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61 解決編11(解決)
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「そう。……またフィールドワークに行くのだろう? その時に何かある可能性が高い」
「うっ……」
「出会いが出会いだっただけに、反論できないっすね……」
嶋田の言う通りだ。
「私も同行するが、咄嗟の時に私が優先するのは瀧。だが、彼らふたりがいれば君たちに万が一もない」
「黎さんがいてくれるだけで牽制にはなると思いますけど……」
「けど、それで怪異と遭遇しないのはオカ研として問題じゃないっすか? あと、タキちゃん先輩が卒業したら黎センパイもいなくなっちゃうし、僕が困るんですよ」
「……意外と鋭いところを突いてくるな、嶋田」
「西山センパイ、真岡センパイに褒められました」
「良かったな~シマ」
茶番をよそに話は進む。
「だから基本的に、私はヒトに擬態する術を使って同行する。怪異や鬼怪妖魔に私の本性は見抜けない」
安心して怪異を楽しんで、と言われて、心の底から素直に喜んでいいのだろうか。
けれど考え方を変えれば、サファリパークのようなものかとも思う。安全な車内から時に危険な自然を観察するような。
「それに、私や彼らが助けるのは、君たちが全力を出してから。それまでは彼らは君たちの観察をするだろう」
「…………あの方たちがおれたちの様子を見て楽しむっていうなら、ある意味ギブアンドテイク……?」
「そんなギブアンドテイクってあります……?」
「今ここにあるんだから、あるんだろ」
「黎さん、ご配慮痛み入ります……」
「ありがとうございます!」
「めちゃくちゃ助かります」
「うん。君たちは怪異に好かれやすいタイプのようだから、気を付けて」
「うおお……喜べねえ……オカ研としては喜べるけど」
西山は頭を抱える。その横で苦笑した真岡が「じゃあ」と話題を持ち出した。
「このまま、次のフィールドワークのことでも打ち合わせるか」
「賛成~!」
全員が賛同するが、続いての議題が大問題だった。
「まず車の調達からなんだが」
「……そういえばぶっ壊れましたね」
「壊れたっていうか……燃えたっていうか……」
「それは彼らに出させよう」
当然のように梓玥が言うと、西山が目を見開く。
「い、いきなり……?」
「彼らにしてみれば微々たる金額だ。五人で車に乗るのだし、少々大きめのものでもいいだろう」
「そうかもしれませんが……せめて中古車にさせてください……」
また壊れるか壊されるかもしれないので、と真岡が苦笑すれば、全員が「あり得る」と苦笑する。
けれど梓玥は思いがけない提案をくれた。
「今度の車には、滅多に壊れないように呪符を貼っておく」
「そんな便利な術が……!」
「梓玥さん、そんな安請け合いして大丈夫?」
「大丈夫。瀧の身の安全も含まれる」
「タキ、一生オカ研にいて」
「どんだけダブらせる気ですか。最大でも九年でしょたしか」
「タキちゃんセンパイ、せめておれが卒業するまでいてほしいです……」
「卒業の餞に何か残すくらいで勘弁してほしい」
あはは、と笑う。賑やかな声は食堂に響いても、誰も気にすることはなかった。
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「うっ……」
「出会いが出会いだっただけに、反論できないっすね……」
嶋田の言う通りだ。
「私も同行するが、咄嗟の時に私が優先するのは瀧。だが、彼らふたりがいれば君たちに万が一もない」
「黎さんがいてくれるだけで牽制にはなると思いますけど……」
「けど、それで怪異と遭遇しないのはオカ研として問題じゃないっすか? あと、タキちゃん先輩が卒業したら黎センパイもいなくなっちゃうし、僕が困るんですよ」
「……意外と鋭いところを突いてくるな、嶋田」
「西山センパイ、真岡センパイに褒められました」
「良かったな~シマ」
茶番をよそに話は進む。
「だから基本的に、私はヒトに擬態する術を使って同行する。怪異や鬼怪妖魔に私の本性は見抜けない」
安心して怪異を楽しんで、と言われて、心の底から素直に喜んでいいのだろうか。
けれど考え方を変えれば、サファリパークのようなものかとも思う。安全な車内から時に危険な自然を観察するような。
「それに、私や彼らが助けるのは、君たちが全力を出してから。それまでは彼らは君たちの観察をするだろう」
「…………あの方たちがおれたちの様子を見て楽しむっていうなら、ある意味ギブアンドテイク……?」
「そんなギブアンドテイクってあります……?」
「今ここにあるんだから、あるんだろ」
「黎さん、ご配慮痛み入ります……」
「ありがとうございます!」
「めちゃくちゃ助かります」
「うん。君たちは怪異に好かれやすいタイプのようだから、気を付けて」
「うおお……喜べねえ……オカ研としては喜べるけど」
西山は頭を抱える。その横で苦笑した真岡が「じゃあ」と話題を持ち出した。
「このまま、次のフィールドワークのことでも打ち合わせるか」
「賛成~!」
全員が賛同するが、続いての議題が大問題だった。
「まず車の調達からなんだが」
「……そういえばぶっ壊れましたね」
「壊れたっていうか……燃えたっていうか……」
「それは彼らに出させよう」
当然のように梓玥が言うと、西山が目を見開く。
「い、いきなり……?」
「彼らにしてみれば微々たる金額だ。五人で車に乗るのだし、少々大きめのものでもいいだろう」
「そうかもしれませんが……せめて中古車にさせてください……」
また壊れるか壊されるかもしれないので、と真岡が苦笑すれば、全員が「あり得る」と苦笑する。
けれど梓玥は思いがけない提案をくれた。
「今度の車には、滅多に壊れないように呪符を貼っておく」
「そんな便利な術が……!」
「梓玥さん、そんな安請け合いして大丈夫?」
「大丈夫。瀧の身の安全も含まれる」
「タキ、一生オカ研にいて」
「どんだけダブらせる気ですか。最大でも九年でしょたしか」
「タキちゃんセンパイ、せめておれが卒業するまでいてほしいです……」
「卒業の餞に何か残すくらいで勘弁してほしい」
あはは、と笑う。賑やかな声は食堂に響いても、誰も気にすることはなかった。
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