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前編
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「ぱ、パフェだけで6、6千円越え…」
想定を遙かに超えてきたパフェを食べ終わった俺は若干呆然としていた。高いとは思っていたが、俺が食べたいちごパフェは3000円超えていた。クロはお金持っていなかったらしく、全部俺がクロの分も払う羽目になった。というか最初から俺に奢らせる気満々だったんじゃなかろうか。
「美味しかったねシロウ♪」
「まぁ、うん。そうだな…」
「もー、シロウったら。お金は後日返すよ♪。それよりも今日はもう帰る?」
クロにそう言われて俺はスマホで時間を確認する。現在13時を過ぎていた。
俺は少し悩んだ。目的であるパフェは食べ終わったし、やることがないからまっすぐ帰っても良い。というか既に色々気疲れているからもう帰りたいという気持ちがあった。
だが、クロはどうなんだろうか。言い出しっぺはクロではあるが、一応俺が行きたがっていた店に付いて来てくれた。
「…クロはどこ行きたいんだ?」
「えー?そうだなぁ。別にこのまま家に帰っても良いけどぉ…………ん?」
行き先を探していると、クロがとあるポスターに指を差した。
「じゃあここに行かない?」
ーーーーー
ワーー!ワーーー!
キャー!!
ワイワイガヤガヤガヤ
「遊園地…」
場所は変わって俺達は遊園地に来ていた。家族や恋人、友達同士で遊びに来ている人がたくさんいるせいか随分と賑わっていた。
「わー、あのカフェよりも更にたくさん人がいるねー。」
「まぁ、遊園地だからな…」
遊園地なんて最後に行ったのは何年前だろうか。というかここまで人が多い場所に来るのでさえ何年ぶりだろうか。
無意識に俺は周りをビビらせないように顔を下に向けていた。
「シーロウ。」
「うわっ!? 驚かせんなよ!?」
下から急にクロが顔を覗き込んできた。
「もうシロウたら…堂々としてなよ。ほら周り見てみなよ。シロウのこと気にしてる?誰も僕達に関心を向けてないよ?」
確かに、客達はそれぞれアトラクションやフード、キャラクターとかに夢中で俺のことは気にも留めていないようだった。
「だから楽しもうよ?ね?」
クロの言う通りだ。せっかく遊びに来たというのに周りの視線を気にしすぎるのは良くないのかもしれない。それにここまで来たということは、俺は遊園地を楽しみたいという気持ちがあったのかもしれない。
「そう、だな。堂々とは無理だが、少しは気を緩めてみるよ。」
「よし!じゃあまずはあのアトラクションに乗ってみようよ。」
それから俺達は片っ端からアトラクションに乗った。数年ぶりのジェットコースターに乗った時、あまりにも恐怖で顔がすごいことになっていた。まさか写真が撮られていて、その内容は言わずもがな、俺の顔が大変険しいものになっていた。周りの客は若干引いていたが、クロは
「あははは!シロウったら変な顔になってるじゃん!」
と腹を抱えて大笑いしやがった。肝心のクロは写真が撮られるのを知っていたかのように余裕のキメ顔をしていた。
「あー笑った。じゃあ次はあそこ行こうよ。」
「待て、なんでお前はそんな体力あるんだよ!!」
若干バテ始めた俺の手をクロは引っ張って次のアトラクションに向かう。
次のアトラクションはお化け屋敷だった。キャストにルールを説明されてさっそく中に入ると、赤黒い空間が奥へと続いていた。
「……なぁ、クロはホラーは平気なのか?」
「うん。だってお化けより生きてるやつの方がずーと醜くて何するかわからないじゃん。そうでしょ?」
「それは………」
俺は言葉に詰まった。カフェの時うっすら感じていたが、クロって実は何か闇を抱えているのだろうか?店員やスタッフとかにはニコニコと接していたが。もしかして人間に対してあんまりいい感情を抱いていないのだろうか。化け猫だし、人間に何かされてきたのだろうか…
「だから何か脅かしてきても僕は平気だもんね。もし怖かったら抱きついてきてもいいんだよ?」
「誰かするか!!」
ガタンッ
「う゛ら゛め゛し゛や゛ぁぁああ!!」
「「…ぎゃあああああああああああ!!!!!!」」
突然背後から血塗れで薄汚れた男の霊が現れ、不気味な声で脅かしてきた。
俺達は驚きのあまり叫んで互いに抱きついた。
そして次から次へと幽霊達が脅かしてくる。
「ちょっとしろう!!早くとってば!!!またお化けくるかもしれないじゃんか!!」
「だったらお前が取れよ!!」
しかもこのお化け屋敷、置いてあるおふだを取らないといけないルールがある為、テーブルに置かれたおふだを取らなければいけないのだが、明らかに脅かしてくる気配がするので互いに押し付け合っていた。
叫びまくり、若干駆け足で道を走ってようやく外に出られた。
「ぜぇぜぇぜぇ……」
「はぁ…はぁ…はぁ…」
どのアトラクションよりも体力も精神的にも持っていかれた気がする。俺達は息を切らしていた。
「……くっ、くくく…やっぱり無理だ…あははははは!」
ようやく息が整ってきて、俺はお化け屋敷内のクロの行動を思い出して、笑い出してしまった。
「え、なに急に。怖いんだけど。」
「あはははは!わ、わるい……だ、だって、お前。入った時あんな澄ました顔、し、してたくせに、くはっ、いざ幽霊出てきたらめちゃくちゃび、ビビりまくってたじゃねえか!あははは!」
「は?!!いやあれはちがっ!!ていうかシロウだってめちゃくちゃ怖がってたじゃん!!!!???!」
「べ、別に俺は一度も怖くないとか見栄張ってねえよ。ていうか妖怪なのに幽霊怖いのかよ!あははははは!!」
普段、余裕のある態度を取っていたクロだからこそ、あんなにビビっているのを見るとなんだか面白かった。しかも今もめちゃくちゃ否定しているのがより面白さを倍増していた。
「それは関係ないじゃん!!!!というかいつまで笑ってるのさ?!!」
「あはは!つか、クロだってさっきのジェットコースターの写真の時笑っていたからお互い様だろうが。あはははは!」
しばらく俺は笑いが止まることはなかった。そのせいでクロの方は不貞腐れていた。
想定を遙かに超えてきたパフェを食べ終わった俺は若干呆然としていた。高いとは思っていたが、俺が食べたいちごパフェは3000円超えていた。クロはお金持っていなかったらしく、全部俺がクロの分も払う羽目になった。というか最初から俺に奢らせる気満々だったんじゃなかろうか。
「美味しかったねシロウ♪」
「まぁ、うん。そうだな…」
「もー、シロウったら。お金は後日返すよ♪。それよりも今日はもう帰る?」
クロにそう言われて俺はスマホで時間を確認する。現在13時を過ぎていた。
俺は少し悩んだ。目的であるパフェは食べ終わったし、やることがないからまっすぐ帰っても良い。というか既に色々気疲れているからもう帰りたいという気持ちがあった。
だが、クロはどうなんだろうか。言い出しっぺはクロではあるが、一応俺が行きたがっていた店に付いて来てくれた。
「…クロはどこ行きたいんだ?」
「えー?そうだなぁ。別にこのまま家に帰っても良いけどぉ…………ん?」
行き先を探していると、クロがとあるポスターに指を差した。
「じゃあここに行かない?」
ーーーーー
ワーー!ワーーー!
キャー!!
ワイワイガヤガヤガヤ
「遊園地…」
場所は変わって俺達は遊園地に来ていた。家族や恋人、友達同士で遊びに来ている人がたくさんいるせいか随分と賑わっていた。
「わー、あのカフェよりも更にたくさん人がいるねー。」
「まぁ、遊園地だからな…」
遊園地なんて最後に行ったのは何年前だろうか。というかここまで人が多い場所に来るのでさえ何年ぶりだろうか。
無意識に俺は周りをビビらせないように顔を下に向けていた。
「シーロウ。」
「うわっ!? 驚かせんなよ!?」
下から急にクロが顔を覗き込んできた。
「もうシロウたら…堂々としてなよ。ほら周り見てみなよ。シロウのこと気にしてる?誰も僕達に関心を向けてないよ?」
確かに、客達はそれぞれアトラクションやフード、キャラクターとかに夢中で俺のことは気にも留めていないようだった。
「だから楽しもうよ?ね?」
クロの言う通りだ。せっかく遊びに来たというのに周りの視線を気にしすぎるのは良くないのかもしれない。それにここまで来たということは、俺は遊園地を楽しみたいという気持ちがあったのかもしれない。
「そう、だな。堂々とは無理だが、少しは気を緩めてみるよ。」
「よし!じゃあまずはあのアトラクションに乗ってみようよ。」
それから俺達は片っ端からアトラクションに乗った。数年ぶりのジェットコースターに乗った時、あまりにも恐怖で顔がすごいことになっていた。まさか写真が撮られていて、その内容は言わずもがな、俺の顔が大変険しいものになっていた。周りの客は若干引いていたが、クロは
「あははは!シロウったら変な顔になってるじゃん!」
と腹を抱えて大笑いしやがった。肝心のクロは写真が撮られるのを知っていたかのように余裕のキメ顔をしていた。
「あー笑った。じゃあ次はあそこ行こうよ。」
「待て、なんでお前はそんな体力あるんだよ!!」
若干バテ始めた俺の手をクロは引っ張って次のアトラクションに向かう。
次のアトラクションはお化け屋敷だった。キャストにルールを説明されてさっそく中に入ると、赤黒い空間が奥へと続いていた。
「……なぁ、クロはホラーは平気なのか?」
「うん。だってお化けより生きてるやつの方がずーと醜くて何するかわからないじゃん。そうでしょ?」
「それは………」
俺は言葉に詰まった。カフェの時うっすら感じていたが、クロって実は何か闇を抱えているのだろうか?店員やスタッフとかにはニコニコと接していたが。もしかして人間に対してあんまりいい感情を抱いていないのだろうか。化け猫だし、人間に何かされてきたのだろうか…
「だから何か脅かしてきても僕は平気だもんね。もし怖かったら抱きついてきてもいいんだよ?」
「誰かするか!!」
ガタンッ
「う゛ら゛め゛し゛や゛ぁぁああ!!」
「「…ぎゃあああああああああああ!!!!!!」」
突然背後から血塗れで薄汚れた男の霊が現れ、不気味な声で脅かしてきた。
俺達は驚きのあまり叫んで互いに抱きついた。
そして次から次へと幽霊達が脅かしてくる。
「ちょっとしろう!!早くとってば!!!またお化けくるかもしれないじゃんか!!」
「だったらお前が取れよ!!」
しかもこのお化け屋敷、置いてあるおふだを取らないといけないルールがある為、テーブルに置かれたおふだを取らなければいけないのだが、明らかに脅かしてくる気配がするので互いに押し付け合っていた。
叫びまくり、若干駆け足で道を走ってようやく外に出られた。
「ぜぇぜぇぜぇ……」
「はぁ…はぁ…はぁ…」
どのアトラクションよりも体力も精神的にも持っていかれた気がする。俺達は息を切らしていた。
「……くっ、くくく…やっぱり無理だ…あははははは!」
ようやく息が整ってきて、俺はお化け屋敷内のクロの行動を思い出して、笑い出してしまった。
「え、なに急に。怖いんだけど。」
「あはははは!わ、わるい……だ、だって、お前。入った時あんな澄ました顔、し、してたくせに、くはっ、いざ幽霊出てきたらめちゃくちゃび、ビビりまくってたじゃねえか!あははは!」
「は?!!いやあれはちがっ!!ていうかシロウだってめちゃくちゃ怖がってたじゃん!!!!???!」
「べ、別に俺は一度も怖くないとか見栄張ってねえよ。ていうか妖怪なのに幽霊怖いのかよ!あははははは!!」
普段、余裕のある態度を取っていたクロだからこそ、あんなにビビっているのを見るとなんだか面白かった。しかも今もめちゃくちゃ否定しているのがより面白さを倍増していた。
「それは関係ないじゃん!!!!というかいつまで笑ってるのさ?!!」
「あはは!つか、クロだってさっきのジェットコースターの写真の時笑っていたからお互い様だろうが。あはははは!」
しばらく俺は笑いが止まることはなかった。そのせいでクロの方は不貞腐れていた。
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