7 / 10
第7話
しおりを挟む
「お呼びですか?父上」
「……」
父上に呼び出されたが、俺を待っていたのは睨みつける父上だった。
あれは不機嫌を通り越しているな。
「いろいろと嘘の報告をしてくれたようだな。何か釈明するか?」
「嘘とは何のことでしょう?」
「ティナリア嬢との関係が悪化した理由はお前の浮気にあったのではないのか?」
「それは心外です。ティナリアとの関係が良くなく、カラルラのほうが積極的で、それに俺に相応しいと思ったからです。何よりも誘ってきたのはカラルラのほうですから恥をかかせる訳にはいかなかったのです」
「そうか…」
どうも俺の責任にしたいようだな。
あのままティナリアと結婚しても俺にとっては不幸な結婚になるだけだったし、俺好みになろうとしないティナリアに譲歩する必要なんてないからな。
わざわざ教育するよりも最初からカラルラを選んでおけば面倒はないというのに。
将来面倒なことにならないよう早い段階で適切な相手を選んだはずだが父上には不満があるようだな。
「そうか。ならばティナリア嬢との婚約破棄を認めカラルラ嬢との婚約を認めよう」
「ありがとうございます」
ほら、こうなるんだから俺の判断は正しかったということになる。
結局俺に文句を言いたいだけなのだろう。
父上も国王という重責のある立場でお疲れなのだろう。
ここは早めに王位を譲ってもらったほうが親孝行というものだな。
「それとお前には領地を任せたい」
「領地ですか?国ではなくて??」
「誰がお前に国を任せるか。王家直轄領の一つを任せる。そこで有能さを証明するがいい。カラルラ嬢も同行させよう」
「…わかりました」
王になる前に領地を繁栄させて実績を作り箔を付けろということか?
まあカラルラも一緒ならば実質結婚したようなものだし、しばらくは二人の生活を楽しめという父上の気遣いなのだろう。
ありがたく従っておく。
「それと勘違いしないように伝えておく。いいか、バディーン。お前は王位を継ぐことはない。王位継承権を剥奪する」
「そんな!冗談はやめてください!」
「こんなことを冗談で言うとでも思うのか?」
「……いえ」
「王という立場は信用を裏切るようなことがあってはならない。お前はティナリア嬢という婚約者がいるにも関わらずカラルラ嬢を選んだ。信用を損なう行為としては十分だろう」
「………………」
確かに王という立場では愛を優先できないのかもしれないが、俺はまだ王子という身分だ。
それにカラルラ一人を幸せにできなくて民を幸せにできるはずがない。
やはり父上はもう老害と言うべき存在に成り下がってしまったのだ。
今は父上の顔を立てて従うが、いつか俺が王位に就いてやろう。
そのこともカラルラと相談しておかないとな。
「……」
父上に呼び出されたが、俺を待っていたのは睨みつける父上だった。
あれは不機嫌を通り越しているな。
「いろいろと嘘の報告をしてくれたようだな。何か釈明するか?」
「嘘とは何のことでしょう?」
「ティナリア嬢との関係が悪化した理由はお前の浮気にあったのではないのか?」
「それは心外です。ティナリアとの関係が良くなく、カラルラのほうが積極的で、それに俺に相応しいと思ったからです。何よりも誘ってきたのはカラルラのほうですから恥をかかせる訳にはいかなかったのです」
「そうか…」
どうも俺の責任にしたいようだな。
あのままティナリアと結婚しても俺にとっては不幸な結婚になるだけだったし、俺好みになろうとしないティナリアに譲歩する必要なんてないからな。
わざわざ教育するよりも最初からカラルラを選んでおけば面倒はないというのに。
将来面倒なことにならないよう早い段階で適切な相手を選んだはずだが父上には不満があるようだな。
「そうか。ならばティナリア嬢との婚約破棄を認めカラルラ嬢との婚約を認めよう」
「ありがとうございます」
ほら、こうなるんだから俺の判断は正しかったということになる。
結局俺に文句を言いたいだけなのだろう。
父上も国王という重責のある立場でお疲れなのだろう。
ここは早めに王位を譲ってもらったほうが親孝行というものだな。
「それとお前には領地を任せたい」
「領地ですか?国ではなくて??」
「誰がお前に国を任せるか。王家直轄領の一つを任せる。そこで有能さを証明するがいい。カラルラ嬢も同行させよう」
「…わかりました」
王になる前に領地を繁栄させて実績を作り箔を付けろということか?
まあカラルラも一緒ならば実質結婚したようなものだし、しばらくは二人の生活を楽しめという父上の気遣いなのだろう。
ありがたく従っておく。
「それと勘違いしないように伝えておく。いいか、バディーン。お前は王位を継ぐことはない。王位継承権を剥奪する」
「そんな!冗談はやめてください!」
「こんなことを冗談で言うとでも思うのか?」
「……いえ」
「王という立場は信用を裏切るようなことがあってはならない。お前はティナリア嬢という婚約者がいるにも関わらずカラルラ嬢を選んだ。信用を損なう行為としては十分だろう」
「………………」
確かに王という立場では愛を優先できないのかもしれないが、俺はまだ王子という身分だ。
それにカラルラ一人を幸せにできなくて民を幸せにできるはずがない。
やはり父上はもう老害と言うべき存在に成り下がってしまったのだ。
今は父上の顔を立てて従うが、いつか俺が王位に就いてやろう。
そのこともカラルラと相談しておかないとな。
応援ありがとうございます!
2
お気に入りに追加
395
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる