告白を全部ドッキリだと思って振ったら、三人のアイドルが壊れかけたので彼氏役をすることになりました

海野(サブ)

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 あの出来事から数日後、彼らは変わりなく仕事をしていた。ということはなく…

「ちょっと!!ちゃんと振り付け通りにできてないわよ!!」

「ちょ、それ罰ゲーム用の苦いジュースだよ!?ああ!大丈夫か?!!」

「カーーート!!!またセリフ間違えてる!!」

 と、いうわけでダンスの先生やスタッフさんに注意されまくっているヘイロー・プリズム。
 ダンスの振り付けが間違っていたり、差し入れと勘違いしてエグい色のジュースを飲んでしまったり、ドラマでは何度もNGを出してしまっていた。
 普段の彼らは多少ミスはすることもあったが、ここまで酷くなかった。むしろ完璧にこなしていた。そして彼らの表情は明らかに悪かった。なんとか必死に誤魔化しているようだったが誰から見ても彼らが調子が悪いことは明確だった。

 まさか、俺の告白に振られたからってここまで影響出るとは思っていなかった。
 けどだからといって俺にもどうしようもないのではないか?3人の中から選んでも確実に他の2人はメンタル悪化するだろうし、じゃあ3人とも付き合うとか世間的に良くない。だからもう、3人には早く傷を癒やしてほしい。
 とはいえ、その原因でもある為、俺は頭を悩ましていた。

「それでなんだけど…この日は番組に急遽出てもらうことになっちゃったんだけど大丈夫かな?」

「……うん、大丈夫だよ。」

 俺は光留とスケジュールを確認していた。光留はいつもと変わらず笑みを浮かべてはいたが、明らかに顔に曇りがあった。
 普段の彼は常に冷静だった。表情だって他の2人よりも変わることなく常に笑顔であった。

「……あの、光留くん…その……ごめんね…まさかここまでだとは思ってなくて…」

「気にしないで、灯也さんは何にも悪くないよ。安心して、輝も照真もすぐに冷静になれるよ。」

 そう言って光留が階段を降りようとした瞬間、階段を踏み外したようでぐらりと光留の身体が傾いた。

「光留くん!!!!」

 俺は咄嗟に彼の腕を掴んだ。そのまま階段で転げ落ちることはなかったのでひとまず安心した。

「ごめん、灯也さん…」

「よ、良かった…光留くん…」

 一歩間違えれば光留は怪我をしていた。俺はバクバクとなる心臓を押さえ込もうとした。
 このままでは、いずれ輝も照真も怪我してしまうかもしれない。ならマネージャーとして俺が出来ることは……

 ――――――――

「無理だ、今ヘイロー・プリズムの仕事の量を減らすことは出来ない。」

 俺は、事務所の社長と直接ヘイロー・プリズムのことで相談していた。

「な、なんでですか!!彼らは今、精神的に不安定なんです!怪我してからじゃ遅いんですよ!」

「なんで3人同時に精神病んでるのか知らないが、今仕事を減らせば確実に人気が下がっていくだろ。今が売りときなんだ。」

「そんな!!」

 確かに今人気絶頂であるこの時期に仕事を減らせば人気も落ち着いてしまうかもしれない。ただこないだ光留が怪我しそうになってしまった今、マネージャーとしては見過ごせない。

「というか、マネージャーとして彼らのメンタルケアを疎かにしてどうする。メンタルケアもマネージャーの大事な仕事だろ。」

 うっ、少なくとも彼らが精神的に不安定になっている原因であるのは間違いない。けどだからこそ彼らの精神が安定するまでは仕事を減らしてあげたいのだ。
 ガチャ、すると突然ノックもなしにドアが開いた。
 
「…灯也さんを責めないでください。悪いのはオレ達なんです。」

「光留くん!それに輝くんも照真くんも!?」

 なんとヘイロー・プリズムの3人だった。ノックもしないで勝手に入ったことを咎めなければいけないのだが、今はそんな雰囲気ではない。

「おれ達が未熟なばかりに沢山の人に迷惑をかけて申し訳ないとは思っている。」

「それでもなんとか必死にやったけど、上手くいかなくて…」

「……はぁ。上の者として確認するが、何が原因でメンタルが悪化してるんだ?」

「……それは…」

 輝と照真は言葉を濁していた。

「灯也さんに振られてショック受けたからです。」

「ひ、光留くん!?」

 だが光留はズバッと言い放った。光留の告白の時もそうだけど堂々としすぎでは!?

「……は?灯也さんって、きみらのマネージャーの?」

「はい。俺達はそこの彼に告白して振られたんです。」

 社長は目を丸くして俺の顔を見て、光留達に視線をずらし、また俺の方に顔を向けた。

「……つまり、3人とも失恋したショックで仕事に身が入らないということか…?」

「はい、そうです。」

「………………はぁ……」

 事実確認をした後、社長は大きいため息をついて項を垂れていた。

「…ちょっとマネージャーくん。ヘイロー・プリズムと話がしたいから少し席を離してくれないか…?」

「は、はい……わ、わかりました…じゃ、じゃあ3人とも後でね…」

 俺はひとまずこのなんとも言えない空気から逃げられて安堵しながらも、彼らがこの後社長になんと言われるのか心配しながら社長室を飛び出した。
 そこから30分以上経ったのだろうか。もう一回社長室に入ると、渋い顔をした社長にこう言われた。

「きみ、今から3人の彼氏になりなさい。」
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