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前編
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「くうっ……ようやく外せた…」
長き戦いの末、ようやく腕を拘束していたタオルを外すことが出来た。
とにかくここまで最悪だった。固く縛られていたタオルは外せない、だからと言って他の人に外してもらうにも、明らかに事後であるこの姿を見られたくない。じゃあ自分で外すしかなかった。
「ゔっっ!!」
つぅ…と、俺の中に注がれていた性液があふれてきた。それは、俺がクロとシたという証のようで誰にも見られてるわけでもないのに恥ずかしかった。
「と、とにかくシャワーだな…」
俺はふらつきながらもお風呂場に行き、シャワーを浴びて、なんとか中に注がれていた性液も流した。
そのまま俺はベッドに倒れるように飛び込んだ。
身体のあちこちズキズキと痛む。特に首とお尻が痛い。シャワー中鏡に映った俺の身体は、実に痛々しかった。噛み跡が多数あったし、行為中思わず涙が出ていたせいで、目は腫れてるし…
「ったくクロのやつ…なんでこんな真似を…」
自分なりに考えたが、どうも変な方ばかり思いつく。
執着して自分のものだとアピールするためにマーキングするというやつ。クロの場合もそうなんだろうか。
『なんでそんなに他人と繋がりたいの……?僕だけで良くない?』
そう言っていたということは、少なくともクロは俺に執着があるってことか?え、なにアイツ、メンヘラ?
………いや、考えるのは良そう。クロは出て行った。俺を犯して出て行った奴なんか考えてやる必要はない。そう思い、俺は目を閉じた。明日布団洗わないと…
「…………くそぅ…」
しばらく目を閉じたままでいたが、モヤモヤして眠れそうになかった。
こんな真夜中に出て行く当てはあるのだろうか。それに、お金だって持ち歩いているのだろうか。考える必要はないのに、クロのことばかり考えてしまう。
「……クロ…」
正直、クロが何考えてるのかわからない。それは最初からそうだった。けど最近は少しずつ距離が縮まった気がした。
優しい奴なんだと思っていた。風邪を引いた時に看病してくれたのはもちろん、俺のこと気にかけてくれてる部分もあった。
クロのおかげで俺は自分の悪い部分を見直すことが出来た。目つきだけが悪いと思ってて、自分でそれに気づけた。灰島さんと銀原君と仲良くなれたのもクロのおかげだったのに。
そんなクロに、変わらなくてもいいって言われた時、すごく悲しかった。少なくとも前の自分より今の自分の方が好きになってきたというのに。クロに今の自分を否定されたみたいだった。
噛み付かれて、身体を縛られて、無理矢理犯されたことより、その言葉の方が何倍も心に突き刺さり、痛く辛かった。
「…………ははっ、くっだらね…」
それほどまでに俺はクロに気を許していたんだろう。クロはそんな俺が嫌だったのだろうな。
…………まて、じゃあ俺はクロに何かしたのか?
俺はガバッと上半身を起こした。
いやまぁ、部屋に住まわせていたし精力だって与えてはいた。けどそれはなんか違う。
というか最近クロとまともに接してたか…?灰島さんや銀原君ばかり夢中になって、クロのこと気にかけていたか?
してない。
その瞬間、俺は頭を抱えた。俺はなんということをしてしまったのだ。散々頭の中では感謝していたが、肝心の本人には伝えてないし、むしろぞんざいに接していた気がする。
それで俺を無理矢理犯すのは違うと思うが、正直、いずれ挿入される気はしていた。
「……はぁぁぁ…」
自分がいかに非情な奴だと気づいてため息が付く。俺はクロに甘えていたんだ。甘えていたのに、返す気はなかった。
もし、クロが俺に執着していたとするならば、あんなこと言ってしまっても仕方ない気がしてきた。恩を仇で返したような感じだろうから。
なんかそう思ったら、一気に怒りの熱が下がった気がする。もちろんクロも悪い部分はある。だがきっかけは俺の態度なんだろう。
「……あやまろう。」
俺は服を着替えて真夜中に、クロを探しに家を飛び出した。
長き戦いの末、ようやく腕を拘束していたタオルを外すことが出来た。
とにかくここまで最悪だった。固く縛られていたタオルは外せない、だからと言って他の人に外してもらうにも、明らかに事後であるこの姿を見られたくない。じゃあ自分で外すしかなかった。
「ゔっっ!!」
つぅ…と、俺の中に注がれていた性液があふれてきた。それは、俺がクロとシたという証のようで誰にも見られてるわけでもないのに恥ずかしかった。
「と、とにかくシャワーだな…」
俺はふらつきながらもお風呂場に行き、シャワーを浴びて、なんとか中に注がれていた性液も流した。
そのまま俺はベッドに倒れるように飛び込んだ。
身体のあちこちズキズキと痛む。特に首とお尻が痛い。シャワー中鏡に映った俺の身体は、実に痛々しかった。噛み跡が多数あったし、行為中思わず涙が出ていたせいで、目は腫れてるし…
「ったくクロのやつ…なんでこんな真似を…」
自分なりに考えたが、どうも変な方ばかり思いつく。
執着して自分のものだとアピールするためにマーキングするというやつ。クロの場合もそうなんだろうか。
『なんでそんなに他人と繋がりたいの……?僕だけで良くない?』
そう言っていたということは、少なくともクロは俺に執着があるってことか?え、なにアイツ、メンヘラ?
………いや、考えるのは良そう。クロは出て行った。俺を犯して出て行った奴なんか考えてやる必要はない。そう思い、俺は目を閉じた。明日布団洗わないと…
「…………くそぅ…」
しばらく目を閉じたままでいたが、モヤモヤして眠れそうになかった。
こんな真夜中に出て行く当てはあるのだろうか。それに、お金だって持ち歩いているのだろうか。考える必要はないのに、クロのことばかり考えてしまう。
「……クロ…」
正直、クロが何考えてるのかわからない。それは最初からそうだった。けど最近は少しずつ距離が縮まった気がした。
優しい奴なんだと思っていた。風邪を引いた時に看病してくれたのはもちろん、俺のこと気にかけてくれてる部分もあった。
クロのおかげで俺は自分の悪い部分を見直すことが出来た。目つきだけが悪いと思ってて、自分でそれに気づけた。灰島さんと銀原君と仲良くなれたのもクロのおかげだったのに。
そんなクロに、変わらなくてもいいって言われた時、すごく悲しかった。少なくとも前の自分より今の自分の方が好きになってきたというのに。クロに今の自分を否定されたみたいだった。
噛み付かれて、身体を縛られて、無理矢理犯されたことより、その言葉の方が何倍も心に突き刺さり、痛く辛かった。
「…………ははっ、くっだらね…」
それほどまでに俺はクロに気を許していたんだろう。クロはそんな俺が嫌だったのだろうな。
…………まて、じゃあ俺はクロに何かしたのか?
俺はガバッと上半身を起こした。
いやまぁ、部屋に住まわせていたし精力だって与えてはいた。けどそれはなんか違う。
というか最近クロとまともに接してたか…?灰島さんや銀原君ばかり夢中になって、クロのこと気にかけていたか?
してない。
その瞬間、俺は頭を抱えた。俺はなんということをしてしまったのだ。散々頭の中では感謝していたが、肝心の本人には伝えてないし、むしろぞんざいに接していた気がする。
それで俺を無理矢理犯すのは違うと思うが、正直、いずれ挿入される気はしていた。
「……はぁぁぁ…」
自分がいかに非情な奴だと気づいてため息が付く。俺はクロに甘えていたんだ。甘えていたのに、返す気はなかった。
もし、クロが俺に執着していたとするならば、あんなこと言ってしまっても仕方ない気がしてきた。恩を仇で返したような感じだろうから。
なんかそう思ったら、一気に怒りの熱が下がった気がする。もちろんクロも悪い部分はある。だがきっかけは俺の態度なんだろう。
「……あやまろう。」
俺は服を着替えて真夜中に、クロを探しに家を飛び出した。
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