1000の地球産アイテムで異世界無双 ~それ、使いかた違うからっ!!~

メイン君

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第3話「今夜もモカは叫ぶ」

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「トランプの使いかた間違ってるから!」

 モカが俺に向かってそう叫んだ。

 うん?

 おお、そっか……、そういうことか。

 きっと俺がさっき使ってた使いかた程度では、間違ってるも同然という意味なんだろう。
 威力的な意味で間違っていたのだろう。

 モカたち地球人は、もっと上手くこのトランプという名の武器・・潜在力ポテンシャルを引き出せるのだろう。 
 自分たちの世界の武器なら、初見の俺なんかよりもっと上手く扱えて当然だよな。

 さっきも、モカ自身がトランプで戦ったほうがスムーズだったのかもしれない。
 モカだったらトランプ1枚でオーク5体を倒せたのかもな。

「もっとトランプの威力を上げられるように俺頑張るよ!」

 俺の言葉を聞いたモカは……、なんだか変な顔になった。
 しかめっ面というか、力の抜けたというか、とりあえず変な表情だ。

 せっかくの可愛い顔が台無しだ。
 そう思ったけど、空気が読める俺はそんなことを口に出したりしない。

「まあいいよ。結果オーライってやつだね。マルス、それでこれからどうするの?」

 モカに問いかけられる。

「一度ゆっくり話をしたいし、街に戻ろう」

 俺が拠点にしている街に戻ることになった。

 オーク討伐は賞金が出るから討伐証明の耳を切り落として持っていく。
 本当はオークジェネラルの耳があれば、賞金もたくさんもらえたんだけどね。

 Cランクの魔物は、Dランクの魔物の10倍くらい賞金がもらえることもざらだ。
 惜しいことをしたけど、爆散してしまったのでしょうがない。

 俺たちは街に戻ることにした。
 街に戻るまでの間、俺はモカの質問攻めにあった。
 別の世界に来たばかりで、いろいろ聞きたいことがあったようだ。

 モカは、「中世ヨーロッパ風」とか「チート」とかよく分からない言葉を使っていた。
 でも、なんとなく楽しそうにしていたから、ほっとしたよ。

 別の世界で一人きりは心細いだろうからね。
 基本ぼっちの俺が言うのもなんだけどさ……。

 
◇◇◇


 モカには身分証明書がわりに、冒険者ギルドで冒険者登録をしてもらった。
 これから日銭を稼ぐときにも登録しておくと便利だからね。

 モカは「冒険者登録に魔力をはかる試験ないの? 魔力多すぎて水晶壊してギルドマスターにお呼ばれは?」とか意味不明なこと言っていた。

 冒険者登録は名前と年齢を書いておしまいだ。
 登録の時に知ったんだけど、モカは14歳のようだ。

 モカに歳を聞かれたから、18歳だと教えたら驚かれた。
 もっと上に見えてたらしい。
 老けてて悪かったなと言ったら、「わたしは落ち着いた男の人が好きだし、男は老けてるくらいがいいよ」と言われ、不覚にもドキッとしてしまった。


◇◇◇


 モカの冒険者登録が終わってから、俺がずっと借りている宿屋にやってきた。
 今は宿屋の一室に二人きりだ。

 俺は備え付けのイスに腰かけ、モカはベッドに腰かけている。

「えーと、何から話そうか?」

「そうだな……」

 話すべきことはいっぱいある気がするけど、何から話したらいいか分からない。

「じゃあまずは……、わたしの異世界転移についてかな」

「モカがどうして、どうやってこの世界に来たのかは、聞いておきたい」

「うん、そんな大した理由じゃないんだけどね……」

 そう言って目を細めるモカは、どこかはかなさを感じさせた。

「ああ……どんな理由が?」

「猫がねトラックにはねられそうになってたんだ……。そしたら、気づかないうちに飛び出しててさ……」

 ああいう時って理屈じゃないんだね、とモカが言う。

「話の途中でごめん。トラックって何?」

「えっ? そ、そうだよね。大きいモンスターだと思ってくれればいいかな。突っ込まれたら死んじゃうような……」

 なんかシリアスな雰囲気を壊してごめん……な感じだ。

「神話に出てくるベヒーモスに突っ込まれたようなものか……。トラックって怖いな。いや、猫を助けるためにベヒーモスの前に飛び出せたモカが勇敢というべきか……」

「ベヒーモスって……。そんな勇者みたいに言われても……。まあそんなことがあって死んじゃったのよ」

「そうか……、死んだのか。えっ? モカは生きてるよね?」

「うん。死んだあとで神様に異世界に生まれ変わらせてもらったの。そのままの姿だから、この場合は異世界転移かな」

「ごめん、モカ。話が全然わからない……」

 地球で死んでこの世界に来たってこと。
 死ぬと別の世界に生まれ変わるってこと?
 モカが特別なだけ?

「そうだよね。わたしも、地球でラノベっていう本を読んでなかったら意味分からなかったと思う」

「本って魔術書みたいなやつのこと?」

「あ、この世界の本事情が分からない……。まあいっか。それでね、神様にあった時にザックリと転移の説明をしてもらったの――」

 お互い上手く伝えられない部分はとりあえず飛ばすことにした。
 その内また話せば、理解できるようになりそうだしね。

 モカは神様にザックリと説明を受けたらしい。
 神様いわく、「五分で理解わかるザックリ異世界転移」とのこと。

 ミネルヴァもそうだけど、神様って俺が今まで思っていたイメージと違って結構お茶目だよね。

 そのザックリ異世界転移によると、モカは転移特典ということで二つの特異ユニークスキルを神様から授けられたとのことだ。

 一、言語理解(異世界の人が話す言葉の理解。文字も含む)

 一、概念魔法――“地球より愛をこめてトランスレーション”(一日一個だけ、地球の武器や道具アイテムを召喚することができる。何が召喚されるかはランダム)

 モカが神様に聞いた話によると、トランスレーションは武器が召喚される可能性が高いらしい。
 モカの話を聞いて、ザックリだけど話が分かった。

 モカのいた世界ではラノベというものに、異世界転移のことやオーク等の魔物のことが書いてあるらしい。
 それで、モカは妙に落ち着いた感じだったのか。
 知識があるのと無いのとでは全然違うもんね。

 今はザックリで十分だ。
 今後またいろいろ話していくうちに、お互いのことをもっと知っていけるだろう。

 それから宿屋の食堂で夕飯を食べ、俺のことも少しモカに話したりしてるうちに、時間は深夜になった。





「じゃあ、0時を過ぎたから。今日のトランスレーションをやってみるね」

 一日一個の召喚。
 一日というのは0時が起点になっているそうだ。

 今0時を越えたから、あらたに今日の分の地球産のアイテム召喚ができるというわけだ。

 俺は召喚の様子をじっと見守る。

「いいよ。召喚して」

 何が出てくるのかワクワクする。
 おそらくまた未知の物が出てくるだろう。

地球より愛をこめてトランスレーション

 モカの周りが輝き、モカの手のひらに光が収束する。
 モカの手のひらの上には、トランプの時と似たような箱が出現している。

「モカ、今回のアイテムは何だ? 強力な武器か?」

 俺はつい気になってモカに聞いた。

「えっ!? なんでこんなものが? ええーっ!」

 どうやら驚きの一品が、地球から届けられたようだ。
 モカの顔が少し赤くなっている気がする。

 俺は手を伸ばして、その箱をモカの手の上から取る。
 手に持てば、名称と使いかたが分かるからね。

「ふむ……、コンドーム・・・・・という武器か?」

 手にしたものから俺の頭の中に情報が流れこんでくる。

「あ、ちょっとマルス……」

 モカが焦っている。

「モカ? これの使い方を教えて欲しい!」

 なんとなくの使い方は理解・・ったけど、トランプの使い方があまいと言われた例がある。
 ここは地球人のモカからしっかり聞いておくべきだろう。

「えっ、そ、そんな……、つ、使い方なんて……、わたし使ったことないし……」

 モカは顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。
 声も少しうわずっている。
 コンドームを使ったことがないのは恥ずかしいことなのだろうか?
 モカが、う~う~言ってる姿はなんだか可愛いんだけどさ。

「できれば、モカから知ってる範囲で使い方を聞いておきたかったんだけど……。使ったことなくても恥ずかしくないよ」

 そうだよ、この世界の人は誰も使ったことないんだからさ。
 そもそも、無いしね。コンドーム。

「使ったことないのがというか……、使うのがというか……」

 モカの顔がさらに真っ赤になっていく。
 顔から蒸気が出そうだ。

 うーん、今は言いたくなさそうだし、昼間に効果を試してから聞いていけばいいかな。

「わかったよ、モカ。昼間に外でコンドームを使ってみよう!」

 俺は真剣な顔でモカを見つめる。
 モカが照れてるから、そういう時こそ俺は真剣でいないとね。

 そんな、俺に向かって真っ赤になったモカが叫んだ。

「……ま、真顔で何言ってるの!? し、しかも外とか!? わ、わたしたちにはまだ早いんだから~!?」
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