護衛騎士をやめたら軟禁されました。

海野(サブ)

文字の大きさ
11 / 12

11

しおりを挟む
 今日は満月なのだろうか、いつもより部屋が月光で明るく照らされていた。
 そう思っているとドアが開かれた。アーロ様が来たのだ。
 アーロ様は深く被っていたフードを外す。フードで隠された白い髪が月光に反射されて輝いていた。
 
 あぁ、相変わらず美しい。

「ルドルフ…」

 アーロ様はいつも通り俺の側に近づくと押し倒し、そのまま唇を重ねてきた。
 柔らかい。
 いつもの俺はこのまま流されていたが、今日は違う。
 わざと口を開けると、アーロ様の舌が入ってきた。そして俺の方から舌を絡ませる。

「!!」

 予想外の出来事に驚いたのか一瞬動きが止まった。俺はそのままアーロ様の頬に手を当てて更に舌を絡ませていく。
 動揺していたアーロ様だったが、応じるように舌を絡ませてきた。
 
「んっ…ちゅっぱ、んぁっ…」

「ちゅっ、ぷはぁっ」

 ようやく口が離れた時、お互いの唇に銀の糸が繋がっていた。

「アーロさま…」

 俺はアーロ様の頬に手を添えた。目の下には更にクマが酷くなっているようだった。
 
「ルドルフ…?」

 困惑しているアーロ様を眺めながら、今度は俺から唇を重ねた。
 ただ唇が触れた軽いキス。初めて俺からキスをした。

「実は…自分もアーロ様の事が好きだったんです…」

「なっ!うそ、だ。そんな…」

 信じられないのか、アーロ様は上半身を起こしてベッドの上に座っている状態になり、手で顔を覆った。
 俺も上半身を起こして、アーロ様手を取り、顔を合わせる。
 アーロ様は困ったように眉を下げており、幼く見える。

「嘘ではありません、自分はアーロ様には相応しくないと思っていましたから、でも、今こうして俺を求めてくれている、こんな状況でも、嬉しいと思っているんです。」

 俺はずっと隠してきた想いをアーロ様に伝えた。この先も伝えるつもりはなかったこの想いを。

「アーロ様が望むなら自分はずっとここにいても構いません…けど、一つ、聞いても良いですか?」

「…なんだ。」

「……貴方は、オルレアン家の跡継ぎとしてこの暮らしに満足してますか?」

「それ、は…」

 アーロ様は回答に困ってしまったのか顔を伏せた。

「…僕は、お前が隣に居てくれれば…これ以上は何も望まない。そうすれば、全て受け入れられる…」

 掠れ掠れだが回答してくれた。
 けれどもそれは、俺の問いに対してズレた回答だった。まるで自分自身を説得するかのような、そんな回答だ。
 するとアーロ様は俺に抱きついてきた。

「だから、僕から離れないでくれ!!ルドルフが居ないと、僕は…僕は!!」

 鼻で細かく息を吸う音が聞こえる。身体が小刻みに震えているようだった。
 アーロ様は泣いている。
 俺はアーロ様の背中をさすった。

「…俺が護衛騎士を辞めたのは、貴方から離れる為だったんです。好きになってはいけない人を好きになったから、辛かったんです。けど、本当はずっと貴方の側に居たかった。だから、アーロ様…」

 俺は決意した。

「俺と一緒に、何もかも全て捨てて俺と逃げませんか?」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「大人扱いしていい?」〜純情当主、執務室で策士な従兄の『相性確認』にハメられる〜

中山(ほ)
BL
「ルイン、少し口開けてみて」 仕事終わりの静かな執務室。 差し入れの食事と、ポーションの瓶。 信頼していた従兄のトロンに誘われるまま、 ルインは「大人の相性確認」を始めることになる。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

学園の卒業パーティーで卒業生全員の筆下ろしを終わらせるまで帰れない保険医

ミクリ21
BL
学園の卒業パーティーで、卒業生達の筆下ろしをすることになった保険医の話。 筆下ろしが終わるまで、保険医は帰れません。

過保護な義兄ふたりのお嫁さん

ユーリ
BL
念願だった三人での暮らしをスタートさせた板垣三兄弟。双子の義兄×義弟の歳の差ラブの日常は甘いのです。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

助けたドS皇子がヤンデレになって俺を追いかけてきます!

夜刀神さつき
BL
医者である内藤 賢吾は、過労死した。しかし、死んだことに気がつかないまま異世界転生する。転生先で、急性虫垂炎のセドリック皇子を見つけた彼は、手術をしたくてたまらなくなる。「彼を解剖させてください」と告げ、周囲をドン引きさせる。その後、賢吾はセドリックを手術して助ける。命を助けられたセドリックは、賢吾に惹かれていく。賢吾は、セドリックの告白を断るが、セドリックは、諦めの悪いヤンデレ腹黒男だった。セドリックは、賢吾に助ける代わりに何でも言うことを聞くという約束をする。しかし、賢吾は約束を破り逃げ出し……。ほとんどコメディです。  ヤンデレ腹黒ドS皇子×頭のおかしい主人公

【BL】SNSで出会ったイケメンに捕まるまで

久遠院 純
BL
タイトル通りの内容です。 自称平凡モブ顔の主人公が、イケメンに捕まるまでのお話。 他サイトでも公開しています。

婚活アプリのテスト版に登録させられたら何故か自社の社長としかマッチング出来ないのですが?

こたま 療養中
BL
オメガ男子の小島史(ふみ)は、ネットを中心に展開している中小広告代理店の経理部に勤めている。会社が国の補助金が入る婚活アプリ開発に関わる事になった。テスト版には、自社の未婚で番のいないアルファとオメガはもちろん未婚のベータも必ず登録して動作確認をするようにと業務命令が下された。史が仕方なく登録すると社長の辰巳皇成(こうせい)からマッチング希望が…

処理中です...