目付きの悪い俺が黒猫に振り回されてます。

海野(サブ)

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前編

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「はっ……!!」

 俺は目が覚めた瞬間に布団をめくって下着の中を確認した。下着の中は特に汚れていなかった。安堵した後、隣に視線を移す。クロはすやすやと寝ているようだった。
 
「はぁ……」

 思わずため息をついた。またあの"夢"を見てしまった罪悪感があったからだ。
 そう、あれは夢だ。俺の願望が夢として現れたのだ。
 というのもあの猫耳が生えている男の影に身体を弄られている夢を見るようになったのはクロを飼い始めてからしばらくしてからだった。しかもほぼ毎晩似たような夢を見る。
 最初は抵抗していたような気はするが、いつのまにか受け入れるようになっていた。いや、期待するようになったと言った方がいいのだろうか。まるで現実のように甘く熱く、あの快感をずっと味わっていたかった。
 というか告白をしてしまうと俺は元々性欲が強い方ではある。自慰だってクロが来る前は頻繁にしていた。

 しかも俺は女のように抱かれて限界まで攻めてほしいという願望を持っているのだ。
 
 何故そんなことを思うようになったのか、それは昔たまたまゲイ向けのAVを観てしまった時だった。ネコ役の男優がまるで女のように弄られ抱かれているのを観て性癖が歪んだ。男もそんな風に抱かれても良いんだと知った。
 気づけば自分のモノを擦るだけでは足りなくなってしまった。誰かに抱かれている妄想をしながら自分で乳首を弄ったり、後孔に指を入れたり…しまいには大人の玩具に手を出す始末。
 けど必ず賢者モードに入ると虚しくなった。
 別に男に抱かれたいとかではない。抱いてくれるなら性別は関係なかった。ただ誰かに抱かれたかった、人の温もりを感じたかった。 
 とはいえ恋人は居ないし、風俗に行こうにもこんな目つきの悪い男なんかを抱かせるのは申し訳なくて諦めていた。
 それでクロを飼い始めた時は自慰は控えていた。するとしてもトイレでさっさと済ませていた。
 いやだって、クロは猫で人間ではないとはいえ同じ空間で自慰なんか出来る訳がない。恥ずかしいというより気まずいからだ。
 だが元々性欲強いのだ。その我慢が夢にまで影響を与えたのだろう。願望が夢として出てくるっていうのは有名な話だ。
 それはまだ良い、けど問題は夢に出てくる男?の影がよりによってクロを猫人間したような姿をしているのだ!いくらクロが俺に心開いてくれてるのが嬉しいからってそんな夢を見るのはクロに申し訳ないだろ!
 もちろんその影=クロとは完全には思ってないけど、それでも影響を受けているのは間違いないだろう。実に情け無い話だ。

「…ふにゃーん」

 俺が頭を抱えていると、クロのあくびが聞こえた。

「起きたのか、おはようクロ。」

 とりあえず罪悪感やら色々あるが俺はクロの頭を撫でた。クロはにゃーんと頭をぐりぐりしてきた。
 あぁやっぱり可愛いなぁ。可愛いからこそ罪悪感が増すのだが。
 
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