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前編
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チラッ…チラッ…
テレビで紹介されたカフェは時間帯関係なく賑わってたくさんのお客さんが来ていた。しかも当たり前に女性客ばかり、男2人だと目立ってしまう。さっきからチラチラと視線を感じる。
ただ俺達の場合、男だからという理由ではない気はする。
「なんかすごい人が居るね。みんなあのパフェ目的なのかな?」
店に入って席についてクロは周りを眺めながら驚いていた。
今、クロの姿は人間と変わらない。猫耳と尻尾がないのだ。猫の姿に化けられるということは、逆に人間の姿にも化けられるということなのだろうか?
そんなクロを周りの女性達はチラッと見て相方とヒソヒソと話していた。
「あの男の子可愛さとカッコ良さが混ざっててやばくない?」
「わかる、猫みたいな美人で可愛いみたいな感じ。けど同時にオスっぽさもあって良いって感じ。」
猫みたいなというか猫なんだけどな。
けど確かにクロは顔が良い。改めて見るとSNSで見かけるような中性的で線が細いけどちゃんと男みたいな雰囲気も捉えている甘い顔をしている。
「ただ、隣の男の人とはどんな関係…?友達同士というオーラは感じないけど…」
「なんかこう、あやしい雰囲気というかなんというか…」
何故かノーマルな関係性ではないと思われているような気がするのは気のせいだろうか?いやまぁ友達と言われたら違うけど…
ちょんちょん、とクロが人差し指で突いてきた。
「聞いてる?」
「あ、わ、わるい…その、周りの目が気になって…」
今、俺の髪型はちょっと前髪が垂れたオールバックで、目元がはっきりと出ている。せめて伊達メガネを付けさせてほしいと言ったのだが付けさせてはくれなかった。そわそわして実に落ち着かない。
「シロウ、もっと堂々としていなよ。別に悪いことしてる訳じゃないんだからさ。」
「け、けど…」
「もー、まぁいいや。早く注文しよ、シロウはやっぱりこのいちごパフェにする?」
「……あぁ。」
「おっけー、じゃあ呼ぶね。」
呼び鈴を鳴らすと店員が来る。俺はメニュー表を見て出来るだけ視線を合わせないようにする。
「いちごパフェと、このスペシャルパフェをお願いしまーす♪」
こ、こいつ一番高いメニューを頼みやがった!金を出すのは俺なんだけど!?
「は、はい!いちごパフェとスペシャルパフェですね!」
若い女性店員はクロの笑顔に心を奪われたのか頬を赤くしていた。羨ましい限りだ。いや別にモテたいとかじゃないのだが。
いや、それはともかく。クロが率先して注文してくれた。実にありがたい。
「すぐに来るかな?」
「こんなに混んでるからな、だいぶ待つだろうよ。それよりも、ありがとうな。注文してくれて。」
「いーえ♪ただ店員と顔合わせなかったのは良くなかったと思うなー?」
「う、クロが率先してくれたのもあるが…人と顔を合わせたくないんだよ…怖がらせるし…」
もちろんちゃんと相手の目を見ないといけないことぐらいわかっている。けど目を合わせようとすると必ず相手はビビってしまうのだ。
「ふーん。けど僕とは目を合わせてくれるよね?」
そう言われて俺ははっとクロの顔を見た。確かにクロとは目を合わせられる。それはきっとクロは俺の顔を見ても怖がる素振りを見せないからだ。
「お前が異質なだけだ…」
「えーなにそれー。というか今わかったけど、シロウは他人の目が怖いんだね。」
「…は?」
他人の目が怖い?怖がらせるではなく?
「だってそうでしょ?何しても怯えて、ここに来るまですごい周り気にしてたし、今も気にしてるみたいだし。それが顔に出てるんじゃない?」
「それは…」
「シロウ、周りの目が気になるのは当たり前だよ。確かに他の奴らって外見だけで判断してくるしね。けどそんなのいちいち気にしてたらキリがないよ。」
「クロ…?」
ニコニコとクロは笑みを浮かべているが、その目の奥に何か暗いものを感じた。それに言葉もどこか棘があるような。
「お待たせしました、いちごパフェとスペシャルパフェでございます。」
「あ、きたね♪」
ある意味タイミングが良かったのか、思ったより早く注文したパフェが運ばれてきた。
「わーすごーい!豪華ー!」
「確かにすごいなこれ…」
俺が頼んだいちごパフェはテレビで見たのと同じで、なんなら思ったより大きかった。クロが頼んだスペシャルパフェは流石一番高いパフェであってか沢山の果物と色んな味のアイスがトッピングされていた。
「いただきまーす♪」
「いただきます。」
まずは生クリームをパクッと口に入れる。口に入れた瞬間にふわっと甘さが広がり舌に溶けた。実に甘いが軽い食感で生クリームだけで食べられそうになる。
「美味しいな、これ…」
ひとくち、またひとくちと次々と口に運んでしまう。あえて酸味のあるいちごを使用してるのか、甘い生クリームと相性が良い。
「うーん!確かに美味しいね♪ほらシロウ、こっちのパフェも食べてみてよ。美味しいよ。」
そう言ってクロは生クリームとアイスを乗せたスプーンをこちらに向けてきた。
「ほらあーん。」
「おおおいっ!や、やめろっ!!恥ずかしいだろうが!!」
「だから周りなんか気にしなくていいんだってば。」
「それとこれとは違うだろっ!!」
なんでこいつはこんな恥が無いんだ!
テレビで紹介されたカフェは時間帯関係なく賑わってたくさんのお客さんが来ていた。しかも当たり前に女性客ばかり、男2人だと目立ってしまう。さっきからチラチラと視線を感じる。
ただ俺達の場合、男だからという理由ではない気はする。
「なんかすごい人が居るね。みんなあのパフェ目的なのかな?」
店に入って席についてクロは周りを眺めながら驚いていた。
今、クロの姿は人間と変わらない。猫耳と尻尾がないのだ。猫の姿に化けられるということは、逆に人間の姿にも化けられるということなのだろうか?
そんなクロを周りの女性達はチラッと見て相方とヒソヒソと話していた。
「あの男の子可愛さとカッコ良さが混ざっててやばくない?」
「わかる、猫みたいな美人で可愛いみたいな感じ。けど同時にオスっぽさもあって良いって感じ。」
猫みたいなというか猫なんだけどな。
けど確かにクロは顔が良い。改めて見るとSNSで見かけるような中性的で線が細いけどちゃんと男みたいな雰囲気も捉えている甘い顔をしている。
「ただ、隣の男の人とはどんな関係…?友達同士というオーラは感じないけど…」
「なんかこう、あやしい雰囲気というかなんというか…」
何故かノーマルな関係性ではないと思われているような気がするのは気のせいだろうか?いやまぁ友達と言われたら違うけど…
ちょんちょん、とクロが人差し指で突いてきた。
「聞いてる?」
「あ、わ、わるい…その、周りの目が気になって…」
今、俺の髪型はちょっと前髪が垂れたオールバックで、目元がはっきりと出ている。せめて伊達メガネを付けさせてほしいと言ったのだが付けさせてはくれなかった。そわそわして実に落ち着かない。
「シロウ、もっと堂々としていなよ。別に悪いことしてる訳じゃないんだからさ。」
「け、けど…」
「もー、まぁいいや。早く注文しよ、シロウはやっぱりこのいちごパフェにする?」
「……あぁ。」
「おっけー、じゃあ呼ぶね。」
呼び鈴を鳴らすと店員が来る。俺はメニュー表を見て出来るだけ視線を合わせないようにする。
「いちごパフェと、このスペシャルパフェをお願いしまーす♪」
こ、こいつ一番高いメニューを頼みやがった!金を出すのは俺なんだけど!?
「は、はい!いちごパフェとスペシャルパフェですね!」
若い女性店員はクロの笑顔に心を奪われたのか頬を赤くしていた。羨ましい限りだ。いや別にモテたいとかじゃないのだが。
いや、それはともかく。クロが率先して注文してくれた。実にありがたい。
「すぐに来るかな?」
「こんなに混んでるからな、だいぶ待つだろうよ。それよりも、ありがとうな。注文してくれて。」
「いーえ♪ただ店員と顔合わせなかったのは良くなかったと思うなー?」
「う、クロが率先してくれたのもあるが…人と顔を合わせたくないんだよ…怖がらせるし…」
もちろんちゃんと相手の目を見ないといけないことぐらいわかっている。けど目を合わせようとすると必ず相手はビビってしまうのだ。
「ふーん。けど僕とは目を合わせてくれるよね?」
そう言われて俺ははっとクロの顔を見た。確かにクロとは目を合わせられる。それはきっとクロは俺の顔を見ても怖がる素振りを見せないからだ。
「お前が異質なだけだ…」
「えーなにそれー。というか今わかったけど、シロウは他人の目が怖いんだね。」
「…は?」
他人の目が怖い?怖がらせるではなく?
「だってそうでしょ?何しても怯えて、ここに来るまですごい周り気にしてたし、今も気にしてるみたいだし。それが顔に出てるんじゃない?」
「それは…」
「シロウ、周りの目が気になるのは当たり前だよ。確かに他の奴らって外見だけで判断してくるしね。けどそんなのいちいち気にしてたらキリがないよ。」
「クロ…?」
ニコニコとクロは笑みを浮かべているが、その目の奥に何か暗いものを感じた。それに言葉もどこか棘があるような。
「お待たせしました、いちごパフェとスペシャルパフェでございます。」
「あ、きたね♪」
ある意味タイミングが良かったのか、思ったより早く注文したパフェが運ばれてきた。
「わーすごーい!豪華ー!」
「確かにすごいなこれ…」
俺が頼んだいちごパフェはテレビで見たのと同じで、なんなら思ったより大きかった。クロが頼んだスペシャルパフェは流石一番高いパフェであってか沢山の果物と色んな味のアイスがトッピングされていた。
「いただきまーす♪」
「いただきます。」
まずは生クリームをパクッと口に入れる。口に入れた瞬間にふわっと甘さが広がり舌に溶けた。実に甘いが軽い食感で生クリームだけで食べられそうになる。
「美味しいな、これ…」
ひとくち、またひとくちと次々と口に運んでしまう。あえて酸味のあるいちごを使用してるのか、甘い生クリームと相性が良い。
「うーん!確かに美味しいね♪ほらシロウ、こっちのパフェも食べてみてよ。美味しいよ。」
そう言ってクロは生クリームとアイスを乗せたスプーンをこちらに向けてきた。
「ほらあーん。」
「おおおいっ!や、やめろっ!!恥ずかしいだろうが!!」
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「それとこれとは違うだろっ!!」
なんでこいつはこんな恥が無いんだ!
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