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第2話「手に入れたユニークスキル」
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転移に際して俺が手に入れたユニークスキルを調べるために、ローザベルが水晶を俺に向かって掲げる。
水晶を真剣に見つめるローザベル。
数瞬後、水晶がパリンと砕け散った。
「――ッ!」
ローザベルの顔が驚きの表情になった。
これはもしかしたら、俺の魔力が膨大すぎて計りきれずに水晶を壊してしまったのではないだろうか。
俺のチートな異世界生活ここに始まるか、と少し期待しながらローザベルに問いかける。
「何が分かったんだ? 驚くようなことだったとか……?」
「……う、うん。驚いたわ……」
なんだかちょっと歯切れが悪い。
これは魔王っ娘の予想以上に凄い力が俺に宿っていたのかもしれない。
ちょっとワクワクしてきたぞ。
「すごい魔法が使えるとか?」
「……いえ」
「体がゴムになるとか?」
「ゴム? 違うわ……」
ローザベルの表情が暗い気がする。
なんか不味いスキルだったとか?
「……じゃあ、いったい?」
俺は少し冷や汗をかきながら、魔王っ娘に問いかける。
「……油を出す能力」
「えっ?」
「だから油を創りだすスキルだってば! と~っても微妙なスキルよ。せっかく超高価な使い捨て鑑定石をつかったのに……。それに……召喚に使った魔道具……、あれを集めるの凄く大変だったのに……」
ローザベルは、目に見えて落ち込んでいく。
俺を呼び出したという魔方陣の近くを見ると、壊れた鏡やらが散らばっている。あれが魔道具だろうか。
なんかちょっと悪いことをしてしまった感がある。冷静に考えると、いきなり召喚されて迷惑を被ってるのはこっちなんだけどね。
マジか……。微妙な能力なのか……?
油ってオイルの油だよな。うーん、どうなんだろう。結構便利な気はするけど。
「魔王様? 油を出せる能力ってさ、結構便利だと思うよ……」
「便利でどうするのよ!? 戦いに使える能力が必要だったのに!」
「相手に油をかけて燃やしたり、籠城戦とかで役に立ちそうじゃない?」
俺は、にわか戦知識で提案してみた。
「油が必要だったら、持ち運べばいいだけじゃないの! それに燃やすんだったら、私の魔法で燃やした方が断然早いんだからっ!!」
なるほど……、おっしゃる通りで……。
その後、魔王っ娘は一通り騒ぐと今度はしょぼくれてしまった。
「まあ、俺が言うのもなんだけど、元気をだしてくれよ……」
力なく佇むローザベルを励ます俺という構図。
散々微妙なスキルと言われた俺が、魔王っ娘を慰める側という状況だ。俺は一体何をしているのだろう……。
「……ごめん、イツキ」
ローザベルがポツリつぶやいた。
「え? どうしたんだよ急に?」
落ち込んだり、謝ったりと、訳が分からない。
「こっちの都合であなたを召喚してしまった……。私も王である以上、この国の利益になるなら、多少の犠牲はしょうがないと思っていた……」
「魔王様……」
「召喚した者を元の世界に還す方法を私は知らない。せめてこの世界で活躍して、自分の居場所をここに作って欲しかった……」
遠回しに俺を召喚したことは無駄だったと言われているようなものだけど、俺はなぜだかローザベルに対して怒りの気持ちは無かった。
むしろ、こんな少女が王様って大変だなあ、何か力になってあげたいなあという気持ちがわいてきた。
「召喚されたのも何かの縁だ。戦いに使えないスキルらしいけど、何かの役に立ってやるよ。ちなみにどうやってスキルを使うんだ?」
暗い空気を変えようと、わざと明るく話しかける。
「……うん。ユニークスキルの魔法は、一般的な魔法と違って訓練は必要ないから、すぐ使えると思う。目の前の空間に『油』を生み出すようにイメージして『油創出』って念じてみて」
俺は言われた通りに、目の前の空間に向かって念じてみる。
「……『油創出』」
念じると同時に体の中から何か力が持っていかれた気がした。
直後、目の前にシャボン玉を大きくしたようなものが空中に浮かんでいた。
このバスケットボール大の球状の液体が、油なのだろう。
「へぇー、キレイだね」
ローザベルの感心したような声に、ちょっと嬉しくなる。
たしかにただの油でも、こういう形だとちょっと神秘的だ。
「これって動かしたりできるのかな」
油の玉を動かそうと意識すると、スイーっと動かせた。
おおー、なんだか楽しいぞこれは。
ファンタジーの片鱗に触れて、なんだかテンションが上がってくる。
「でも、やっぱり戦いに使えるスキルではなさそうね……」
かたや魔王っ娘の、テンションはまだ低いままだ。
なんとか元気づけたいと考えを巡らせてると、あることが浮かんだ。
「そうだ! 魔王様、この油を使って唐揚げを作ってあげるよ!」
美味しいものを食べれば元気になるのは、どこの世界でも同じだろう。
特に唐揚げといったら、子供の大好物だろう。子供あつかいしたら怒りそうだけど。
自分のスキルだからか、この創出した油は馴染み深いサラダ油だということが直感的に分かる。
馴染み深いからこそ、サラダ油が出てきたのかもしれないけど。
「か、からあげ??」
「唐揚げを知らないのか? そういえば……」
そういえば俺が元いた世界でも、揚げ物がメジャーな食べ物になったのは結構最近のことだと聞いたことがある。
ラノベによくある中世ヨーロッパ風の世界なら、唐揚げが存在しなくても不思議じゃないのかもしれない。
「これを使って何かを作ろうとしてるの?」
魔王っ娘が油シャボン玉をツンツンプニプニしている。
乱暴に扱わないで! 破裂して油まみれになっちゃうよ。
「そうだ、凄く美味しい料理を作ってやる!」
俺はそう言って、料理に必要な食材と調理器具があるかをローザベルに聞いてみたのだった。
水晶を真剣に見つめるローザベル。
数瞬後、水晶がパリンと砕け散った。
「――ッ!」
ローザベルの顔が驚きの表情になった。
これはもしかしたら、俺の魔力が膨大すぎて計りきれずに水晶を壊してしまったのではないだろうか。
俺のチートな異世界生活ここに始まるか、と少し期待しながらローザベルに問いかける。
「何が分かったんだ? 驚くようなことだったとか……?」
「……う、うん。驚いたわ……」
なんだかちょっと歯切れが悪い。
これは魔王っ娘の予想以上に凄い力が俺に宿っていたのかもしれない。
ちょっとワクワクしてきたぞ。
「すごい魔法が使えるとか?」
「……いえ」
「体がゴムになるとか?」
「ゴム? 違うわ……」
ローザベルの表情が暗い気がする。
なんか不味いスキルだったとか?
「……じゃあ、いったい?」
俺は少し冷や汗をかきながら、魔王っ娘に問いかける。
「……油を出す能力」
「えっ?」
「だから油を創りだすスキルだってば! と~っても微妙なスキルよ。せっかく超高価な使い捨て鑑定石をつかったのに……。それに……召喚に使った魔道具……、あれを集めるの凄く大変だったのに……」
ローザベルは、目に見えて落ち込んでいく。
俺を呼び出したという魔方陣の近くを見ると、壊れた鏡やらが散らばっている。あれが魔道具だろうか。
なんかちょっと悪いことをしてしまった感がある。冷静に考えると、いきなり召喚されて迷惑を被ってるのはこっちなんだけどね。
マジか……。微妙な能力なのか……?
油ってオイルの油だよな。うーん、どうなんだろう。結構便利な気はするけど。
「魔王様? 油を出せる能力ってさ、結構便利だと思うよ……」
「便利でどうするのよ!? 戦いに使える能力が必要だったのに!」
「相手に油をかけて燃やしたり、籠城戦とかで役に立ちそうじゃない?」
俺は、にわか戦知識で提案してみた。
「油が必要だったら、持ち運べばいいだけじゃないの! それに燃やすんだったら、私の魔法で燃やした方が断然早いんだからっ!!」
なるほど……、おっしゃる通りで……。
その後、魔王っ娘は一通り騒ぐと今度はしょぼくれてしまった。
「まあ、俺が言うのもなんだけど、元気をだしてくれよ……」
力なく佇むローザベルを励ます俺という構図。
散々微妙なスキルと言われた俺が、魔王っ娘を慰める側という状況だ。俺は一体何をしているのだろう……。
「……ごめん、イツキ」
ローザベルがポツリつぶやいた。
「え? どうしたんだよ急に?」
落ち込んだり、謝ったりと、訳が分からない。
「こっちの都合であなたを召喚してしまった……。私も王である以上、この国の利益になるなら、多少の犠牲はしょうがないと思っていた……」
「魔王様……」
「召喚した者を元の世界に還す方法を私は知らない。せめてこの世界で活躍して、自分の居場所をここに作って欲しかった……」
遠回しに俺を召喚したことは無駄だったと言われているようなものだけど、俺はなぜだかローザベルに対して怒りの気持ちは無かった。
むしろ、こんな少女が王様って大変だなあ、何か力になってあげたいなあという気持ちがわいてきた。
「召喚されたのも何かの縁だ。戦いに使えないスキルらしいけど、何かの役に立ってやるよ。ちなみにどうやってスキルを使うんだ?」
暗い空気を変えようと、わざと明るく話しかける。
「……うん。ユニークスキルの魔法は、一般的な魔法と違って訓練は必要ないから、すぐ使えると思う。目の前の空間に『油』を生み出すようにイメージして『油創出』って念じてみて」
俺は言われた通りに、目の前の空間に向かって念じてみる。
「……『油創出』」
念じると同時に体の中から何か力が持っていかれた気がした。
直後、目の前にシャボン玉を大きくしたようなものが空中に浮かんでいた。
このバスケットボール大の球状の液体が、油なのだろう。
「へぇー、キレイだね」
ローザベルの感心したような声に、ちょっと嬉しくなる。
たしかにただの油でも、こういう形だとちょっと神秘的だ。
「これって動かしたりできるのかな」
油の玉を動かそうと意識すると、スイーっと動かせた。
おおー、なんだか楽しいぞこれは。
ファンタジーの片鱗に触れて、なんだかテンションが上がってくる。
「でも、やっぱり戦いに使えるスキルではなさそうね……」
かたや魔王っ娘の、テンションはまだ低いままだ。
なんとか元気づけたいと考えを巡らせてると、あることが浮かんだ。
「そうだ! 魔王様、この油を使って唐揚げを作ってあげるよ!」
美味しいものを食べれば元気になるのは、どこの世界でも同じだろう。
特に唐揚げといったら、子供の大好物だろう。子供あつかいしたら怒りそうだけど。
自分のスキルだからか、この創出した油は馴染み深いサラダ油だということが直感的に分かる。
馴染み深いからこそ、サラダ油が出てきたのかもしれないけど。
「か、からあげ??」
「唐揚げを知らないのか? そういえば……」
そういえば俺が元いた世界でも、揚げ物がメジャーな食べ物になったのは結構最近のことだと聞いたことがある。
ラノベによくある中世ヨーロッパ風の世界なら、唐揚げが存在しなくても不思議じゃないのかもしれない。
「これを使って何かを作ろうとしてるの?」
魔王っ娘が油シャボン玉をツンツンプニプニしている。
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