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魔法の剣
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キアが先導し、テックたちはそれに着いていく。至高の島に慣れているらしく、キアの足どりは軽い。うっかりしていると見失いそうになるテックだが、キアに言わせれば「これでも本気じゃないのよ」らしい。
テックは魔法剣の事を話しておくべきか迷い、念のためキジュアに第三剣のテレパシーで確認した。
【キアは転移を見てあの冷静さだ。転移魔法は禁忌とされる魔法の中で最も禁忌に近いとされている。それを驚かないという事は、彼女は十三傑に匹敵する強者か、とんでもなく無知かどちらかだ】
言われてテックはなるほど、と思ったが、魔法剣の事をどうするかは、タイミングを逃してうやむやになってしまったのだった。
「目以外に視認器官があれば話は別だけど、ここからなら大鬼からは見えないんじゃないかしら」
キアとやって来たのは、至高の島の北西部、その最北端付近だ。ここはちょうど、世界級鬼を基準に見るなら、その両目が正面に見えていたテトンテス像の反対側だ。
そして、そこまで来なければならないという事が、一つの島並みの大きさを誇る世界級鬼の巨大さを物語っていた。
「キア殿。どう攻めていくのか、算段はあるのか」
「まずはコイツで様子見。あなたたちも遠距離攻撃出来るなら、手伝ってよね」
そう言うと、キアは小型の弓を取り出した。
「見た目以上にパワーあるから、これは」
キアは魔法も使えるようで、それからはキアの独壇場に思えた。流石に魂の杖を根幹とする反魔法ではないが、それでも相当に凄まじい威力であり、炎、氷、雷の基本三属性に長けている事がそこから見て取れるのだった。
大鬼の方も痛みゆえか「グヒュルガガガ」などと奇声を発しており、もしかしたらキアだけで倒してしまうのではないか、そう思えるほどであった。
「よし。じゃあ、とっておき行くよ」
そしてキアが放ったのは、炎、氷、雷を合成した複合魔法の矢だ。
古の獣のような存在感と質量を持った巨大な魔力の塊が、あたかも召喚された魔物のように大鬼に向かっていく。
「あれは、まるで空飛ぶ虹色の亀だな。キア、あんた一体」
テックはそう聞きたかったが、テックの言う虹亀から発せられる轟音がそれをかき消してしまった。
「あらら。ヤッバイ、怒らせたかも」
キアはさも焦ってないかのように見せたが、その瞳にほんの僅かな動揺があるのをキジュアは見逃さなかった。
「よし、テック。私たちも行こう。やれるだけやって、いざとなったらここに戻るぞ。経路方陣なら描いておいた」
キジュアの手には、見たことのない魔剣が握られていた。手加減なしの、本気の臨戦態勢である事がそこから見て取れる。
それは柄と刃が分離した、普通には有り得ない不思議な剣だ。
刃にはある程度、自分の意思があるらしく、キジュアの周りを旋回しつつその身を守っているようだ。
「聖なる約束。これが私の第七剣だ」
キジュアがそう言うと、刀身が3つ増えた。
「今の私の限界を見せてやる。テック、いつか私より強くなれ。いいな。これは、男の約束だ」
テックと同じ魂の剣とは思えないほどの威圧感を放ち出した、キジュアの魔剣。それが歴戦の証である事は揺るぎない。
しかしそれをもってなお、大鬼に勝てるかは未知数だ。
「キジュアさん」
「やっと普通にさんで呼んだな。テック」
テックは第一剣を炎剣状態で構えた。強い覚悟が分かってきたテックは、やっと炎剣を安定して出せるようになってきたのだ。
「行くぞ、鬼退治だ」
「魔法剣、俺たちを導いてくれ」
そして、大鬼に向かって特攻の勇者たちは戦い始めた。
展開する刃は複数の敵を翻弄する事にも向くが、的が大きいボス格が相手なら一方的な攻撃も可能だ。
キジュアの第七剣はそのように万能で、虹亀に負けない、あるいはそれ以上の猛攻を見せていった。
ただ、大鬼もやられっぱなしではない。直接攻撃は今のところないが、攻撃し、剥がれた大鬼の皮膚や血が新たな小黒鬼となるのだ。
つまり、勇者側の攻撃が強く激しいほど、反射的に大量の小鬼が湧くのである。
「どりゃあああ」
炎剣はその点において、威力は二人に劣るものの小鬼が湧きにくいために戦いが安定していた。さらにテック自身の戦闘能力の高さも相まり、総合的には譲らぬ戦いを続けていた。
一回り、二回りと大鬼は小さくなっていく。それほどまでに三人の攻撃は熾烈なのだ。
「二人とも、もう少し粘って。この程度の危険度なら、アイツらも来てくれると思う」
アイツらとは、と聞く時間も勿体なかった。キアの言葉の裏にある考えを信じ、テックとキジュアは大鬼への攻撃を続けていった。
ダイ=キア。
十三傑の1人であるが、女性である事はあまり知られていない。本人がその実力に反し、世間に注目される事を嫌うためだ。
そして十三傑の1人が今、剣の勇者と共に戦う様子を、人知れずムオルとシーバースは眺めているのだった。
テックは魔法剣の事を話しておくべきか迷い、念のためキジュアに第三剣のテレパシーで確認した。
【キアは転移を見てあの冷静さだ。転移魔法は禁忌とされる魔法の中で最も禁忌に近いとされている。それを驚かないという事は、彼女は十三傑に匹敵する強者か、とんでもなく無知かどちらかだ】
言われてテックはなるほど、と思ったが、魔法剣の事をどうするかは、タイミングを逃してうやむやになってしまったのだった。
「目以外に視認器官があれば話は別だけど、ここからなら大鬼からは見えないんじゃないかしら」
キアとやって来たのは、至高の島の北西部、その最北端付近だ。ここはちょうど、世界級鬼を基準に見るなら、その両目が正面に見えていたテトンテス像の反対側だ。
そして、そこまで来なければならないという事が、一つの島並みの大きさを誇る世界級鬼の巨大さを物語っていた。
「キア殿。どう攻めていくのか、算段はあるのか」
「まずはコイツで様子見。あなたたちも遠距離攻撃出来るなら、手伝ってよね」
そう言うと、キアは小型の弓を取り出した。
「見た目以上にパワーあるから、これは」
キアは魔法も使えるようで、それからはキアの独壇場に思えた。流石に魂の杖を根幹とする反魔法ではないが、それでも相当に凄まじい威力であり、炎、氷、雷の基本三属性に長けている事がそこから見て取れるのだった。
大鬼の方も痛みゆえか「グヒュルガガガ」などと奇声を発しており、もしかしたらキアだけで倒してしまうのではないか、そう思えるほどであった。
「よし。じゃあ、とっておき行くよ」
そしてキアが放ったのは、炎、氷、雷を合成した複合魔法の矢だ。
古の獣のような存在感と質量を持った巨大な魔力の塊が、あたかも召喚された魔物のように大鬼に向かっていく。
「あれは、まるで空飛ぶ虹色の亀だな。キア、あんた一体」
テックはそう聞きたかったが、テックの言う虹亀から発せられる轟音がそれをかき消してしまった。
「あらら。ヤッバイ、怒らせたかも」
キアはさも焦ってないかのように見せたが、その瞳にほんの僅かな動揺があるのをキジュアは見逃さなかった。
「よし、テック。私たちも行こう。やれるだけやって、いざとなったらここに戻るぞ。経路方陣なら描いておいた」
キジュアの手には、見たことのない魔剣が握られていた。手加減なしの、本気の臨戦態勢である事がそこから見て取れる。
それは柄と刃が分離した、普通には有り得ない不思議な剣だ。
刃にはある程度、自分の意思があるらしく、キジュアの周りを旋回しつつその身を守っているようだ。
「聖なる約束。これが私の第七剣だ」
キジュアがそう言うと、刀身が3つ増えた。
「今の私の限界を見せてやる。テック、いつか私より強くなれ。いいな。これは、男の約束だ」
テックと同じ魂の剣とは思えないほどの威圧感を放ち出した、キジュアの魔剣。それが歴戦の証である事は揺るぎない。
しかしそれをもってなお、大鬼に勝てるかは未知数だ。
「キジュアさん」
「やっと普通にさんで呼んだな。テック」
テックは第一剣を炎剣状態で構えた。強い覚悟が分かってきたテックは、やっと炎剣を安定して出せるようになってきたのだ。
「行くぞ、鬼退治だ」
「魔法剣、俺たちを導いてくれ」
そして、大鬼に向かって特攻の勇者たちは戦い始めた。
展開する刃は複数の敵を翻弄する事にも向くが、的が大きいボス格が相手なら一方的な攻撃も可能だ。
キジュアの第七剣はそのように万能で、虹亀に負けない、あるいはそれ以上の猛攻を見せていった。
ただ、大鬼もやられっぱなしではない。直接攻撃は今のところないが、攻撃し、剥がれた大鬼の皮膚や血が新たな小黒鬼となるのだ。
つまり、勇者側の攻撃が強く激しいほど、反射的に大量の小鬼が湧くのである。
「どりゃあああ」
炎剣はその点において、威力は二人に劣るものの小鬼が湧きにくいために戦いが安定していた。さらにテック自身の戦闘能力の高さも相まり、総合的には譲らぬ戦いを続けていた。
一回り、二回りと大鬼は小さくなっていく。それほどまでに三人の攻撃は熾烈なのだ。
「二人とも、もう少し粘って。この程度の危険度なら、アイツらも来てくれると思う」
アイツらとは、と聞く時間も勿体なかった。キアの言葉の裏にある考えを信じ、テックとキジュアは大鬼への攻撃を続けていった。
ダイ=キア。
十三傑の1人であるが、女性である事はあまり知られていない。本人がその実力に反し、世間に注目される事を嫌うためだ。
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