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2019年10月4日。mk-2の執筆のやり方

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 10月4日。

 最近は『創世樹』の執筆ペースがどんどんと早くなっている。アイデアも懇々と湧いてくる。9話あたりから連載を再開してから「2週に1話ぐらいのペースで更新出来れば御の字かな~」と思っていたし、今もそれは変わらないのだが……今現在は週1話(実質的な執筆時間は火曜~木曜で、合算しても4時間前後)で5000文字前後書けてしまう。

 更にこのエッセイも平日に限れば2000文字前後のものを毎日書けている。休日はどうしても脳がお休みモードになりがちなのでまるで集中出来ないのだが。

 『創世樹』もこのエッセイも共に読者から見て面白いかはともかく、自分の中でここまで限られた時間で文を書けているのは未だかつてないことだ。書いて、評価して貰えるなら極楽かもしれないが、僕にとっては自分にとって納得解と思える内容とボリュームをただ長期間書き続ける。それだけでひとまずの課題は充分にクリアしているのだ。


 継続すること。積み重ねること。長く続けて過程を見定めること。

 それが僕の創作にとっては重要だと考える。ただアイデアを短編などで乱発するよりも……少なくとも僕にとっては価値あることである。


 無論、短編は短編で積み重ねることだし、それが自分にとっての最適解、納得解であるスタンスだという方もいるし、批判する気は毛頭ない。ただただ僕自身の今のスタンスがこうだ、というだけです。


 というか、僕は短編を作るのが苦手なのかもしれない。

 ゲーム制作する時でも、処女作を作り始めた時は『王様に頼まれて南のダンジョンに行って宝玉を取り返してくるだけ』という超短編にしてシンプルな習作を作るつもりだった。

 だが、気が付けば『もっとドラマティックに、もっと大きく……』とでも意識していたのか、『世界を救う為に宝玉から蘇った邪悪の化身を打ち倒す』という、ボリュームにして中編ぐらいのゲームになってしまったことがある。


 小説でもそうなのか、いくら短編やショートショートなどで習作(短編は小説を書く練習には最適なのだ)を作ろうと思っても、


『書きたあああい……長編でスケール感のある話書きたあああああいいい…………!!』


 と、何かに魘されるように長編を書きたがってしまうのだ。


 長編を書くのが自分のスタンスで、一番自分に合うとは言ったが、当然長編は長編なりのリスクもある。

 ある日突然モチベーションを失ったり、他のことがやりたくなったりして筆を途中で折ってしまった作品も数知れずだ。未完のまま、作品の生命を完成体へと至れないまま放置している作品群は、我ながら目を背けたくなるぐらい情けない。いつか連載を再開する日は来るのか?


 一度に連載作品を3本ぐらい同時進行で書こうと試みたこともあったが、僕には無理だった。未完作品を量産してしまった……長編1本と1話が短めのエッセイを書くのが限界です。



 その『限界』とやらも、いつ基準値が下がってしまうか解ったものではない。別のテーマを見つけてしまったり、リアルで多忙になって、他のことに気を取られればいつ筆を置くかわからないものだ。



 それでも……こんなちゃらんぽらんな執筆態度を取っている僕に対して、作業所の先生やメンバーは『凄い』と言ってくれる。何故か。


 その訳は、僕の『書き方』であるらしい。


 その先生やメンバーに「そんな凄いですかあ? 何でぇ?」と尋ねると、


「大半の小説を書く人はキャラクター設定とか物語のスタートからゴールまで細かいプロットを書いてからでないと継続して書けないから……」

 と言うのだ。


 確かに、そうだ。


 僕もそう思って、事実過去に自己流でキャラクター設定表を作成したり、自己流でプロット(スタート地点の情況、ゴールでの着地の仕方、その過程で盛り込みたい要素など)をノートに書いていたりした。



 だが、今書いている『創世樹』も、その前に完結させた『LIVE FOR HUMAN』も……まあ、全くのノープランという訳では無いが、最低限のキャラクター設定と、スタート地点とゴールの着地店だけを定めて書いているうち、割りとその場その場でアドリブ的に書き進められている。

 そのキャラクター設定も、キャラシートを作りこそしたが、あまりそれに拘らずに登場人物は生き生きと動いてくれるし、プロットも本当に書き記したのは冒頭とエンディングだけ。あとは新キャラが出ても話が動いてもそんなに逐一データ化していない。なのに書ける。



 これは飽くまで作業所の先生の推測なのだが、映画監督の宮崎駿などは脚本を最初から最後まで固めずに、イメージボードを描きまくる。飽くまで作品全体の『イメージ』を探るという。そしてその『イメージ』を掴む絵がある程度出来上がってから絵コンテに落とし込み、そのまま脚本に転用するらしい。


 先生曰く、僕はその作品全体の『イメージ』を心の中でしっかり掴んでいるから、如何様にも話を動かし、人物も生き生きと動いてくれるのでは……とのこと。

 そんな大御所を例えにするのは我ながら烏滸がましい気がするのだが、確かに直接PCやスマホで執筆している時以外のふとした日常でも「あの人、この状況だとどう行動するんだろうなー」とか「この場はこういう要素を入れたいからこういう動かし方にしようかな」とかイメージしていることが多い。そう言えば趣味の延長だが好きな登場人物をイラストに描き起こしてみることも結構ある。どう展開して、どう着地し、落とし所をどうするかも概形が『イメージ』出来ていると思う。文面に向かう時以外も『執筆』しているってことなのだろうか。


 僕は、今書いている作品を『掴んだ』のだろうか?

 答えは、これからラストまで書き続けることで確かめたい。


 ――などと、ある種自己顕示の激しい言い方をしたが、僕はまだまだ一端の作家に比肩すれば、圧倒的に学習不足だ。ろくに本を読んで勉強していない。


 この前アウトプットが大事、ということをエッセイにも書いたが、まあアウトプットは足りてる方なんだろう。まだまだ必要な素材知識をインプットするのが足りないのだ。


 楽しく書くことが一番とは思うが、書くことがもっと呼吸するように日常化したのなら、こんどは知識や技術も磨いていこう。



 何だか、また意識高い系みたいな真面目腐った話になってしまった。なんだこれー。
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