐れ多い。
そんな方がどうして瀧に興味関心を持っているのか――
(さっきの、狐の姿が要因のひとつなのかな)
他に関心を持たれるようなことが何ひとつ覚えがないから、きっとそうなのだろう。鏡で見たかったところだが、両親ともヒトなのに、どうしてあんな姿になったのか。
(……今考えてもわからないか)
何しろ心当たりがないのだから。
それにしても、水落鬼の身の上は憐れだ。
「両親……」
見かけは十歳にも満たない子ども。まだ親が恋しい年齢だろうことはわかる。
「本人はいつ亡くなったのかわからないようだが、見た目から察するに七十年は経っているだろう」
「それは……じゃあ、親は」
とうに亡くなっていてもおかしくない年月だ。
こういった鬼は未練をなくさせるのが一番早い滅し方だとオカ研の面々は知っている。だが、それも難しそうだ。
「……子どもなんだよなぁ……」
西山が唸るように呟く。
「真岡、こういう時の一般的な対処法は」
唐突な梓玥の問いに、真岡が直立不動の姿勢になる。
「はいっ、陰陽師や神官・神主・僧が符や術や法具で滅するのが、ヒトでは一般的です。力の強いものが相手なら、結界に封印する手段もあります」
「西山。君たちがこの水落鬼に採りたい対処法は」
梓玥に名指しされた西山がすぐに答える。
「はいっ、ええと……穏便に……一番いいのは、ご両親に会わせることですけど……」
「さすがに難しいですよね……」
嶋田がしょんぼりと言う。
亡くなっていることが前提であるなら、両親はすでに鬼籍に入っているだろう。死人に鬼を会わせることはまず不可能だと、深く考えなくてもわかる。
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