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2019年12月10日。ネーム作業に着手&芸事は技術や理論が8割。残り2割の個性まで表現出来れば一等賞!

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 12月10日。

 どうしても気になったので、漫画のネーム作業に着手した。プロの仕事ぶりがどれほど丁寧で精緻な物かはわかりかねるが、少なくとも趣味の延長で描く分にはもっと肩の力を抜いて気楽に描いてもいいだろう。

 そう自分に言い聞かせて、2ページちょいは描けた。実際に原稿に作画する労力の15分の1にも満たないだろうが、何にせよ設計図が出来れば良いのだ。百均で買ってきた落書き帳(50枚ほどあるA3ぐらいのやつ)に鉛筆やシャーペンで描きこんでいく。

 アナログなら鉛筆の方が使い慣れてるはずだが、紙質も相まってかシャーペンの方が描きやすい気がする。線の太さも変わらないし。

 取り敢えず全20ページ前後の本にすることを目標にしているので、毎日2ページ程度でも描ければネームは10日ほどで終わる。さすがに作画までは10日では無理だろうが……。

 デジタル作画でやると決めた以上、デジタルで現時点で出来ることは何でも試したいものだ。

 例えば、iPad Proにインストールしているアイビスペイントならば、アナログの紙などに描いた下描きをカメラアプリで撮って取り込み、そのまま線画だけ抽出してスムーズにクリーンアップ(清書)する、という使い方が出来た。アイビスペイントで出来てクリップスタジオEXで出来ないことはまず存在しないだろう。ネームもそのまま取り込んでラフを描く手間を省くか……?

 恐らく、それはさすがに否だ。

 ネームはこの段階での作者の作画へのこだわり具合にもよるが、ざっくりと本当にラフに構図や台詞を決めるだけの簡易的な設計図なのだ。いざ本格的な作画となったら改訂したい点も1つや2つじゃ済まないだろう。柔軟に、丁寧に作画をしながら「ここは変えた方がバランスがいいな」などと修正しつつやるべきか。

 ――移動中。今、バスから降りる最中に女子高生がスマートフォンを操作していたが、スマートフォンのケースが本体の上部に猫耳が生えて可愛くデコるデザインだった。



 猫耳型のスマートフォンケース! そんなのもあるのか!!



 正直、ありがたい。



 今描いている漫画には猫をモチーフにした登場人物が出てくるのだ。その人物が自分のアイデンティティを主張する為に猫耳型のスマートフォンケースをしていたら映えるし、見栄えもユニークかつカワイイ。これは利用しない手は無いな。


 創作活動や芸術的なセンスを磨くのに必要なのは小手先の技術だけではなく、こうして日常生活の中からアイデアを拾ってくるものだ、と個人的には思う。

 いや、技術的な部分を否定する訳では無いが。



 作画にしても何にしても、芸事や教育というものは8割以上が技術であり、模倣なのだ。




 絵を描くのを上手くなるには、無数の作画パターンや物の形を理解するまで模写しまくり、それらを自在に複合させ、組み合わせて無限の表現が可能になってくる。


 そして、『個性が大事!』と叫ばれて久しいが、個性などというものはその8割以上の技術を知見と手先で以て吸収し、実践し切った先に……それでも消えないその人らしさを写し出す『何か』。それが残り2割以下の『個性』なのだ。個性至上主義に惑わされずに……でも感性や精神性、思考を豊かにして技術を学んでいけば、自ずと『個性』は表れてくるものだと思う。僕も作為せずとも『自分らしさ』が出るくらいまで沢山模写し、模倣するとしよう。


 技術と個性。その2つが極限まで練磨された人こそがパイオニアであり、第一人者であり、達人だと思う。尤も、そんな領域に到達出来るのは全人類ひとつまみ程度だ。凡人たる僕はそんな天上の人を意識し過ぎて惑わされず、安心して鍛錬すれば良かろう。
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