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俺がアーロ様に想いを寄せていることに気づいたのは、今から2年前の時、アーロ様が18歳になった頃だ。
この国は18歳で成人を迎える。見た目も中身もすっかり大人になったアーロ様を見て、当時の俺はまるで兄のような感覚で考え深かった。
捻くれ者だった幼少期の頃の面影はなく、自分の美貌を利用するようになったからか、貴族らしく世渡りが上手になっていた。
そうなると必然的に社交界やらで引っ張られる訳だ。当然俺も護衛として付いていくことになる。まぁパーティーとかは壁に張り付いてアーロ様を見守ることしか出来なかったのだが。
あの日も社交界で招待されて、途中でアーロ様は外の風を当たりにバルコニーに出ていた。俺も出てアーロ様の側に駆け寄ろうとした時だった。
ふわっとまだ冷たさを込めた風がアーロ様の白い髪を揺らしたのだ。
それだけじゃない。満月の明かりに照らされて白い髪も青紫色の瞳も輝いて見えた。
儚さを感じさせるその姿はまるで月光美人のようだった。
その姿を見た時、俺は身体が動かなかった。まるで金縛りにあったかのようなそんな感覚を感じた。
そして心臓だけは激しく動いていた。ドクンドクンとうるさいほどに。
確かに今まで美しいとは思っていたが、綺麗な花を見るような感覚で、アーロ様が子供で守るべき対象だったのだ。
けどもう違う。アーロ様は立派な大人になったのだ。
それからは精神的に辛かったと思う。何回も言っているが相手は貴族で男なのだ。どう考えても結ばれることは不可能だ。そして何よりアーロ様はそういう愚か者は嫌っていたのだ。
だから頭では理解するしてるつもりだった。諦めようとした。けど美しい令嬢がアーロ様に近づくだけで嫉妬してしまう。しまいにはアーロ様に抱かれる想像しながら自分を慰めるとこまで落ちてしまった。
考えて考えて、出た結果が護衛騎士を辞めてアーロ様の側から離れることだった。
けど、それが最悪な結果をもたらせてしまった。
結局俺はどうすれば良かったのだろう
ーーーー
「それじゃあルドルフ、また来る。」
ようやく解放されて俺はまるで干からびたカエルの様にビクビクと痙攣していた。
そんなみっともない俺に、帰る支度を済ませたアーロ様は俺の額に唇を落とし、部屋から出て行った。
「う、アーロさまぁ…」
シーンと部屋は静かでさっきまで与えられていた熱が冷めると途端にものすごく辛くて寂しくなる。
ようやく痙攣が治り、俺はゆっくりと身体を起こした。
「ゔっ……腰が…」
腰だけじゃない、あらゆる身体の場所に激痛が走る。あんなに激しくされたのだから痛みが出るのは当たり前だ。喉だってガラガラだ。
なんとかテーブルの上に置かれたピッチャーを手に取りそのまま直接口に含み飲み干す。
再び俺はベッドに横たわる。そして右足にはめられている枷を触る。
「これさえどうにか出来れば…」
この地獄のような生活をずっと送るつもりはない。必ずここから逃げ出すつもりだ。
…じゃないと、アーロ様はこの先俺に固執続ける。
オルレアン家の跡継ぎがこんなことをしているとバレたら一巻のおしまいだ。あれから何度も必死に説得したがアーロ様は聞く耳持たずだった。
アーロ様の為にも俺はここから逃げ出さなくてはいけない。
本当は、アーロ様の為ではないのかもしれない。両思いなのに叶わない恋なのだ。なのにアーロ様は俺を抱く。彼に抱かれるたび俺の心が辛くなるのだ。
結局、俺は自分のことしか考えてない。
もしかしたら、これが俺の与えられた罰なのかもしれない。
この国は18歳で成人を迎える。見た目も中身もすっかり大人になったアーロ様を見て、当時の俺はまるで兄のような感覚で考え深かった。
捻くれ者だった幼少期の頃の面影はなく、自分の美貌を利用するようになったからか、貴族らしく世渡りが上手になっていた。
そうなると必然的に社交界やらで引っ張られる訳だ。当然俺も護衛として付いていくことになる。まぁパーティーとかは壁に張り付いてアーロ様を見守ることしか出来なかったのだが。
あの日も社交界で招待されて、途中でアーロ様は外の風を当たりにバルコニーに出ていた。俺も出てアーロ様の側に駆け寄ろうとした時だった。
ふわっとまだ冷たさを込めた風がアーロ様の白い髪を揺らしたのだ。
それだけじゃない。満月の明かりに照らされて白い髪も青紫色の瞳も輝いて見えた。
儚さを感じさせるその姿はまるで月光美人のようだった。
その姿を見た時、俺は身体が動かなかった。まるで金縛りにあったかのようなそんな感覚を感じた。
そして心臓だけは激しく動いていた。ドクンドクンとうるさいほどに。
確かに今まで美しいとは思っていたが、綺麗な花を見るような感覚で、アーロ様が子供で守るべき対象だったのだ。
けどもう違う。アーロ様は立派な大人になったのだ。
それからは精神的に辛かったと思う。何回も言っているが相手は貴族で男なのだ。どう考えても結ばれることは不可能だ。そして何よりアーロ様はそういう愚か者は嫌っていたのだ。
だから頭では理解するしてるつもりだった。諦めようとした。けど美しい令嬢がアーロ様に近づくだけで嫉妬してしまう。しまいにはアーロ様に抱かれる想像しながら自分を慰めるとこまで落ちてしまった。
考えて考えて、出た結果が護衛騎士を辞めてアーロ様の側から離れることだった。
けど、それが最悪な結果をもたらせてしまった。
結局俺はどうすれば良かったのだろう
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「それじゃあルドルフ、また来る。」
ようやく解放されて俺はまるで干からびたカエルの様にビクビクと痙攣していた。
そんなみっともない俺に、帰る支度を済ませたアーロ様は俺の額に唇を落とし、部屋から出て行った。
「う、アーロさまぁ…」
シーンと部屋は静かでさっきまで与えられていた熱が冷めると途端にものすごく辛くて寂しくなる。
ようやく痙攣が治り、俺はゆっくりと身体を起こした。
「ゔっ……腰が…」
腰だけじゃない、あらゆる身体の場所に激痛が走る。あんなに激しくされたのだから痛みが出るのは当たり前だ。喉だってガラガラだ。
なんとかテーブルの上に置かれたピッチャーを手に取りそのまま直接口に含み飲み干す。
再び俺はベッドに横たわる。そして右足にはめられている枷を触る。
「これさえどうにか出来れば…」
この地獄のような生活をずっと送るつもりはない。必ずここから逃げ出すつもりだ。
…じゃないと、アーロ様はこの先俺に固執続ける。
オルレアン家の跡継ぎがこんなことをしているとバレたら一巻のおしまいだ。あれから何度も必死に説得したがアーロ様は聞く耳持たずだった。
アーロ様の為にも俺はここから逃げ出さなくてはいけない。
本当は、アーロ様の為ではないのかもしれない。両思いなのに叶わない恋なのだ。なのにアーロ様は俺を抱く。彼に抱かれるたび俺の心が辛くなるのだ。
結局、俺は自分のことしか考えてない。
もしかしたら、これが俺の与えられた罰なのかもしれない。
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